植物のふしぎ

植物をはじめ、生物のふしぎな生態をレポートします。
🌷ガーデニング・家庭菜園・草花と自然🌷

シャインマスカットの初収穫

2024年09月04日 | 家庭菜園

玄関脇で育てているシャインマスカット。今期、初収穫です!パチパチパチ。

房の重さが510g 48粒ありました。パチパチパチ。

株を購入して今年で9年目です。2015年秋に購入、鉢植えで育てて2年目に2房収穫できて、思いの外美味しくできたのでもっとたくさん食べたいなぁと2018年春に地植えにしたのですよ。欲を出したのがいけなかったのか、急に実らなくなってしまって。2021年になってようやく実り始めたのでした。今期で4回目の地植え収穫です。パチパチパチ。

そして今期初めてジベレリン処理をしたのですよ。STジベラ錠5という錠剤タイプを使用しました。処理1回目は粉チーズの空き容器を利用、2回目は500mLのペットボトルを利用しました。

処理しない時に比べて実の大きさが断然大きい。あと処理するとタネなしになります。というか、なるはずなのですが完全ではないのです。食べていると、時々「ガジッ」ってタネを噛んでしまって。処理していない時は100%タネがあるから心づもりできているけれど、処理したブドウはたま〜にタネがあるのが困りものですねぇ。もっと完全にタネなしにするにはフルメット処理をすると良いらしいのですが家庭菜園ではそこまでしなくてもいいかなとも思っています。

お味はというと、まぁブドウの味はしてます。ただジベレリン処理したからといっておいしさが増すということはないようですね。日当たりがやっぱり重要かな。日当たりが十分とはいえない場所なのに、1本の木に30房以上も実らせているからねぇ・・・欲張り!!甘さが足りないのは仕方がないかな。粒が大きくて食べ応えあるので満足はしています。パチパチパチ。

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ミソハギは花柱の長さが3種類

2024年09月03日 | 植物の生態

公園の水辺にミソハギが咲いていました。花は紅紫色で直径は1.5cmほど。群生して咲く様子は美しいです。

ミソハギは、お盆の時に使われるお花です。花穂を束ねて水を入れた器に浸し、穂先についた水を振ってお清めするということ。その謂れなど詳しいことは忘れ去られ、ただ盆棚に乗っていたなぁという印象。用いられる水はただの水ではなく閼伽水(あかすい)と名前があったのですね。一説には、喉の渇きを抑える作用のため餓鬼の喉を潤す意味があるとか。私の故郷でもお盆の時先祖供養と一緒に施餓鬼が行われています。施餓鬼とは飢え苦しむ生き物や弔う者のない死者の霊に食べ物を供えて供養すること。というように、飢え苦しむことは一番かわいそうなことと思われていたのですね。

ミソハギ科ミソハギ属。この植物は自家受粉を避ける工夫をしているおもしろい花なのです。その仕組みがちょっと複雑なので花を解剖して見れば分かりやすいのですがね。公園を管理している方が育てているのは明らかなため、それを折り取るようなことはちょっと。なので写真だけでなんとか説明してみたいと思います。


雄しべと雌しべの組み合わせに3つの型があるのですよ。まずは長花柱花と呼ばれるタイプ・・

上の写真のように花柱が長く伸びて突き出しています。だから漢字で書くと長花柱花となります。雄しべの葯の位置はというと、萼片と花弁が開き始めるあたりに見えます。写真には写っていませんが、萼筒の中にもっと花糸の短い雄しべがあります。

花を正面付近から見て見たのが次の写真・・

花の入り口あたりにある雄しべが邪魔で短いタイプの雄しべは正面からでもよく分かりません。


次に中花柱花・・

柱頭は、花弁の開出部あたりにあります。雄しべは花弁の外に大きく出たものと、萼筒の中に短い雄しべがあります。

角度を変えて撮ったのが次の写真・・

この写真では、花の奥の方に短い雄しべの黄色い葯が見えます。


最後に短花柱花です。

長い雄しべと開出部に短い雄しべが見えます。

雌しべを見るために正面から・・

この花を正面から見ると奥の方に薄緑色した柱頭が確認できました。


以上をまとめると・・

花柱の長さには3つの型があります。雄しべについては、ひとつの花に12本あり6本ずつ異なる長さになっています。すなわち、長い花柱の場合には、雄しべの長さが萼筒の中にある短いのと開出部にある中くらいのになります。中くらいの長さの花柱の場合は、萼筒中の短いのと外に突き出した長い雄しべに、短い花柱の場合は、中くらいのと長い雄しべになります。簡単にいうと、雄しべと雌しべにはそれぞれ長、中、短があり、柱頭と同じ位置に葯がこないようにそれぞれの長さが決まっているということ。この花の型は遺伝的に決まっているので、一つの株では全ての花が同じタイプで統一されています。

この構造が受粉にどのように役立っているのでしょうか。まず柱頭が自身の葯の位置と離れることで自家受粉を避けています。それから次のようなメリットがあります。長花柱花の場合を考えてみますと、蜜を集めにハチが訪れた時、葯の位置が萼筒内と開出部なので、花粉はハチの口先と中程に付きます。次にこのハチが同じタイプの長花柱花を訪れると花粉の付いた位置に柱頭が無いので受粉できません。一方、このハチが短花柱花や中花柱花を訪れたときには付着した花粉と柱頭の位置が合うので受粉できるという具合。同様に考えると、3つの型それぞれが受粉するとき別の型の花粉が受粉しやすいことを意味しており、たった一匹のハチでも花のタイプを区別して効率的に受粉させられるということ。植物には考える力はないと思うのによくできたシステムなんだと感動しますね。

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ヘクソカズラとガガイモ

2024年09月02日 | 植物の生態

公園を散歩していたらヘクソカズラとガガイモが咲いていました。今回はそれらのレポートです。

まずはヘクソカズラ。この植物の特徴は、何と言ってもその特徴的な臭い。腐ったタマネギの臭いと表現されることも。糞便の臭気成分の一種らしいですがヘクソカズラの臭いはそれとは大きく異なります。手についても臭いが取れないということは無いので、この植物を見つけたら特徴を知るためにも一度は嗅いでみてください。

ヘクソカズラが傷つけられると酵素反応により植物体に含まれるペデロサイドがメチルメルカプタンに変わって臭みを生じさせます。その意義はアレロパシー。メチルメルカプタンの昆虫や微生物、動物を忌避する効果により感染や食害などに対抗していると考えられています。また他の植物に対する作用もあってペデロサイドには他の植物の生育を阻害する作用があるそうです。

アカネ科ヘクソカズラ属のつる性多年草です。ビロード状の白い花冠でその中央から内部は真紅で特徴的な花です。

花冠は5裂しています。花冠の内部は毛がびっしりと生えているのがわかります。小さな花なのにこの毛が生えているため受粉を助けるはずのミツバチたちも苦労しているようです。というのも・・・

蜂たちがブツブツ不平を言っているのが聞こえました。「うんしょ、よいしょ、入りにくいったらありゃしない。こんな毛むくじゃら 嫌になっちゃうよ」

ピンボケごめん。花が小さいので小さなミツバチでもキツキツなのがわかると思います。

このように蜜を吸うのにも一苦労。なので、ルールを逸脱する輩が出てくるのです。

花の根元近くに口を差し込むミツバチの図。これは紛れもなく盗蜜の現行犯です。盗蜜とは、花粉を運ぶ仕事をせずに蜜だけを奪っていく行為のこと。

盗蜜の犯行現場は、というと・・

しっかり穴が空いていました。穴を開けたのがミツバチかは分かりません。より大型のマルハナバチが開けることも多いです。

臭いの他に、ヘクソカズラの特徴といえば・・

ミソハギに絡みつくヘクソカズラ。つるの巻き方にも特徴があります。朝顔のつるの巻き方とは逆になります。写真のように左巻きです。

花の構造については別に報告しています。「花の構造・ヘクソカズラ


次にガガイモ。こちらは、キョウチクトウ科イケマ属です。ヘクソカズラと同じところに絡んでいました。

ガガイモはヘクソカズラと雰囲気が似ているのです。つる性の多年草で葉は対生で全縁の心臓形なのでパッと見そっくりですし、花も毛がびっしりで印象がそっくり。科が違うのに不思議です。同じところに生えて同じような生き方をしていると似てきてしまうものなのでしょうか。あるいは、似ているから同じところに生きられるということか。

 

つるの巻き方ですがヘクソカズラと違って朝顔と同じ右巻きです。

他に違う部分は、というと、もちろんヘクソカズラ独特の悪臭はありません。とは言ってもこちらは毒草。特に根茎に毒があるそうです。つるを切ると乳白色分泌します。そして托葉について。ガガイモの托葉は非常に小さく茎にへばりついて目立たないことがあります。ヘクソカズラの托葉についても同様に小さく目立たないので同定に役立つ特徴とは言いにくいです。

ガガイモの種子は綿毛で印象的。その時期になったらレポートしたいと思います。

 

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