コニファーのエレガンテシマ(ヒノキ科クロベ属)は、冬になって寒くなってくると徐々に葉が茶色になってきます。
その変化を比べてみましょう。昨秋からエレガンテシマの西側から撮影し、写真を並べてみると・・
上段左上から 2024年11月13日、12月18日、12月27日
下段左から 2025年1月4日、1月7日、1月27日です。
11月半ばの時点で綺麗な緑色していたエレガンテシマは12月18日には変色しはじめ、徐々に茶褐色の度合いが深まっているのがわかります。一番近くの気象台データ(長野市)で、11月13日前の最低気温は、0.7度(11月9日)で12月18日前の最低気温は-3.8度(12月15日)でした。最低気温が氷点下を下回り始めると変色してくる印象です。
上の写真は西方向から撮影したものですが、日光が当たる南側から撮影すると・・
1月4日の写真ですが、日光が当たる方向から見るとまっ茶色でした。
そこで、葉っぱを詳しくみてみると・・
南面から切り出した枝ですが、部分的に緑色が残ってまだらになっていました。どうやら別の葉に隠れて日光が当たらない部分で褐変を逃れているように見えました。
さらに、別な部分の枝をちぎって葉の表裏を比較したのが下の写真・・
上段が葉の表側で左が南面で直射日光が当たる葉、右が北側に伸びて陰になっている葉です。
下段は、上段の葉を裏返したものです。
このように、直射日光の当たる場所では茶褐色に変色しますが、直射日光の当たらない北側の葉や葉の裏側では褐変しないことがわかりました。
比較のために、同じヒノキ科クロベ属で冬になっても褐変しない品種のエメラルドについて調べてみました。
1月4日、南側からの写真です。このように黄色味がかって見えるもののエレガンテシマほどには変色していません。
枝をちぎって比較すると・・
上で調べたエレガンテシマと同じように、南側、北側で葉を切り出して表裏を比較しました。
直射日光が当たる部分で変色は認められますがエレガンテシマほどではないことがわかりました。
【まとめ】
- エレガンテシマは冬になり、最低気温が氷点下を下回り始めると葉が茶褐色に変色し始めます。
- 変色するのはもっぱら日光が当たる部分に限られているように見えました。
- 以前、「アサガオの茎が日焼けしている?」で報告したようにエレガンテシマも日光の害を防ぐために変色していると考えられました。
- 同じヒノキ科クロべ属のエメラルドでは、直射日光が当たる部分で若干の変色は見られたもののエレガンテシマ程に褐変はしませんでした。
- 以上のように、エレガンテシマが冬に褐変するのは、気温が低くなって新陳代謝が低下している時期に受ける直射日光の害から身を守るための対策だと推測でき、品種特異的な特徴なのだとわかりました。
- 冬季に茶色に変色しても春になり気温が上がってくるとまた美しい緑色に戻ります。