Pixysのポジティブライフ

困難に立ち向かうアラフィフの日常
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最後の記憶

2007-07-07 00:08:05 | 病気や健康の話
最近読み始めた本は、ちょっと怖い殺人事件が白髪痴呆症の末期症状と絡んでいる物語。アルツハイマーはよく聞くけど、白髪痴呆症というのは初めて耳にした病気だった。痴呆症だからどんどんと記憶が消えていくのだけど、白髪痴呆症では強烈な記憶だけ最後まで残るらしい。この話の中では「殺される」という恐怖の記憶だけ死ぬ直前まで何度も何度も繰り返される状態となってしまう。
そこで、「私の一番強烈な記憶とはなんだろう?」という素朴な疑問がわいた。なんてことなく平凡に生きてきて、なんとなく辛くもあり、なんとなく楽しくて、今のところこの病気にかかっても怖いめにあう事はないかな・・・と思う。もともと楽しい思い出は強烈な記憶にはならないだろうから、怖くなければ、悲しい出来事が最後に残るのだろうか。死ぬ間際まで泣いて過ごすのだろうか。それもやだな、微笑みながら安らかに逝きたいものだ。
怖いのは20代後半から発症する若年性があるということと、遺伝する確立が高いってこと。親がそうやって死んだのなら、自分もいずれそうなると予想できてしまう。そうやって痴呆が始まるのを待つ時間というのは、それこそ恐怖でいっぱいだろう。自分に子供がいたらなおさらだ。なんで産んでしまったのか、後悔しながらその後を過ごすことになる。
母が骨髄性白血病で入院した時、最初の医師たちと家族の説明の場で、母が最初に質問したのが「遺伝する病気なのですか?」という事だった。「今のところ遺伝は認められておりません。」という返事だった。“まだ認められていない”という微妙な答えだと、私はその時は思った。ガン系の病気は一つ下へ遺伝する確立が高いと聞いていた。つまり母は「孫がかかる可能性はあるのか。」と聞いたのだ。もし、その時に医師が「○%の確立で遺伝する可能性があります。」と答えていたなら、母は今はもうこの世にいないかもしれない。そんな気がする。最後まで「こんな病気になって申し訳ない。」と自分が命をつないでしまった事を後悔していたかもしれないのだ。幸い母は、何度も死の淵まで行きながら、その孫の生命力をめいっぱい吸収して今は元気な体になった。
人生何があるかわからない。自分もそう遠くない将来、死を直前にする時がくる。その時のために、もっともっと本を読んでいろんな事を学ぶ必要があるなと改めて思った。