12月28日(火)川瀬賢太郎 指揮 早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団
~第85回定期演奏会~
すみだトリフォニーホール
【曲目】
1.ブラームス/大学祝典序曲 Op.80
2.ワーグナー/歌劇「タンホイザー」序曲
3.ブラームス/交響曲第4番 ホ短調 Op.98
僕の母校でもある地元の小学校の音楽教室で毎年素敵な演奏をしてくれることがきっかけで定期演奏会に行くようになった早稲フィルは、コロナで活動を大きく制限されていたが、2年ぶりに定期演奏会を聴くことができた。プロは対策を施しつつ演奏会を行っている一方、アマチュアの演奏機会はまだまだ制限が大きいなか、早稲フィルはブラームスとワーグナーというドイツもので勝負を挑んできた。
席は緊急事態宣言時並みの市松模様の一人おきで、感染防止対策の呼びかけも徹底していたが、ステージに登場した学生たちはほぼ全員ノーマスクで、素敵な表情を見せて渾身の演奏を聴かせてくれた。
最初は大学祝典序曲。学生オケの演奏だと聴く方もテンションが上がる。前向きで開放感があって元気いっぱい。それぞれのシーンの焦点が定まっていて、次々に登場する学生歌がどれも光り、溢れる若さを伝えた。演奏中にステージに遅刻者が2人、どうしたんだろう?
次はタンホイザー序曲。冒頭の「巡礼の合唱」は合わせに苦労していたが、波立つ弦が入ってくると俄然風格が増してきた。指揮の川瀬さんの渾身のドライブにオケの反応が良く、大きな波を次々と乗り越えて進む船のように頼もしい。重心が低くて安定感があり、熱いドラマを伝え、最終盤では更に煽って堂々のエンディング、パワフルなトロンボーンが存在感を示した。コントラバスが楽器のトラブル(弦が切れた?)対処で楽器を受け渡すときの目立つ音がかなりの間続き、丁度静かな場面でヴァイオリンソロが入るところだったのが残念だった。
後半はブラ4。ブラームスのシンフォニーのなかでも難しそうで、これを取り上げる早稲フィルの高い志しが感じられる。冒頭の弦のため息のモチーフは少々危なっかしかったが、第1楽章終盤にさしかかる辺りからオケがガッチリと噛み合って相乗効果を高め、熱量を増して大きな盛り上がりを築き、聴き応え満点となった。第2楽章は冒頭から落ち着いた演奏をたっぷりと聴かせてくれた。弦楽合奏の腹の底から歌い上げる濃い歌に胸が熱くなった。気合いやパワーだけではできない表現を見事に実現したこの楽章はとりわけ出色の出来栄え。
第3楽章は早稲フィルならではの溌剌とした演奏。そして第4楽章。硬軟織り混ぜた豊かな表現を一つ一つ積み上げ、見事なクライマックスを築いていった。全体を見据えた構築感を作り上げたのは指揮者の力量に拠るところ大だろう。ソロパートもみんな大健闘。フルート、ホルン、オーボエ、そしてここでもトロンボーンが光る。最後はパワーみなぎる演奏にトリハダが立った。メンバーが一丸となって成し遂げた堂々のブラ4だった。
今夜の早稲フィルは、いつもより危なっかしいところもあったが、それでも早稲フィルここにあり!という学生達の熱い思いとプライドが演奏から伝わってきて、大きな感銘を与えてくれた。様々な困難があったであろうなか、こうした立派な演奏会を実現できたことは学生にとっても大きいだろうし、聴き手も希望を与えられた。来年の落六の音楽教室にまた早稲フィルが戻ってきてくれたらすごく嬉しい。
早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団第81回定期演奏会 2019.12.26 文京シビックホール
早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団第79回定期演奏会 2018.12.25 なかのZERO 大ホール
その感染対策、本気??
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僕の母校でもある地元の小学校の音楽教室で毎年素敵な演奏をしてくれることがきっかけで定期演奏会に行くようになった早稲フィルは、コロナで活動を大きく制限されていたが、2年ぶりに定期演奏会を聴くことができた。プロは対策を施しつつ演奏会を行っている一方、アマチュアの演奏機会はまだまだ制限が大きいなか、早稲フィルはブラームスとワーグナーというドイツもので勝負を挑んできた。
席は緊急事態宣言時並みの市松模様の一人おきで、感染防止対策の呼びかけも徹底していたが、ステージに登場した学生たちはほぼ全員ノーマスクで、素敵な表情を見せて渾身の演奏を聴かせてくれた。
最初は大学祝典序曲。学生オケの演奏だと聴く方もテンションが上がる。前向きで開放感があって元気いっぱい。それぞれのシーンの焦点が定まっていて、次々に登場する学生歌がどれも光り、溢れる若さを伝えた。演奏中にステージに遅刻者が2人、どうしたんだろう?
次はタンホイザー序曲。冒頭の「巡礼の合唱」は合わせに苦労していたが、波立つ弦が入ってくると俄然風格が増してきた。指揮の川瀬さんの渾身のドライブにオケの反応が良く、大きな波を次々と乗り越えて進む船のように頼もしい。重心が低くて安定感があり、熱いドラマを伝え、最終盤では更に煽って堂々のエンディング、パワフルなトロンボーンが存在感を示した。コントラバスが楽器のトラブル(弦が切れた?)対処で楽器を受け渡すときの目立つ音がかなりの間続き、丁度静かな場面でヴァイオリンソロが入るところだったのが残念だった。
後半はブラ4。ブラームスのシンフォニーのなかでも難しそうで、これを取り上げる早稲フィルの高い志しが感じられる。冒頭の弦のため息のモチーフは少々危なっかしかったが、第1楽章終盤にさしかかる辺りからオケがガッチリと噛み合って相乗効果を高め、熱量を増して大きな盛り上がりを築き、聴き応え満点となった。第2楽章は冒頭から落ち着いた演奏をたっぷりと聴かせてくれた。弦楽合奏の腹の底から歌い上げる濃い歌に胸が熱くなった。気合いやパワーだけではできない表現を見事に実現したこの楽章はとりわけ出色の出来栄え。
第3楽章は早稲フィルならではの溌剌とした演奏。そして第4楽章。硬軟織り混ぜた豊かな表現を一つ一つ積み上げ、見事なクライマックスを築いていった。全体を見据えた構築感を作り上げたのは指揮者の力量に拠るところ大だろう。ソロパートもみんな大健闘。フルート、ホルン、オーボエ、そしてここでもトロンボーンが光る。最後はパワーみなぎる演奏にトリハダが立った。メンバーが一丸となって成し遂げた堂々のブラ4だった。
今夜の早稲フィルは、いつもより危なっかしいところもあったが、それでも早稲フィルここにあり!という学生達の熱い思いとプライドが演奏から伝わってきて、大きな感銘を与えてくれた。様々な困難があったであろうなか、こうした立派な演奏会を実現できたことは学生にとっても大きいだろうし、聴き手も希望を与えられた。来年の落六の音楽教室にまた早稲フィルが戻ってきてくれたらすごく嬉しい。
早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団第81回定期演奏会 2019.12.26 文京シビックホール
早稲田大学フィルハーモニー管絃楽団第79回定期演奏会 2018.12.25 なかのZERO 大ホール
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