きにもあらず くさにもあらぬ たけのよの はしにわがみは なりぬべらなり
木にもあらず 草にもあらぬ 竹のよの 端にわが身は なりぬべらなり
よみ人知らず
ある人のいはく、高津の皇女の歌なり
木でもなく草でもない竹の節(よ)のような、中途半端なありさまに私はなってしいそうだ。
「節(よ)」は、節の意もありますがここでは竹の節と節の間のこと。「端」は中途半端の意です。
この歌の作者との伝承があるという「高津の皇女(みこ)」は、第50代桓武天皇の娘で、第53代嵯峨天皇の后であった人物で、後撰和歌集に一首が入集しています。