昨夜の後楽園ドームでは、MLB開幕戦、ドジャース対カブスがあり、山本、今永の先発で始まりました。
これぞ、ショーマンシップというものでファンサービスの充実したエンタメでした。打者には、大谷、
鈴木がそれぞれDH出場、4万数千人の観客は、お祭り騒ぎであったのでしょう。試合は4-1でD軍の勝ち。
一昨日(3/17)は、久しぶりの夜の会合(飲み会)に参加しました。
今から45~40年ほど前に、昨今のインターネットのようなサービスの開発をけん引
した技術陣のうちコアになるメンバー9人が集まりました。 当時中心的な立場で活躍
された、T氏とK氏が昨年他界され、このお二人を偲ぶ会として、この日 18時から新宿
に集まりました。
集まったメンバー(30年振りくらいのリアル)
このサービスは、日本では、文字図形情報ネットワークサービス「キャプテン」
(Captain=Character And Pattern Telephone Access Information Network)と
呼ばれ、当時、イギリス、ドイツ、カナダなどをはじめとして世界中でシステム開発が
行われ、それまでの情報メディアに対して「ニューメディア」と呼ばれて、まさに
新しい情報時代の到来を告げていました。
このシステム(サービス)は、これまでの電話やファクシミリなどの情報伝達手段の
提供だけではなく、それらのネットワークを使って情報そのものを提供・取得できる
サービス・システムで、技術開発とともにそれに提供される情報そのものおよびその
形態のあり方など総合的な開発として取り組む必要がありました。
例えば文字情報といっても、欧米ではアルファベットですが、日本では漢字を扱う
という大きな違いがあります。逆にこの漢字を伝送する方式を使って、図形なども
扱える利点があります。
1976~7年頃に始まった日本の「Captain」は郵政省(当時)の指導の下に、技術
開発ならびに、情報提供者(IP)の開発が並行して行われ、実験サービスを経て、商用
サービスへと2段構えで進められました。
一昨日のコアとして活躍した面々は、主として商用サービス開発に従事したメンバー
ですが、私らは実験サービスを担当したのでした。
歓談風景
今でこそ、多くの人々の日常生活の中に溶け込んだ情報サービスも、当時はまだ
見ぬ新しい情報サービス「ニューメディア」として、世界中が模索しながら開発を
進めていた時代でした。 今から見れば、電子機器(部品)も大きく高価であり、
情報伝送の速度(スピード)も遅く、これらの困難を如何にして克服するか、更には、
情報システムとして大衆に普及させるためには、その使い勝手の良さや情報の内容
などなど、当時の山積する難問に、ここに集まった皆さんは、それぞれに立ち向かっ
ていたのでした。
これまで知り得なかった苦労の内容が皆さんの想い出話の中から初めて知り得たり
して、当時の苦労や達成感を共有したのでした。
また、これらのサービス実現における方式の国際的な標準化についても積極的な
議論が展開されました。ジュネーブその他での国際会議の場でもこのメンバーの活躍
があったのです。欧米と日本の大きな文化の違い(漢字等)から、1つの国際標準には
どうしても収まり切れない事態のまま進まざるを得なかった部分もありました。
一昨日の偲ぶ会では、もちろん先駆者であったお二人を偲ぶ話題が先行しましたが、
お二人の時代を通した開発時点の種々の問題が想い出として、さらにそれらから派生
して種々の解決に難航した苦労話などが、それぞれの皆さんから語られ、改めて鮮明に
それらが浮かび上がり、話題は一気に当時にタイムスリップしたのでした。
途中、窓から遠くに富士山シルエット
それぞれの想い出を振り返った時、今では想像を絶するような綱渡り的なことを
やり遂げて来た、そして誰ひとり体力的、精神的にも落後した人がいなかったこと
にも改めて脅威すら感じるところでした。 みんな、新しいシステム・サービスの
実現に向けて自らの意思で取り組んでいたからでした。だからこそあれから40年も
経った今ごろになっても、当時取り組んでいたそれぞれの人の魂としてふつふつと
湧き上がってくるのかもしれません。
このようなことがあったなどと、世の中の人々は誰も知る由もありませんが、技術・
サービスの歴史の1ページとして若き技術者が取り組んだ事実はそこにあるのでした。
楽しい2時間半は、瞬く間に過ぎてしまったようでした。 またいつ会えるか、分か
りませんが、懐かしい思い出がまた一つ増えた暖かい思いを胸に帰路に向かいました。
皆さんありがとうございました。
開始の時刻より少し早めに、新宿西口の路上に出て強風の中、久しぶりの風景を
パチリとしました。
新宿西口(都庁方向)
飲み会会場から見下ろす・・
Gioachino Rossini - The Barber of Seville - Overture