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映画レビュー この世界の片隅に

2022-08-04 16:43:00 | 映画レビュー
「この世界の片隅に」 監督。片渕須直 すず。のん
ドラマも始まりましたがやっぱりこのアニメは素晴らしい!
シーンの一つ一つの完成度、というか、あの時あの日の呉の
再現度が他のアニメとは比較にならないほど卓越している。
戦時中の人々の心象から心情、動作や動機、不安や絶望まで、映画を観ている観客全員が登場人物たちの運命を一緒になって心配し同情してしまう。
すずさんと、のんの声優が完全に憑依、シンクロし、観客が彼女の慟哭や安堵や怒りや喜びに惹き付けられる。一時も映画から眼を離せない緊張感、すずの感情の波に呑まれ、同じように心の痛みを体験する感覚、そして映画が終わった時、すごいものを見終わったのだ、という到達感と茫然感に巻かれる。

戦争が恐ろしい、とか戦争反対、憲法改正反対、とかという
姑息で胡散臭い政局のつまらぬ材料として絶対使って欲しくは無い。
この映画の中ではある意味で戦時中体制批判的な、したたかでたくましい人々が描かれるが彼らこそ真の主役である。
後付の戦争反対教育委員会的イデオロギーとも相反するこの作品の強靭なメッセージを大切にしたいと思う。







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