12月29日(火) 夜
"SAVE LIVE MUSIC RETURNS"上原ひろみ ~ピアノ・クインテット~
ピアノ:上原ひろみ/ヴァイオリン:西江辰郎、ビルマン聡平/ヴィオラ:東条慧/チェロ:向井航
ブルーノート東京
セットリスト
SOMEDAY
SILVER LINING SUITE
Isolation
The Unknown
Drifters
Fortitude
LEGEND OF THE PURPLE VALLAY
11:49PM
JUMPSTART
アンコール
RIBERA DEL DUERO
大好きな上原ひろみが出演するライブを、あのブルーノート東京で聴いた。こんな会員制サロンのような場所でやるヒロミのライブのチケットなんて取れるわけないと思っていたら、出演者の方からのキャンセルが出たという情報を目にして、思いがけず素晴らしい超レア体験ができた!
初めて訪れるブルーノート東京は、テレビで見た印象通りオシャレで大人の雰囲気が漂う空間。オペラに行くときも服装なんて気にしない僕だが、今夜は「何を着ていけばいいんだろう…」と考えて、いちおうジャケットを着て行った。案内された二人用のテーブル席の、同じ出演者からチケットをゲットしたという方とおしゃべりを楽しみながら開演を待つのも何だかおしゃれ。
いよいよアーティスト達が拍手の中、目の前を通ってステージへ。そして演奏が始まった。ヒロミのピアノは一音鳴っただけでピーンと心に響き、ポロロンと指がキーボードの上を転がれば、星や色とりどりの花が次々に飛び出して戯れる。客席の方を向いてガンガン直球で攻めまくられると、アドレナリンの分泌が一気に高まって力が沸き上がってくる。メチャ熱くて、楽しくて、ノリノリの演奏から、一転して心の奥底にささやきかけてきたり、フワフワした幸福感で満たしてくれたり、またそこから一気に天空へ駆けのぼり、みるみる地上が遠くなり、世界を俯瞰するようなダイナミズムを味わわせてくれたり。あらゆるエキサイティングなシーンを味わい、異次元へ連れて行かれる。何が起こるか!?一音たりとも気持ちを逸らさせない、それが上原ひろみのピアノだ。
今回の公演は弦楽四重奏のストリングスとの共演によるクインテット。弦のメンバーは世界で活躍する大物ぞろいだが、クラシック畑のメンバーと、即興で変幻自在の上原ひろみとの共演がどんな風になるか… それが、両者は完全に対等に対峙し合ったり、一緒に盛り上がったり、セッションを繰り広げたり、一丸となって聴衆に向かって来た。
ファーストヴァイオリンの西江さんはエスニックテイストの濃くてノリノリのテンションで攻め、セカンドヴァイオリンのビルマンさんは熱くてパンチの効いた歌を刻み込んできた。東条さんのヴィオラは内声でも存在感抜群。独特の味わい深い歌で魅了した。そして向井さんのチェロは、まるでベーシストのように響くピッチカートでアンサンブルを躍動させた。指板に弦を撥ねつけるバルトークピッチカートでパーカスの役割も果たしたかと思えば、アルコで痺れる歌も聴かせる。4人が醸し出す濃厚な歌とハーモニーも聴きものだった。
今夜のメインプログラムは、そんな強力カルテットとの共演のために上原ひろみが書き下ろした組曲「シルバー・ライニング」。この「奇妙な年」で被った幾多の苦難のなか「負けてたまるか!」という思いで書いたという作品は長大な音絵巻。ここでのヒロミのピアノは超絶技巧でガンガン攻めまくるシーンよりも、共演のストリングスと一緒に音楽を作っていく姿勢がうかがえた。豊饒なハーモニーと壮麗なバラード調の盛り上がりを随所に盛り込んだ色彩と深みのある大作。そのなかで「負けるものか!」という不屈の魂が常に感じられ、世界を自由に羽ばたくことが出来なくなっている上原ひろみのこの逆境に対する、喧嘩腰というより大人の挑戦状にも聴こえた。あっという間の80分のライブ。テンションは上がりまくって体は火照り、何より本当に楽しかった!
これで今年の演奏会は聴き納め。コンサート再開後は、あの中止の時期の悔しさを挽回すべく演奏会に行きまくり、例年並みの65回で終えることになった。そこで出会った一つ一つの素敵なコンサートを届けてくれた人たちに心から感謝したい。
上原ひろみ JAPAN TOUR 2019 "SPECTRUM" 2019.12.14 すみだトリフォニーホール
矢野顕子×上原ひろみ「TOUR 2017 ラーメンな女たち」 2017.4.25 昭和女子大学人見記念講堂
上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト 「SPARK」ジャパンツアー 2016 2016.11.16 EX THEATER ROPPONGI
♪ブログ管理人の作曲のYouTubeチャンネル♪
最新アップロード:「紅葉」(メゾソプラノ、チェロ、ピアノ連弾用アレンジ)
拡散希望記事!やめよう!エスカレーターの片側空け
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大好きな上原ひろみが出演するライブを、あのブルーノート東京で聴いた。こんな会員制サロンのような場所でやるヒロミのライブのチケットなんて取れるわけないと思っていたら、出演者の方からのキャンセルが出たという情報を目にして、思いがけず素晴らしい超レア体験ができた!
初めて訪れるブルーノート東京は、テレビで見た印象通りオシャレで大人の雰囲気が漂う空間。オペラに行くときも服装なんて気にしない僕だが、今夜は「何を着ていけばいいんだろう…」と考えて、いちおうジャケットを着て行った。案内された二人用のテーブル席の、同じ出演者からチケットをゲットしたという方とおしゃべりを楽しみながら開演を待つのも何だかおしゃれ。
いよいよアーティスト達が拍手の中、目の前を通ってステージへ。そして演奏が始まった。ヒロミのピアノは一音鳴っただけでピーンと心に響き、ポロロンと指がキーボードの上を転がれば、星や色とりどりの花が次々に飛び出して戯れる。客席の方を向いてガンガン直球で攻めまくられると、アドレナリンの分泌が一気に高まって力が沸き上がってくる。メチャ熱くて、楽しくて、ノリノリの演奏から、一転して心の奥底にささやきかけてきたり、フワフワした幸福感で満たしてくれたり、またそこから一気に天空へ駆けのぼり、みるみる地上が遠くなり、世界を俯瞰するようなダイナミズムを味わわせてくれたり。あらゆるエキサイティングなシーンを味わい、異次元へ連れて行かれる。何が起こるか!?一音たりとも気持ちを逸らさせない、それが上原ひろみのピアノだ。
今回の公演は弦楽四重奏のストリングスとの共演によるクインテット。弦のメンバーは世界で活躍する大物ぞろいだが、クラシック畑のメンバーと、即興で変幻自在の上原ひろみとの共演がどんな風になるか… それが、両者は完全に対等に対峙し合ったり、一緒に盛り上がったり、セッションを繰り広げたり、一丸となって聴衆に向かって来た。
ファーストヴァイオリンの西江さんはエスニックテイストの濃くてノリノリのテンションで攻め、セカンドヴァイオリンのビルマンさんは熱くてパンチの効いた歌を刻み込んできた。東条さんのヴィオラは内声でも存在感抜群。独特の味わい深い歌で魅了した。そして向井さんのチェロは、まるでベーシストのように響くピッチカートでアンサンブルを躍動させた。指板に弦を撥ねつけるバルトークピッチカートでパーカスの役割も果たしたかと思えば、アルコで痺れる歌も聴かせる。4人が醸し出す濃厚な歌とハーモニーも聴きものだった。
今夜のメインプログラムは、そんな強力カルテットとの共演のために上原ひろみが書き下ろした組曲「シルバー・ライニング」。この「奇妙な年」で被った幾多の苦難のなか「負けてたまるか!」という思いで書いたという作品は長大な音絵巻。ここでのヒロミのピアノは超絶技巧でガンガン攻めまくるシーンよりも、共演のストリングスと一緒に音楽を作っていく姿勢がうかがえた。豊饒なハーモニーと壮麗なバラード調の盛り上がりを随所に盛り込んだ色彩と深みのある大作。そのなかで「負けるものか!」という不屈の魂が常に感じられ、世界を自由に羽ばたくことが出来なくなっている上原ひろみのこの逆境に対する、喧嘩腰というより大人の挑戦状にも聴こえた。あっという間の80分のライブ。テンションは上がりまくって体は火照り、何より本当に楽しかった!
これで今年の演奏会は聴き納め。コンサート再開後は、あの中止の時期の悔しさを挽回すべく演奏会に行きまくり、例年並みの65回で終えることになった。そこで出会った一つ一つの素敵なコンサートを届けてくれた人たちに心から感謝したい。
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