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音楽ネットワーク「えん」 第1回シンフォニー演奏会

2021年12月05日 |  pocknのコンサート感想録2021
12月1日(水)第1回シンフォニー演奏会
特別企画第6弾~30周年前夜祭~
三鷹市芸術文化センター風のホール


【曲目】
1.ハイドン/協奏交響曲 変ロ長調 Hob.I-105
Vn:印田千裕/Vc:黒川実咲/Ob:宮村和宏/Fg:柿沼麻美
2. R.シュトラウス/交響詩「死と変容」
3. マーラー/交響曲「大地の歌」
MS:石田 滉/T:金沢青児

杉山直樹 指揮 特別編成オーケストラ(コンサートマスター:水村浩司)


音楽ネットワーク「えん」による久々のオーケストラコンサート。今回も腕利きの若手演奏家が一堂に集まり、特別編成のオーケストラが結成された。

最初はハイドンの珍しい協奏交響曲。楽し気な調べがソリストたちによって伸び伸びと奏でられ、オーケストラもそれに唱和する。一番活躍の場が与えられているのはヴァイオリンだろうか。ハイドンにヴァイオリン協奏曲があるかどうか知らないが、印田さんのヴァイオリンソロが艶やかな音で瑞々しく歌い、ヴァイオリン・コンチェルトを聴いている気分。チェロやオーボエも活躍し、ファゴットも加わって繰り広げられる愉悦の音楽。オケは解放感があって活力もあり、いい音で鳴るが、人数が少し多いように思った。

次はがらりと趣を変えてシュトラウスの「死と変容」。音がよく鳴り、真っすぐに届いてくる。どのパートも堂に入ったパフォーマンスを聴かせるが、どれも音が大きめでアンサンブルのバランスが少々大味。若さ溢れるアクティブな姿勢はいいが、細やかな感性もほしい。毎年入り浸っていた東京藝大の藝祭に登場する学生オケの演奏と似ているな、と思った。悪くはないが音色や働きかけに個性がほしい。それでも終盤ではアンサンブルがまとまって、息の長い良い演奏を聴かせてくれた。

最後は「大地の歌」。これは立派な演奏だった。まず絶賛したいのは2人の歌手。全編を担う重要な役割を立派に果たした。金沢さんの歌は、声にも言葉にも張りと輝きと勢いがある。バッハの演奏で培った言葉への鋭い感覚が、マーラーでも十全に生かされている。石田さんは品のある声で真っ直ぐに深く心に入ってきて、研ぎ澄まされた美しい歌唱を聴かせてくれた。

金沢さんの歌も石田さんの歌も、この作品で大切な存在である言葉が、意味がぎゅっと詰まって、人生の悦びや嘆き、生と死、壮大な悠久の時など、その場その場に相応しく発せられる。1つだけ惜しかったのは、第2楽章でゆったりと歌われる”Einsamkeiten”(孤独)の途中でブレスが入ってしまったことぐらいか。

杉山直樹指揮の特別編成オケも大健闘だった。色気や香りがもっと欲しいと思うことはあったが、熱気に満ち、情景や心象の描写が巧みで雄弁だった。歌い手が発する言葉にオケが敏感に呼応して言葉に命を吹きかける。マーラーがいかに言葉を大切にしてオーケストラパートを書いたかを、今夜の演奏は如実に表現していた。指揮者の手腕と、それに応えたオケに拍手!マーラーの壮大で、かつ細やかな世界をたっぷりと堪能することができた。

音楽ネットワーク「えん」第4回コンチェルト演奏会(2015.12.25 大和田さくらホール
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