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コール・ヴァフナ 第23回定期演奏会

2007年10月08日 | pocknのコンサート感想録2007
10月8日(月)CHOR WAFNA 第23回定期演奏会
江戸川区総合文化センター小ホール

【曲目】
1.多田武彦/男声合唱組曲「追憶の窓」
2.三善 晃(編)/五つのルフラン
3. シューマン/佐渡孝彦編曲/男声合唱とピアノのための「ミルテの花」Op.25~
 献呈、はすの花、自由の心、くるみの木、君は花のよう、護符、ヘブライの歌から、なぞ、エピローグ
 Pf伴奏:武部純子
4. 千原英喜/男声合唱のための「おらしょ」-カクレキリシタン3つの歌
【アンコール】
1. 千原英喜/(アカペラ男声合唱曲)
2. シューベルト/聖なるかな
3. 涙そうそう
【指揮】川合良一/車 真佐夫(3,アンコール3)

久々にコール・ヴァフナの演奏会を聴いた。もう20年以上の歴史を持つ男声合唱団 コール・ヴァフナは常任指揮者の川合先生のもと、年を重ねるごとに熟成したハーモニーを聴かせるようになっていることを実感した。

以前は若さとエネルギーが売りで、アンコールにはウルトラマン・シリーズの主題歌などパワーで歌うのがよく似合っていたが、数年前に久しぶりに聴いたときにはすっかり柔らかなデリケートなハーモニーを聴かせる合唱団に成熟していて、その印象を今回益々強くした。

多田武彦の美しいハーモニーをただ美しく響かせるだけでなく、そこに陰影と黄昏の色合いを与えることで、三好達治の詩の心がしみじみと伝わってくる。「おらしょ」での声楽的な線が柔らかく豊かな表情でしみじみと訴えかけてくるのも熟成の魅力。

先週聴いたばかりのフェルメール・クァルテットが、長年培ってきたことによるハーモニーの熟成ということをつくづく感じさせてくれたばかりだが、このコール・ヴァフナも同質の熟成を重ねている。結成当初からのメンバーがまだ多く残り、忙しい仕事の合間の貴重な時間を真摯に合唱に費やし続けてきた団員達とそれを変わらぬ熱意で指揮してきた川合先生の努力がこうした「ヴァフナの響き」に実を結んだのだろう。

車君が取り上げた「ミルテの花」ではドイツ語の詩を深く読み込み、言葉をどう表現すべきかということに1つ1つ取り組んできたことが聴いていてとても伝わってきたが、こんなところにもヴァフナの勤勉さと熱意を感じる。

以前のパワフルな輝きもいいが、今のヴァフナが持つ響きで演奏される歌は、他のどんな合唱団にも真似のできないような格調の高ささえ感じる味わい深さがある。日本にある多くの男声合唱団の中でも恐らくトップクラスの音楽を聴かせることのできる団体だと思う。そうした意味で更にメジャーな場での発表やCD制作なども期待したいところだ。

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