*** Plaisir de voyager ***

非日常的な旅で遭遇する色々な体験のお話です。Various enconters in unusual travels.

サンティアゴ巡礼・ルピュイの道(第8日目)Pelerinage sur le Chemin du Puy (8em jour)

2013-12-08 | ル・ピュイの道 Chemin du Puy en Velay
フランスで最も美しい村の一つ、エスタン村
Village d'Estaing, l'un des plus beaux villages de France



ル・ピュイ巡礼路の旅

第8日目:2013年10月2日(水)
行程:エスパリオン(Espalion):標高346m → ゴリナック(Golinhac):標高649m
歩行距離:28km

  ルーム・メイトのジャン・マリは、昨晩から鍵のかかったままの管理人室に置き忘れたステッキを回収する必要があったので、私は一人で8時過ぎに、エスパリオンのジットを出発しました。ヴュー橋(le Pont Vieux)を渡ってから右に曲がり、ロット川左岸に沿う巡礼道を歩いて行きました。 川と反対側に目を向けると、山の上に古城が建っていました。11世紀ごろに築かれたカルモン・ドルト城(Chateau de Calmont d’Olt)です。この城は城塞として建てられたもので、フランスの歴史遺産(monument historique)に登録されています。
 
 カルモン・ドルト城

  このお城を眺めながら、一句が生まれました。

「古城立つ 山の頂 秋の色」
“Chateau vieux s'eleve sur sommet de montagne en coulour d'automn”

  川沿いの道をさらに進んで行くと、リンゴの木が並木の様に立ち並んでいました。すぐに手の届くところ沢山のリンゴの実があったので2-3個失敬しました。ジューシーな酸味が口の中に広がるのを感じながら、旅を続けました。

 川沿いのリンゴの木

  エスパリオンの隣村、ベシュエジュール (Bessuejouls)に入ると、赤茶けた色の古びた小さな教会が現れました。 それは、サン・ピエール教会(L’Eglise St. Pierre)と言い、アヴェイロン県(Departement d’Aveyron)地方独特の赤砂岩を使って14世紀に再建された教会です。

 サン・ピエール教会

  その後、この日の旅路で最も心が踊る美しい村エスタン(Estaing)を目指して、峠を登ったり下ったりの一人ぼっちの旅を続けました。道中、路辺に咲く色々な野花、赤い実をつけた茂み、ヤギの群れが放牧された牧草地、両側の茂みやツタがトンネルの様になった狭い道などを通過して行きました。

 南天の様な赤い実をつけた灌木
 ヤギが群れる放牧地
 ツタに覆われた山道  

  12時頃になると、ロット川(Le Lot)の右岸に待望のエスタンの村が見えて来ました。



  エスタン村は、その景観の美しさにより、フランスで最も美しい村の一つ(L’un des plus beaux villages de France)に数えられています。 



  村の中心には、周囲を圧倒するように天高くエスタン城(Chateau d'Estaing)が聳えています。この城は、中世の時代にこの地の領主であったデスタン家(Famille d’Estaing)によって、15-6世紀の頃に建造されたもので、フランスの歴史遺産に登録されています。(記事冒頭の写真参照)

  因みに、この城は、近年になってデスタン家の手を一時離れましたが、現在はフランスの元大統領であるヴァレリー・ジスカール・デスタンの所有となっています。

  ロット川には、中世に造られたゴシック様式の石橋、Pont sur le Lotが架かっています。 私はこの橋を渡って、市街地に入って行きました。エスタン城やサン・フルーレ教会(Eglise St Fleure)などを見学した後、橋の近くの河畔に戻ると、ノルウエー人の牧師さん夫婦に再会しました。彼らは、ベンチに座って昼食をとっていました。

  牧師さん夫婦と別れ、私は由緒ある中世の石橋の石造りの欄干に腰を降ろし、昼食をとることにしました。パンとチーズだけの質素な食事ですが、お城を見渡す絶景が最高のご馳走でした。

  絶景の眺めに名残を惜しみつつ、13時過ぎにエスタンを後にしました。それからしばらくは、ロット川を右に見下ろしながら歩く道が続きます。ロット川の水面は、対岸に茂る森の緑を映し出して、絵の様な眺めでした。

 対岸の緑と映すロット川

  川沿い道が終わると、森の多い丘の登り道となります。サンサグリー(Sensaguerie)まで来ると、エスタンとゴリナックの中間点なので、目的地までもう一息です。

 エスタンとゴリナックの中間点

  ゴリナックに到着したのは、17時でした。ここのジットには、既にジャン・マリやジャックなど、顔見知りの仲間が到着していました。今日は一人旅だったので、夕食の席で大勢の仲間の巡礼者と出会うことができ、ほっとした気持ちになりました。

 ワインで喉を潤しつつ歓談する巡礼者仲間

  夕食で最初にアントレとして出てきたのは、新鮮でクリーミーなチーズとジャムでした。これは、フランス人達の好物らしく、美味しそうに食べていました。恐らく牧畜業を営む地域でなくては、この様なチーズを口にするのはできない貴重な食品かも知れません。

 夕食のアントレ(前菜)


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