#夏休み大人の課題図書 その5
「冒険者たち――ガンバと十五ひきの仲間 」単行本 1982
斎藤 惇夫 (著), 薮内 正幸 (イラスト)
思えば小学生坊主のころ図書カードに名前をひらがな混じりで書いて、当時の僕には
多すぎる文字の量を、いささかも苦にせずに夢中になって、没入し、いつの間にか
夕方薄暗くなった畳部屋で母親が蛍光灯の紐を引っ張りながら目がわるくなるよ、と
怒られたような、どこまでが本物かわからないような記憶が思い出されます。
現在は岩波書店ですが、たしか別の出版元でした。大振のハードカバーに薮内さんの
細密なイタチの毛一本一本まで書きこんだペン画が素晴らしい。ペン画集として出版
しても充分な完成度です。最近制作されたCGアニメーションより絶対こちらがイイです。
ラストのノロイ率いるイタチ軍団と戦うガンバと仲間たち。
その個々の特技を生かした戦い:詩人は歌で、バレットはダンスで闘います!!
週刊少年ジャンプが広めたバトル形式ドラマの先駆的な煌めきがにじんでます。
毎夜襲ってくるイタチ軍団と、この夜はこの闘技で、次の夜はこの闘技で、と
いう展開は、夏の夜に扇風機に当たりながら〈クーラーじゃだめ〉汗を拭って読むのに
ぴったりです。
素晴らしい児童文学です。こうして書いていてもほとんど覚えています。
アニメはスルーするか昔の東京ムービー版だけにして、もう一度、今度は子供達と一緒に
読んでみることにします。
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