治験のコストは、数億、抗がん剤の場合は、数百億にもなると言われます。そして、確認する期間が長くなればなるほど、とうぜん、費用も膨らみます。
今は、「リスクがあるから参加してね」と言ったからといって、リスクに対して、保障が求められるような例も起きていますから、そんな部分も想定しないといけないかもしれません。
そんなわけで、製薬会社が主導する治験は、「成功すれば、売れっ子だ!」という夢がなければ、なかなかたいへんなようです。
製薬会社主導の治験がむずかしいということに加えて、行政主導でもなかなか進めにくい、というのが、先生がおっしゃっていた「劇的な効果をアッピールしにくい」という点のようです。
今は、日本医師会治験促進センターや特定非営利活動法人 先端医療研究支援機構、NPO法人 日本臨床研究支援ユニットのように、製薬会社でなくて、お医者さん主導の臨床試験を進める機関や団体もあるのですが、やっぱり、「劇的に効果があるんだから、認可しよう」ということが、基本的に求められるようです。
たとえば、副作用によって認可が取り消されていたサリドマイドは、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定され、特許が切れたあとであったにもかかわらず、がん治療薬(多発性骨髄腫の治療薬)として再認可されました。
オーファンドラッグというのは患者数5万人未満の重篤な疾病が対象で、医療上、特にその必要性が高いか既存の医薬品と比較して著しく高い有効性又は安全性が期待できる薬のことで、研究開発促進制度として、国から開発を手助けしましょうという制度があるのですが、ここでも、「著しく高い有効性又は安全性」があるから、ということが決めてになるようです。
ハイドロキシクロロキン(プラキニル)の場合は、劇的な効果というより、「数ヶ月かけてじっくり」「穏やかに」効くことがいいところでもあるので、こういう「この薬は特別♪」という処置をするのが、なかなかむずかしいようです。
「著しく高い安全性」をアッピールすることになるのでしょうか。
多発性骨髄腫の患者数が約13000人、毎年新たに4000人が罹患しているのに対して、全身性エリテマトーデスは、特定疾患を申請している人だけでも患者数はきっと5万人を越える可能性はありそうです。というところで、希少というところもなかなか言いにくいところがあるかもしれません。
「採算は度外視だ、患者さんのためにやる!」と言ってくれる製薬会社さんが急に出てこない限りは、患者さんの方で「なんとかこれを認可して欲しいんだ!」と熱い声を出して、公けの流れの中で認可してもらうほかに、あまり方法がないように見えます。
それだけの、熱い要望があるのかな…。
SLEは、重症化すれば、すぐ長期の入院が必要になったりする病気です。このハイドロキシクロロキン(プラキニル)が保険適用されれば、それほど高いお薬でもないし、軽症例に使える適切なお薬を出して、重症化させない…という意味では、医療費を抑えることにもなると思います。けっこう有効な薬だと思うのですが、熱く訴える方向がうまくみつからないで、どうしたものかなぁと思ったりしています。
←参加中!
経済と患者の期待がうまく噛みあう方法がどこかにあるといいね!、と思ったらクリックを♪
今は、「リスクがあるから参加してね」と言ったからといって、リスクに対して、保障が求められるような例も起きていますから、そんな部分も想定しないといけないかもしれません。
そんなわけで、製薬会社が主導する治験は、「成功すれば、売れっ子だ!」という夢がなければ、なかなかたいへんなようです。
製薬会社主導の治験がむずかしいということに加えて、行政主導でもなかなか進めにくい、というのが、先生がおっしゃっていた「劇的な効果をアッピールしにくい」という点のようです。
今は、日本医師会治験促進センターや特定非営利活動法人 先端医療研究支援機構、NPO法人 日本臨床研究支援ユニットのように、製薬会社でなくて、お医者さん主導の臨床試験を進める機関や団体もあるのですが、やっぱり、「劇的に効果があるんだから、認可しよう」ということが、基本的に求められるようです。
たとえば、副作用によって認可が取り消されていたサリドマイドは、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)に指定され、特許が切れたあとであったにもかかわらず、がん治療薬(多発性骨髄腫の治療薬)として再認可されました。
オーファンドラッグというのは患者数5万人未満の重篤な疾病が対象で、医療上、特にその必要性が高いか既存の医薬品と比較して著しく高い有効性又は安全性が期待できる薬のことで、研究開発促進制度として、国から開発を手助けしましょうという制度があるのですが、ここでも、「著しく高い有効性又は安全性」があるから、ということが決めてになるようです。
ハイドロキシクロロキン(プラキニル)の場合は、劇的な効果というより、「数ヶ月かけてじっくり」「穏やかに」効くことがいいところでもあるので、こういう「この薬は特別♪」という処置をするのが、なかなかむずかしいようです。
「著しく高い安全性」をアッピールすることになるのでしょうか。
多発性骨髄腫の患者数が約13000人、毎年新たに4000人が罹患しているのに対して、全身性エリテマトーデスは、特定疾患を申請している人だけでも患者数はきっと5万人を越える可能性はありそうです。というところで、希少というところもなかなか言いにくいところがあるかもしれません。
「採算は度外視だ、患者さんのためにやる!」と言ってくれる製薬会社さんが急に出てこない限りは、患者さんの方で「なんとかこれを認可して欲しいんだ!」と熱い声を出して、公けの流れの中で認可してもらうほかに、あまり方法がないように見えます。
それだけの、熱い要望があるのかな…。
SLEは、重症化すれば、すぐ長期の入院が必要になったりする病気です。このハイドロキシクロロキン(プラキニル)が保険適用されれば、それほど高いお薬でもないし、軽症例に使える適切なお薬を出して、重症化させない…という意味では、医療費を抑えることにもなると思います。けっこう有効な薬だと思うのですが、熱く訴える方向がうまくみつからないで、どうしたものかなぁと思ったりしています。
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昨年2010年の末にヒドロキシクロロキンの日本での開発が日本ヒドロキシクロロキン研究会という要望者から厚労省を通じて製薬会社(サノフィ・アベンティス)に正式に要請されました 現在、製薬会社では採算度外視で開発を早急に行うよう進められているようです
これまで日本で開発に着手されなかったのは、1960年代のクロロキン事件、ヒドロキシクロロキンではないクロロキンという薬剤でクロロキン網膜症が頻発した薬害、があったからかもしれません。ヒドロキシクロロキンはご存知かもしれませんが、クロロキンとは随分と違うようで安全性が高い薬剤のようです
一日も早く日本でも使えるようになるといいですね
ありがとうございます。
そうですね、わたしもハイドロキシクロロキンに関する朗報を聞いています♪
ハイドロキシクロロキンに関してはいろいろ記事を書いてきましたが、さまざまな立場の方がさまざまな考えをお持ちであることに複雑な思いを持っています。
サリドマイドを白血病のために再認可してもらうときも、サリドマイドの副作用で苦しんでいる人たちからは許しがたく感じたでしょうし、立場が違えば捉え方も違ってくるのだろうなと思っています。
というわけで、きちんと報道されるまで、進捗を書くのを少し控えておこうかなと思っていたところでした。
でも、今、薬を必要としている人はいます。たとえば、ステロイドの使用が難しい皮膚ループスの方には、この薬の認可は待ち遠しいと思います。
ハイドロキシクロロキンの再認可を、一緒に応援しましょうね。
ちなみに、認可されるとしたら、クロロキンでなく、ハイドロキシクロロキンでしょうね。海外の臨床試験でも、副作用の発生率が違うようです。
すいぞう癌の治療薬として、ごく最近臨床試験が始まっている。クロロキンも血
管脳関門を通過するから、理論的には、NF2などの脳腫瘍にも有効であるはず
である。
残念ながら、(プロポリスと違い) クロロキンには副作用があり、マラリア治療な
どの短期投与では出にくいが、長期に投与すると、視野のごく中心部しか見えな
くなる「クロロキン網膜症」が1960年代に多発した。この「クロロキン事
件」は、慢性腎炎や慢性関節リウマチ、てんかんなどへの適応拡大によって被害
者が拡大し、日本でも約千人の被害者がいると推定され、1975年に製造/販
売が禁止になった(5)。
従って、癌やNF2などへの長期治療には、副作用のより少ない誘導体 (ヒドロキシクロロキン=HC) を使用すべきだろう。HCの場合、投与量6.5mg/kg/day まで、 投与期間10年までならば、網膜症は起こらないとされる。
200mg の錠剤 (HCのフランス製商標「プラキニル」) 100 錠が3、4千円だ
から、毎日2錠 (400 mg) づつ飲んでも、薬価は毎日「百円」以下である。
詳しくは、http://charlie19420.blogspot.com
を参照せよ。
コメントありがとうございます。
日本では、パテントが切れて薬価の低いことがかえって認可への障壁になっているようです。製薬会社が何億もかけて臨床試験をすると、採算が採れないので、株主に説明ができなくなりますからね。難しいところです。
すい臓がん治療薬として、光があたってくると、状況も変わるでしょうか。
今、臨床試験の第二相だと聞きました。
http://www.cancerit.jp/xoops/modules/cancer_reference/index.php?page=article&storyid=617&storypage=1
http://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT01273805
http://www.cancerit.jp/xoops/modules/nci_bulletin/index.php?page=article&storyid=430
乳がん、大腸癌、骨髄腫および慢性リンパ球性白血病でも自己貪食を阻害する療法にハイドロキシクロロキンが検討されているそうです。
ハイドロキシクロロキンのことをしつこく書いてきましたが、がんでの利用については記事に書いたことがありませんでした。久しぶりにお勉強してみようかと思います。
http://blog.goo.ne.jp/propacil/s/%A5%CF%A5%A4%A5%C9%A5%ED%A5%AD%A5%B7%A5%AF%A5%ED%A5%ED%A5%AD%A5%F3
ちなみに、クロロキンと比べて頻度が少ないとはいえ、ハイドロキシクロロキンの少量長期投与の場合でも、網膜症の発生は報告されているようですね。
今のエビデンスでは、1日の服用量の上限を守り、5年を越える長期使用になった場合は、よく観察しておけば、問題ない としている資料が多そうです。