暑さで甲状腺が亢進しているのかしら、このところ調子に乗って、お仕事をしすぎたので、お休みをいただいて寝てみたりしています。それでも、指やら腕やらのシビレがひどかったり、むくみがひどかったり、脈の上下が激しかったり…という症状はあるものの、比較的ゲンキです。この症状のお話を書こうと思ったのですが・・・その前に、このところの報道のお話を先に。
帝京大学で、いろんな種類の薬が効かない菌(多剤耐性菌)が広がって、死亡例も出ているというお話が、広く報道されています。今回、亡くなった方のご冥福をお祈りしつつ、何が起きているのか、よく見極めたり、説明したりしないまま、「怖いですね~、ちゃんとしてほしいですね~」という“お約束”のコメントで締めくくられるのに、ちょっと違和感。
耐性菌って残念ながら山のようにあるし、病人も薬もある病院はそれが集まりがちなところ。しかも、ふつうでは何ともない菌にも影響を受ける、弱った状態の人が集まっているのも病院。こうした菌に感染した状態で、亡くなる方もいます。
なぜ急に、こんな大騒ぎ報道をされているのか、これまでの他のものとどう違うのかよくわからないなぁと感じたのでした。
専門家のコメントは? 感染症といえば、岩田健太郎先生の『楽園はこちら側』。「よく分からない多剤耐性菌報道」はじめ、この件をいくつか書かれていました。青木眞先生の『感染症診療の原則』でも、「メディアと多剤耐性○○○」で触れられました。
ちょっと難しいお話だけれど、わたしが理解した、今回の件は…
・アシネトバクターは院内の感染症を起こすことで有名で、珍しいことではない
・多剤耐性アシネトバクターは病院の外からの持ち込みの可能性も高い(だとすると、放火された家庭に「おまえのうちは消火の仕方がなっていない」というような話になってしまう)
・「亡くなった方9人について、この菌との関係を否定できない」という意味は、「菌がなければ亡くならなかった」とは限らなくて、「亡くなった方からこの菌がみつかった。具合が悪い方にさらに負荷をかけて、亡くなるきっかけになったかもしれない」ということ(熟年離婚の原因が、ささいなことのように見えても、その背景には積もり積もったものがあるのと似ている、とか…)
・耐性菌に感染した死亡例というのは、残念ながら、国内には山ほどあり、報告義務はない(平成21年に「お願い」は出ているそうですが)
・厚生労働省でも耐性菌の問題は認識していたけれど、コリスチンなど、耐性菌に比較的有効と言われている抗生剤の認可は進めてこなかった
ってことでした。
帝京大の対応に問題があったかどうかはわからないけれど、もっと根本的に「耐性菌を作らない努力」が必要で、それは病院の体制だけの問題でなくて、患者として考えなきゃいけないこともありそうです。
実は、日本では、広範囲に効く抗生物質を使うことも多いそうです。それでは耐性菌ができやすくなるそうです。
たとえば、風邪をひいても、解熱・消炎だけでなくて、抗生剤をもらいますね。風邪は「菌」の感染じゃないけど、気管に炎症を起こしているときに、菌にやられるといけないから、ということのようです。そして、熱がさがったから、と中途半端に飲むのを止めると、生きのびた菌が耐性菌に、いっちょ上がり、ということになる可能性もあるわけです。
しかも、古典的な抗生物質の値段を極端に抑制したのをきっかけに、製薬会社が採算が取れなくて、次々に新しい薬を導入され、他の国と比べても多種多様な抗生剤が使われているので、有名などれか1つ、ではなくて、いろんな薬に対する耐性がついた菌ができやすい環境にあるようです。
だから、耐性菌を増やさないためには、むやみに抗生剤を使わないこと。ハイリスクの患者さんじゃない限り、風邪で抗生剤は飲まない!(免疫疾患の場合は、ハイリスクに入ることが多いかもしれないけど…。)
国としても耐性菌に効く薬を輸入すること。でも、新しい耐性をつくらないように大事に使うこと。
患者は、抗生剤は処方されたらきちんと飲みきること。症状が治まったからといって、勝手に止めない!最後まで飲まないなら、飲みはじめない?
耐性菌が感染するリスクの高い人のために、自宅療養が難しい場合の療養場所を病院以外に確保すること。
大学病院を非難する先には、未来図を見極めた報道がされていくといいなぁ、と思いました。
患者としても、耐性菌のこと、まじめに考えて、工夫できることもあるかもしれませんね♪
←参加中!
耐性菌をつくらないように、抗生剤は使いようだね!、と思ったら、クリックを♪
帝京大学で、いろんな種類の薬が効かない菌(多剤耐性菌)が広がって、死亡例も出ているというお話が、広く報道されています。今回、亡くなった方のご冥福をお祈りしつつ、何が起きているのか、よく見極めたり、説明したりしないまま、「怖いですね~、ちゃんとしてほしいですね~」という“お約束”のコメントで締めくくられるのに、ちょっと違和感。
耐性菌って残念ながら山のようにあるし、病人も薬もある病院はそれが集まりがちなところ。しかも、ふつうでは何ともない菌にも影響を受ける、弱った状態の人が集まっているのも病院。こうした菌に感染した状態で、亡くなる方もいます。
なぜ急に、こんな大騒ぎ報道をされているのか、これまでの他のものとどう違うのかよくわからないなぁと感じたのでした。
専門家のコメントは? 感染症といえば、岩田健太郎先生の『楽園はこちら側』。「よく分からない多剤耐性菌報道」はじめ、この件をいくつか書かれていました。青木眞先生の『感染症診療の原則』でも、「メディアと多剤耐性○○○」で触れられました。
ちょっと難しいお話だけれど、わたしが理解した、今回の件は…
・アシネトバクターは院内の感染症を起こすことで有名で、珍しいことではない
・多剤耐性アシネトバクターは病院の外からの持ち込みの可能性も高い(だとすると、放火された家庭に「おまえのうちは消火の仕方がなっていない」というような話になってしまう)
・「亡くなった方9人について、この菌との関係を否定できない」という意味は、「菌がなければ亡くならなかった」とは限らなくて、「亡くなった方からこの菌がみつかった。具合が悪い方にさらに負荷をかけて、亡くなるきっかけになったかもしれない」ということ(熟年離婚の原因が、ささいなことのように見えても、その背景には積もり積もったものがあるのと似ている、とか…)
・耐性菌に感染した死亡例というのは、残念ながら、国内には山ほどあり、報告義務はない(平成21年に「お願い」は出ているそうですが)
・厚生労働省でも耐性菌の問題は認識していたけれど、コリスチンなど、耐性菌に比較的有効と言われている抗生剤の認可は進めてこなかった
ってことでした。
帝京大の対応に問題があったかどうかはわからないけれど、もっと根本的に「耐性菌を作らない努力」が必要で、それは病院の体制だけの問題でなくて、患者として考えなきゃいけないこともありそうです。
実は、日本では、広範囲に効く抗生物質を使うことも多いそうです。それでは耐性菌ができやすくなるそうです。
たとえば、風邪をひいても、解熱・消炎だけでなくて、抗生剤をもらいますね。風邪は「菌」の感染じゃないけど、気管に炎症を起こしているときに、菌にやられるといけないから、ということのようです。そして、熱がさがったから、と中途半端に飲むのを止めると、生きのびた菌が耐性菌に、いっちょ上がり、ということになる可能性もあるわけです。
しかも、古典的な抗生物質の値段を極端に抑制したのをきっかけに、製薬会社が採算が取れなくて、次々に新しい薬を導入され、他の国と比べても多種多様な抗生剤が使われているので、有名などれか1つ、ではなくて、いろんな薬に対する耐性がついた菌ができやすい環境にあるようです。
だから、耐性菌を増やさないためには、むやみに抗生剤を使わないこと。ハイリスクの患者さんじゃない限り、風邪で抗生剤は飲まない!(免疫疾患の場合は、ハイリスクに入ることが多いかもしれないけど…。)
国としても耐性菌に効く薬を輸入すること。でも、新しい耐性をつくらないように大事に使うこと。
患者は、抗生剤は処方されたらきちんと飲みきること。症状が治まったからといって、勝手に止めない!最後まで飲まないなら、飲みはじめない?
耐性菌が感染するリスクの高い人のために、自宅療養が難しい場合の療養場所を病院以外に確保すること。
大学病院を非難する先には、未来図を見極めた報道がされていくといいなぁ、と思いました。
患者としても、耐性菌のこと、まじめに考えて、工夫できることもあるかもしれませんね♪
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本当に毎日暑くて・・・
いくら私でもちょっとバテてきましたよ・・・
今日ね、通院日だったのですが、どうも私とうとうシェーグレンの病名が付いちゃうかも!
今日ガムテストしたけど、それだとまぁ大丈夫かなぁ?
でも数値が・・・(^^;)
最近食べ物が飲み込めない時があって、あぁ~きたかなぁとは思ってたのよねぇ。
あっちゃぁ~。
ほんとに残暑厳しいよねー。
ありゃ、体調が悪そうで心配です。
シェーグレン症候群かはわからないけど、飲み込めない症状はMCTDでも出てくる症状で、心配ですね。。。
りかりんさんが(ときに凹んでも)音楽に、お料理に、ずっと活躍してもらえるように、応援してますよ!
ちょっと涼しくなったら、今度こそモンブラン行きましょ♪
首都圏某所で、(ひっそりと、コンタクト)眼科クリニックの院長をしている医師です。
ウチ、コンタクトクリニックのわりには、一般外来の患者様の比率が高く、眼周囲疾患の場合は、細菌感染が多くを占めます。私は、内服薬もわりとよく処方するほうだと思っているのですが、とにかく患者様には、いつも、口を酸っぱくして、「たとえ、あさって良くなったとしても、飲みきってください!」と服薬指導するように心がけています。
でも…患者様にとっては、めんどくさいことでしょうね、きっと。。。
コメントありがとうございます。
ちゃんと「飲みきってくださいね」と説明される先生、すてきです。
「飲みきらないと、生き残った強い菌だけが増えてしまうから、徹底的にやっつけないといけないんです」というような説明をしてくださると、素直な気持ちになれたりします♪
日本では、めんどうくさいというよりも、抗生物質は危険という「伝説」が広がっているので、できるだけ短く使うのがいいと信じられているフシがあるような気がします。
何で最後まで飲まないといけないか、わからないと、飲まないで済むお薬は飲まないでおこう・・・となりがちなのかもしれません。。
また、ぜひコメントをお聞かせください。
お待ちしています♪