漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0968

2022-06-24 06:01:49 | 古今和歌集

ひさかたの なかにおひたる さとなれば ひかりをのみぞ たのむべらなる

ひさかたの なかに生ひたる 里なれば 光をのみぞ たのむべらなる

 

伊勢

 

 月の中に生育する桂の名を持つ桂の里に住んでおりますので、月の光のような中宮様のご威光だけを頼りにしているのです。

 詞書には「桂にはべりける時に、七条の中宮とはせたまへりける御返事にたてまつれりける」とあります。月には桂が生えているという中国伝来の故事を踏まえての詠歌で、01940463 も同様ですね。「七条の中宮」は第58代宇多天皇の中宮温子のこと。初句の「ひさかたの」は月にかかる枕詞ですが、ここではこれ自体が月を指します。

 



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