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ダニエル・スミス指揮 新日フィル ~都民芸術フェスティバル~

2015年02月11日 | pocknのコンサート感想録2015
2月11日(水)ダニエル・スミス指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団
~都民芸術フェスティバル公演~
東京芸術劇場
【曲目】
1.ドヴォルザーク/序曲「謝肉祭」
2.ドヴォルザーク/チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104
 【アンコール】
 サン=サーンス/白鳥 
Vc: 宮田 大 
3.ドヴォルザーク/交響曲第9番 ホ短調 Op.95「新世界より」
【アンコール】
ドヴォルザーク/スラブ舞曲第2集第1番Op.72-1

去年に続き、都民芸術フェスティバルの新日フィルの公演を家族4人で聴いた。プログラムはオール・ドヴォルザーク。ダニエル・スミスは、ヨーロッパを中心に活躍しているオーストラリア出身の若手指揮者。

華々しく始まった「謝肉祭」、引き締まった輝きのある響きに耳を奪われた。響きがギュッと濃縮され、磨かれた光沢を放っている。オケの音が一点に集中していて、アンサンブルに対す執着心の高さを感じた。エネルギッシュな息吹が弾け、カーニバルの季節に相応しいコンサートの幕開けとなった。

続くドヴォコンでは、濃密で瑞々しいオーケストラの名バックを得て、チェロの宮田大はスケールの大きな熱い演奏を繰り広げた。宮田さんのチェロは真っ直ぐに攻めてきて、音と気迫がストレートに届く。聴かせどころや歌わせどころは、いい音で惜しみなくたっぷり表情をつけて聴く者を惹きつける。テンポを大きく揺らしたり変化球的なやり方ではなく、あくまで正攻法で向かってくる。ハートが熱いのだ。そんな「熱さ」が弾けた両端楽章はもちろん素晴らしかったが、第2楽章のとろけるような歌、オケのソロパートとのデュオなどが(ミランダさん?のクラリネットが絶品!)このコンチェルト全体の格を一層引き上げた。

後半の「新世界より」も、エネルギッシュで瑞々しい演奏。指揮のスミスは、真正面からこの曲と向き合い、音楽のおいしいところ、カッコいいところを素直に引き出してくれる。テンポもアーティキュレーションもバランスもオーソドックスで目新しさはないが、そのためにこの曲の構造や細部のやり取りがよくわかり、実によくできた音楽だということを改めて認識した。どの楽章も惹きつけられたが、特に第2楽章での柔らかな弦や金管のハーモニー、主役のコールアングレ(森さん?)を始めとする木管の温かく詩情豊かな歌は極上だった。

普段はあまり聴く機会のない新日フィルだが、いいオケだ!改装後の東京芸術劇場もいい響き(席は3階RB)。トリフォニーはどうも好きな席が見つけられないので、ここで定期をやってもらいたいなー

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