「グラン・トリノ」
監督、主演 クリントイーストウッド
確かに名作の評価は正しい
だがしかし、この映画の、このジジイの全てまで
有り難がって涙するのは興醒めだ
あれは自らへのアイロニーでありギャグなのだ
もっと言えばあの死に様だってそうだ、
そんな大袈裟に有り難がるのはやめてくれ、
ってウオルトは言うはずだ
肺癌でボロボロの躰は自分が一番よく知ってる
だったらイキがれて奢脱に死に場所を見つけて丁度イイ
くらいのノリなのじゃないかな?
マイベストでも 勲章モノでも
或いは人類愛のためでも正義のためでもない
ましてやアメリカのためでもモン族のためでも全く無い
単なる朝鮮戦争生き残りの自分の人生のケジメ、
ずるずるとジリ貧の闘病生活のはずの幕切れが
ちょっとだけ人サマの役に立つやり方に変えられたってこと
だからこのラストシーンでボロボロといい男が泣くな
そう言ってるはずだ
グラントリノを寅さんの渥美清に置き換えて見るといい
実にぴったりとハマるはずだ
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