よにふれば ことのはしげき くれたけの うきふしごとに うぐひすぞなく
世に経れば 言の葉しげき 呉竹の うきふしごとに 鶯ぞなく
よみ人知らず
この世の中で生きていると、つらい言葉を聞くことも多い。鶯が呉竹の節にとまる度に鳴くように、私もつらい言葉を聞く度に泣いているよ。
掛詞、縁語を多用して、「たくさんの葉がしげる呉竹の節々にとまる度に鶯がなく」「つらい言葉を聞くことの多いこの世に生きていると、つらいことにあったその折々に泣けてくる」の二重の歌意を巧みにうたいあげていますね。