2月21日(金)下野竜也指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団
~都民芸術フェスティバル公演~
東京芸術劇場
【曲目】
1.ヴェルディ/歌劇「運命の力」序曲
2.ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op.18
【アンコール】
ラフマニノフ/前奏曲ト長調 Op.32-5
Pf:小山実稚恵
3.ムソルグスキー/ラヴェル編/組曲「展覧会の絵」
【アンコール】
エルガー/エニグマ変奏曲 Op.36~第9変奏「ニムロッド」
リーズナブルでいいコンサートが聴ける都民芸術フェスティバルの公演に今年も家族4人で出かけた。会場の東京芸術劇場は改装工事を終えて、あの長い空中エスカレーターは2本乗継ぎ方式になっていた。ホールは今までよりシックで高級なイメージに。あとはいい自主公演をやってくれると、利用価値も更に上がるのだが…
オーケストラコンサートの中から今夜の公演を選んだのは、子供たちにも受けそうなプログラムだったことと、オケや演奏者からもいい演奏が期待できそうだったから。下野竜也指揮新日フィルの1曲目「運命の力」で幸先良いスタートを切った。勢いと伸びがあり、ドラマチックな表現もかっこいい。新日フィルは指揮者の求めにとても柔軟で敏感に反応する。
続いて小山実稚恵をソリストに迎えてのラフマニノフ。これは小山さんお得意の演目で、これまでにも何度も聴いているが、今回も期待通りの快演となった。骨太で大きなスケール、ほとばしる情熱、キラリとした高級感な光沢など、小山さんならではの魅力が発揮された素晴らしいピアノには、更に底力と気高さが増強されたように感じた。
下野/新日フィルも熱を帯びた息の長い歌を聴かせて名サポート。なかでも第2楽章のヴァイオリンとフルートのユニゾンで奏でられるたっぷりと淀みなく流れるラインの美しさが耳を引いた。アンコールで小山さんが弾いてくれたプレリュードも珠玉の美しさを放った。
後半は「展覧会の絵」。下野さんの指揮はこれまでN響や東響で聴いて、とりわけ音の美しさ、フレーズの柔軟な身のこなしが印象に残っているが、新日フィルとの演奏でも透明感のある美しい音や、滑らかな動きが耳を引いた。出した音が出しっ放しにならず、キチンと収まるべき形に収まるところが、音楽全体の整った姿を表現することに一役買っていて、それが音楽のキャラクターを的確に捉え、それぞれの楽曲の魅力や味わいを出していたと思う。
冒頭プロムナードの金管合奏に始まり、ホルンやアルトサックス、チューバなどのソロも冴えていて、完成度の高い演奏を聴かせて行った。最後の「キエフの大門」でも、えげつなくほえるのではなく、神々しさとか、民衆の祈りといったハートに訴える演奏がグッと迫ってきた。息子が「ナニコレ珍百景」で気に入っている曲というのもこの演奏会を選んだ理由の一つだったが、感想を聞いたら「生ナニコレが聴けて良かった!」と取り合えず喜んでいた。
アンコールの「エニグマ」も、大きく深い息遣いで温かく豊かな表情を醸し出し、感動に導いてくれた。新日フィルの弦の美しさはため息もの!娘は全部気に入った様子だったし、家族みんなで楽しめ、感動できたコンサートだった。一つだけの不満は、今夜はどの曲も拍手が早すぎ!指揮者が腕を下ろさないうちの拍手はホントにやめてほしい。
~都民芸術フェスティバル公演~
東京芸術劇場
【曲目】
1.ヴェルディ/歌劇「運命の力」序曲
2.ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 Op.18
【アンコール】
ラフマニノフ/前奏曲ト長調 Op.32-5
Pf:小山実稚恵
3.ムソルグスキー/ラヴェル編/組曲「展覧会の絵」
【アンコール】
エルガー/エニグマ変奏曲 Op.36~第9変奏「ニムロッド」
リーズナブルでいいコンサートが聴ける都民芸術フェスティバルの公演に今年も家族4人で出かけた。会場の東京芸術劇場は改装工事を終えて、あの長い空中エスカレーターは2本乗継ぎ方式になっていた。ホールは今までよりシックで高級なイメージに。あとはいい自主公演をやってくれると、利用価値も更に上がるのだが…
オーケストラコンサートの中から今夜の公演を選んだのは、子供たちにも受けそうなプログラムだったことと、オケや演奏者からもいい演奏が期待できそうだったから。下野竜也指揮新日フィルの1曲目「運命の力」で幸先良いスタートを切った。勢いと伸びがあり、ドラマチックな表現もかっこいい。新日フィルは指揮者の求めにとても柔軟で敏感に反応する。
続いて小山実稚恵をソリストに迎えてのラフマニノフ。これは小山さんお得意の演目で、これまでにも何度も聴いているが、今回も期待通りの快演となった。骨太で大きなスケール、ほとばしる情熱、キラリとした高級感な光沢など、小山さんならではの魅力が発揮された素晴らしいピアノには、更に底力と気高さが増強されたように感じた。
下野/新日フィルも熱を帯びた息の長い歌を聴かせて名サポート。なかでも第2楽章のヴァイオリンとフルートのユニゾンで奏でられるたっぷりと淀みなく流れるラインの美しさが耳を引いた。アンコールで小山さんが弾いてくれたプレリュードも珠玉の美しさを放った。
後半は「展覧会の絵」。下野さんの指揮はこれまでN響や東響で聴いて、とりわけ音の美しさ、フレーズの柔軟な身のこなしが印象に残っているが、新日フィルとの演奏でも透明感のある美しい音や、滑らかな動きが耳を引いた。出した音が出しっ放しにならず、キチンと収まるべき形に収まるところが、音楽全体の整った姿を表現することに一役買っていて、それが音楽のキャラクターを的確に捉え、それぞれの楽曲の魅力や味わいを出していたと思う。
冒頭プロムナードの金管合奏に始まり、ホルンやアルトサックス、チューバなどのソロも冴えていて、完成度の高い演奏を聴かせて行った。最後の「キエフの大門」でも、えげつなくほえるのではなく、神々しさとか、民衆の祈りといったハートに訴える演奏がグッと迫ってきた。息子が「ナニコレ珍百景」で気に入っている曲というのもこの演奏会を選んだ理由の一つだったが、感想を聞いたら「生ナニコレが聴けて良かった!」と取り合えず喜んでいた。
アンコールの「エニグマ」も、大きく深い息遣いで温かく豊かな表情を醸し出し、感動に導いてくれた。新日フィルの弦の美しさはため息もの!娘は全部気に入った様子だったし、家族みんなで楽しめ、感動できたコンサートだった。一つだけの不満は、今夜はどの曲も拍手が早すぎ!指揮者が腕を下ろさないうちの拍手はホントにやめてほしい。