7月11日(日)アイリス・レゲヴ & 村岡明日香 デュオ・リサイタル
音楽ネットワーク「えん」~第209回ディスカヴァリー・コンサート(通算821回)~
安養院瑠璃光堂
<第69回プレコンサート>
♪Pf:柴田 陽
1.リスト/3つの演奏会用練習曲S.144/R.5~第2番「軽やかさ」
2.ショパン/バラード第2番ヘ長調Op.38
♪ ♪ ♪
Vc:アイリス・レゲヴ/Pf:村岡明日香
1.ベートーヴェン/「魔笛」の主題による7つの変奏曲 変ホ長調WoO.46
2.ピアソラ/アディオス・ノニーノ
3.イラン・レヒトマン/チェロとピアノのための三章
4.ベートーヴェン/チェロ・ソナタ第3番イ長調 Op.69
【アンコール】
ピアソラ/オブリビオン
音楽ネットワーク「えん」によるコンサートシリーズ、今日の公演は、チャリでよく訪れる城北中央公園から近いお寺、安養院瑠璃光堂で行われた。安養院は広大な敷地に多宝塔なども建つ歴史的名刹。会場となった瑠璃光堂は、金色の装飾が施された彼岸を思わせる浮世離れした空間。音楽好きのご住職が、本来は講話などを行う場所を演奏会もできるよう設(しつら)えたそうで、ステージにはスタインウエイのピアノが置かれ、立派なミキサーや収録配信用の機器も備わっていた。座り心地のいい椅子で靴を脱いで聴けるのも快適。肝心の響きだが、落ち着いた響きが堂内を包むように広がって、クラシックの生演奏にも理想的。
そこでの演奏、まずはプレコンサートとして、中学2年のピアニスト、柴田陽さんがリストとショパンを披露。丁寧なタッチでやさしさを感じる演奏からは、作品全体を見据える配慮も感じられた。
そしてメインコンサートは、名古屋フィルの首席を務めるチェロのアイリス・レゲヴさんと、各地でソロ活動を展開しているピアノの村岡明日香さんによるデュオ。ここではとりわけレゲヴさんのチェロに心ひかれた。弾いている様子は淡々としているが、心の奥に熱いものを秘め、それを優しさで包んで差し出してくれる感じ。噛めば噛むほど味が出ると言ったらいいのだろうか、聴き進むうちにじわじわとその魅力に引き込まれていく。親密で自然な歌心が心に沁みる。音色は渋めで味わい深く、様々に混ざり合った色合いが演奏に彩りを添えていた。
ピアソラの旋律からは哀愁と愛惜が漂っていた。アンコールでもピアソラを聴いて、ピアソラは心に残るメロディーを書く作曲家だと感じた。
レゲヴさんの出身国、イスラエルの作曲家・レヒトマンの新曲は、バーンスタインへのオマージュ。音楽による惜別のメッセージが躍動感を伴って伝わってきた。無伴奏での朗唱からは、心の底から静かに込み上げてくる熱いものが感じられた。この曲の演奏中から外は雷雨となり、雷鳴が堂内にも響いたが、これがこの曲の不思議な演出効果になっていた。
ベートーヴェンのソナタでは、レゲヴさんの前述の魅力が静かに全開。アグレッシブなタイプの演奏ではないが、雄弁で包容力があり、不思議な引き付ける力があって、ずっと聴いていたい気持ちになった。
村岡さんのピアノは、レゲヴさんのチェロが放つ控え目な色彩や香りをどう捉え、それを演奏にどう味付けしているかを伝えて欲しいと感じることはあったが、レゲヴさんの静かに燃えるタイプのチェロに相応しい演奏で、出過ぎることはなく、しかし聴こえるべき音は確実に聴かせ、歌うところは品良くたっぷりと歌い、チェロをしっかりサポートし、完成度の高いデュオを実現していた。
音楽ネットワーク「えん」石田詩葉 ピアノリサイタル ~2020.10.21~
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2.ピアソラ/アディオス・ノニーノ
3.イラン・レヒトマン/チェロとピアノのための三章
4.ベートーヴェン/チェロ・ソナタ第3番イ長調 Op.69
【アンコール】
ピアソラ/オブリビオン
音楽ネットワーク「えん」によるコンサートシリーズ、今日の公演は、チャリでよく訪れる城北中央公園から近いお寺、安養院瑠璃光堂で行われた。安養院は広大な敷地に多宝塔なども建つ歴史的名刹。会場となった瑠璃光堂は、金色の装飾が施された彼岸を思わせる浮世離れした空間。音楽好きのご住職が、本来は講話などを行う場所を演奏会もできるよう設(しつら)えたそうで、ステージにはスタインウエイのピアノが置かれ、立派なミキサーや収録配信用の機器も備わっていた。座り心地のいい椅子で靴を脱いで聴けるのも快適。肝心の響きだが、落ち着いた響きが堂内を包むように広がって、クラシックの生演奏にも理想的。
そこでの演奏、まずはプレコンサートとして、中学2年のピアニスト、柴田陽さんがリストとショパンを披露。丁寧なタッチでやさしさを感じる演奏からは、作品全体を見据える配慮も感じられた。
そしてメインコンサートは、名古屋フィルの首席を務めるチェロのアイリス・レゲヴさんと、各地でソロ活動を展開しているピアノの村岡明日香さんによるデュオ。ここではとりわけレゲヴさんのチェロに心ひかれた。弾いている様子は淡々としているが、心の奥に熱いものを秘め、それを優しさで包んで差し出してくれる感じ。噛めば噛むほど味が出ると言ったらいいのだろうか、聴き進むうちにじわじわとその魅力に引き込まれていく。親密で自然な歌心が心に沁みる。音色は渋めで味わい深く、様々に混ざり合った色合いが演奏に彩りを添えていた。
ピアソラの旋律からは哀愁と愛惜が漂っていた。アンコールでもピアソラを聴いて、ピアソラは心に残るメロディーを書く作曲家だと感じた。
レゲヴさんの出身国、イスラエルの作曲家・レヒトマンの新曲は、バーンスタインへのオマージュ。音楽による惜別のメッセージが躍動感を伴って伝わってきた。無伴奏での朗唱からは、心の底から静かに込み上げてくる熱いものが感じられた。この曲の演奏中から外は雷雨となり、雷鳴が堂内にも響いたが、これがこの曲の不思議な演出効果になっていた。
ベートーヴェンのソナタでは、レゲヴさんの前述の魅力が静かに全開。アグレッシブなタイプの演奏ではないが、雄弁で包容力があり、不思議な引き付ける力があって、ずっと聴いていたい気持ちになった。
村岡さんのピアノは、レゲヴさんのチェロが放つ控え目な色彩や香りをどう捉え、それを演奏にどう味付けしているかを伝えて欲しいと感じることはあったが、レゲヴさんの静かに燃えるタイプのチェロに相応しい演奏で、出過ぎることはなく、しかし聴こえるべき音は確実に聴かせ、歌うところは品良くたっぷりと歌い、チェロをしっかりサポートし、完成度の高いデュオを実現していた。
音楽ネットワーク「えん」石田詩葉 ピアノリサイタル ~2020.10.21~
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