四国遍路 令和3年 春 男63歳 野宿旅

縁あってお遍路モードに突入
(旧タイトル)おっちゃんとミニベロ9で以意大放題

「サンライズ出雲」でおっちゃんの旅が始まった

2015年05月04日 | 平日ポタリング
長期休暇がとれたので3月中旬に松江、広島、松山を折畳自転車担いで行ってみた。

ネットの普及で旅の醍醐味が薄れてきたようだ。
実際に観光地をこの目で見た時の感動がイマイチ。
齢のせいなのか、情報量が多すぎるのか。

今回の旅は、まったり、のんびり、ボーっと、時間をもてあそぶ、何もしないことがテーマ。


日本橋の三越前のアンテナショップの島根館でパンフを調達した。



1日目 晴 東京 車内泊

昼前に草加から東京駅まで自走し、自転車をコインロッカーに預ける。
秋葉原でイヤホンを購入したり、神田の本屋街をぶらつく。
時間が余って余って困った。喫茶店をはしごする訳にもいかず、

人が多すぎてボーっとするのが難しい。

荒川の土手が懐かしい。
おっちゃんは土手に寝そべっていつまでもボーっとするのが好きだ。

22:00発 寝台特急 「サンライズ出雲」に乗り込む。

個室の寝台列車は初めてだ。
もっとも寝台列車に乗った記憶も定かではない。確か中学の頃だったかな。

B寝台ソロの選択もあったが狭いということで、今回はB寝台シングルの上段だ。

個室までの通路が狭いので自転車を担いでの乗り込みは最後が良い。
輪行時にはいつも気をつかう。

さてB寝台シングルの感想、おっちゃんにとっては合格点だ。
狭いながらも居住性は悪くない、もちろん何もしなければ。

比較の対象が見つからないが、若いころ散々お世話になったカプセルホテルに比べたら
天国だろう。ただカプセルホテルが苦痛かと言えば、酔っぱらっていたので
あまりよく覚えていないのが本当のところだ。

取りあえずベットの上にデパ地下で買ったハンバーグ弁当を拡げて食べた。
せっかくの夜行列車の旅、裕福な懐。
もう少し贅沢をしても良かろう、夕飯を食べずに我慢したのに。

天気悪く星空は見えなかった。

旅の始まり、興奮して眠れないと思いきや何のことはない
気がついたら夜が明けていた。

岡山駅でサンライズ瀬戸との合体を見物する。
ここでも撮り鉄がわんさか。



寝台個室、寝るだけなので十分。右奥が輪行袋。
神経質な人はホテルでもそうだがマイスリッパ持参が良い。



2日目 雨 松江泊

到着した出雲市駅から出雲大社まで走ったところで雨が降ってきた。
一畑電鉄の出雲大社駅での雨宿りも、諦めてバスで出雲市駅まで輪行する。
これまで輪行は何度もしたがバスでの輪行は初めて。
雨のせいか混んでいてブロンプトンといえども肩身の狭い思いをした。
出雲市駅までは市内を巡回しており、思った以上に時間を要した。

出雲市駅からホテルのある松江駅まで輪行しそのままホテルへ。

当初は宍道湖畔をサイクリングして松江に入る予定だったが残念。

雨もそうだがけっこう寒く風も冷たい。
この旅の前半は風強く寒さでのんびりとはいかなかった。


旧大社駅、国鉄の面影が。若いころの旅行先では木造駅舎も珍しくはなかったよ。

雨が降り出したので写真だけ撮って退散する。



3日目 雨 松江泊

この日は終日雨、電車で境港駅まで行ってゲゲゲの鬼太郎の水木ロードを見物。
平日で雨もかさなって人も少なく閑散としていた。

通りはどの店も鬼太郎グッズの店だ。
グッズはいろいろあったが鬼太郎のシールだけ買った。
寒くて早々にホテルに戻った。

当初は大根島のサイクリングの予定でした。


米子駅からの境線、ここでも鬼太郎が。



4日目 曇 松江泊
あいかわらず風が冷たい。
松江城と小泉八雲旧居を見物して

一畑電鉄の松江しんじ湖温泉駅から出雲大社駅まで輪行。

歴史博物館に自転車を預けて出雲大社にお参り。

境内の手水舎のそばの参道で、切り株跡がブロンプトンにそっくりなのでパチリ。

古代出雲歴史博物館は見ごたえがあってよかった。
特に古代の社殿の模型は壮大で夢が膨らむ思いがする。
館内のガイドさんにはこちらから積極的に質問をすると良い。
親切丁寧に教えてくれる。


なにげに見たらブロンプトン、前後の車輪とトップチューブのバランスがいかにも。



5日目 曇 松江泊

松江駅から大田市駅まで輪行し石見銀山まで走る。
大森の観光案内所に自転車を預け五百羅漢と銀山の一部を見学。
観光客も少なくまったり過ごした。

松江に戻り宍道湖の夕日スポットまで走るが曇のため予想通り夕日にならなかった。

あきらめて宍道湖シジミ館でシジミ丼を食すも、思っていたほどシジミの量が多くなかった。
値段は高くてもシジミでご飯が見えないくらい盛ってほしかった。
たとえばシジミで箸が立ったりするとか。
松江での旅で、もうシジミは見たくないというほど食べてみたかった。次の機会におあずけか。

和菓子屋で詰め合わせを土産に購入。
松江は老舗の和菓子屋が多いと聞く。
松江藩の殿様が茶を嗜み、いきおい和菓子も好まれたとな。


今でこそ観光地化しているが、当時は想像を絶する過酷な労働環境だったのだろう。
誰もいない薄暗い石窟の中は空気が重かった。



6日目 晴 岡山泊

早朝、ホテルより走り出す。
今回の旅での唯一押さえておきたい熊野大社を参拝する。
早かったので観光客は写真を撮ってもらった男性の旅行客だけ。

厳かで別世界の空間がそこにあった。おっちゃんの限られた語彙では表現できない空間だ。
ありがたくお札を頂いてあとにする。この眼にしっかり焼きつけた。

その後名もなき峠らしきを越え月山富田城跡を見物し
松江駅より岡山駅まで輪行する。

峠付近では轍の間に苔が生えていたのでびっくり。下りで捕まったら転倒まちがいなし。

短いトンネルを抜けてから長い豪快なダウンヒルを満喫。
関東ではなかなか味わえない。
とにかく車が少ない、すれ違うのは2、3台 路面状態も良い。

山陰地方出身の著名な政治家が多いのもうなずける。公共事業ばっちし。


熊野大社。


月山富田城跡への途中。

富田城跡にある資料館。



7日目 晴 広島泊
宿の関係で岡山観光はパス。
早朝の散歩で岡山城を見ながらまったりとする。

遅いチェックアウトでそのまま新幹線で広島に入る。

コインロッカーに荷物を預け広島市内をポタる。
日本人として原爆ドームでの記念写真はさすがに憚れた。
平和記念公園でコンビニの菓子パンをかじる。
外国の若い観光客が大勢だ。
おっちゃんは戦争を知らない世代だが少なくとも親から戦争の話は聞いている。
彼らは戦争とは全く無縁だろう。どっちもどっちか。
平和を語るだけの論を知らないのである。



8日目 晴 広島泊

自転車をホテルに置き、錦帯橋、岩国城に厳島神社を参拝。
定番とはいえ人が多すぎ。少々食傷気味。


錦帯橋。



9日目 晴 松山泊

広島港からフェリー、2時間半ほどで松山観光港。
瀬戸内の島々を見ながらのクルーズ。こういう風景もあるのだと改めて感激。

松山市内を、あてもなくまったり、のんびりポタる。
ここでも路面電車が。


坊ちゃん列車 市内では時々見かける。 一人で乗車するにはちょっと恥ずかしいかな。



10日目 晴 松山泊

坂の上ミュージアムと松山城を見物して道後温泉街を散策する。土産に乾物を購入。

市内では行先も確認せずに路面電車に乗って適当な停留所で下車したりして
なかなか充実した一日を過ごした。

若いころ卒業旅行で行った初めてのサンフランシスコでのことを思い出した。
あの時は同行の友人とはぐれてぶらぶらしていたら目の前を路面電車(バス)が
通り過ぎたので何を思ったか追いかけて飛び乗ってしまった。
もちろん行先やどこに停まるかも知らない。車内で車掌さんに金を払ったことを
なにげに覚えている。
今思えば映画で見た飛び乗るシーンが頭によぎったのだろう。
はたして走行中に乗車して良いものかどうか。
ただそのあと、どのようにして友人と合流したのか記憶にないのである。



11日目 晴 松山泊

松山駅より今治駅まで輪行。
今治タオル工房館では土産のタオルを購入。

サイクリストのメッカと呼ばれるしまなみ海道のさわりを大島まで走る。
橋からの眺めは最高。

そもそも後づけでのメッカ、あれだけの大きな橋の歩道を歩いて渡る人はいないだろう。
当然のごとく自転車でとなる。計画当初はこんなにロードバイクがブームになるとは
誰も考えが及ばない。
東京(埼玉)にいても地元の力の入れようが見えるだけに頑張ってほしい。
歩道ではなく車道を一車線開放するぐらいの勢いがあってもいいかな。

今治駅に自転車メーカーのGIANTが店をだしていた。


今治城。


橋を渡って大島で一休み。



12日目 晴 車内泊

松山駅より岡山駅まで輪行。
岡山駅で自転車を預けて新幹線で姫路城のある明石駅へ。
大修理のあとだけに大勢の観光客、城の中には整理券で入場待ち。
あきらめて城をバックにパチリ。

岡山駅まで戻り「サンライズ出雲」に乗り込む。
この旅の最後の車内晩餐はデパ地下(岡山高島屋)で土産として買った
わらび餅。つまみ食いしたら美味かったので全部食べてしまった。
数年前からおっちゃんは甘党になったのだ。


改修後の姫路城。



12日目 晴 東京 最終日

早朝に到着、天気も良かったので皇居、日比谷公園付近をポタる。
荷物は全て自宅に送っていたので身軽である。

出勤途中の大勢のサラリーマンを眺めながらコンビニで調達した
モーニングらしきを食す。

ここで普通は目の前のサラリーマンたちに優越感を抱いたり
なにがしの満足感があってしかり。当然のごとくおっちゃんも
そう思っていたが、そうではなかった。
齢をとり過ぎたのか、そこまでの境地に至っていないのか。
そんなことを思いながらしばらくボーっとする。

昼を過ぎて自宅のある草加に向かう。

おっちゃんの長くて短い旅が終わった。



今回の旅で、まったり、のんびり、ボーっと、時間をもてあそぶことはできた。
公園のベンチに何時間も寝そべったり、喫茶店で本を読んだり、駅の待合室で
暇そうなおじさんと話をしたり、当てもなくポタったり。

テーマの一つの何もしないこと、これが難しい。
ただ何もしない訳にはいかずホテルでの荷物の整理や洗濯、宅急便の荷造り、
デジモノの充電を気にしたり、

外では切符を買ったり、食事を考えたりするので忙しかったような。
電車は大体が1時間に1本、場合によっては2時間待ちもある。
時間の感覚のずれでどうしても気がせいてしまう。
2時間待っても良いではないか、そのための旅なのだから。

特に食事はせっかくの旅先、少しでもおいしいメニューをと歩き回ったりして、
結局夜はうどん定食だったり、から揚げ定食だったり、昼はコンビニの菓子パンとか。
一人で贅沢な食事をゆっくり食べたことがないので当然の結果なのかもしれない。

事前の情報はネットで旅先ではホテルの無料パソコンでネットにつないで収集。
今回は駅での観光案内所のパンフが大いに役立った。
地方は特に観光地ではパンフが充実していた。


この旅の前に調達したブロンプトンM3は正解だった。
日に何回も折りたたむ、組立が全く苦にならない。
おっちゃんの中での輪行の概念が大きく変わった。
市内をポタる、観光地巡りには最適。

ただ高額だけに盗難が心配だったが稀有に終わった。
施錠したのはやむを得ず繁華街のコンビニのトイレに入った時だけ。
それも細いワイヤー錠で。

板状の重い鍵、チェーン錠は早々に自宅へ送り返した。
全く盗まれるような雰囲気がなかった。
もっとも30分以上目を離す事はなかったが。

走行距離は少ないがノントラブル、工具不要(工具は最低限持参すべし)
不安があったシフト系も問題ないようだ。

ただ問題が。
重い、重い、重い。
輪行袋がフルカバーだったので転がせなかった。
ターミナル駅だと歩行距離も長い、腕が太くなった気がする。腕力は必要だ。

巾着袋も考えたが旅行中のトラブルで送り返す場合も考えてフルカバーにした。
今考えれば巾着袋も用意すべきだった。たいして負担にはならないだろう。

荷物は最小限に抑えた。事前にホテルに送ったりして宅急便を多用した。
速乾性の下着やシャツは翌朝には乾くので数組あればOK。
洗濯はバスルームで手洗い、ボディーシャンプーを少し垂らしてゴシゴシ。
たいして汚れていないので楽勝。ついでにハンカチや靴下も洗う。
時間はたっぷりあるのだ。


下衆な話になるが今回の一人旅、土産代から一切合財で20万でおつりがくる程度。
偶然かどうか予想通り、予備費の10万が手つかずとなった。
へそくりに回すことにした。表の予算は30万なのだ。
当然家族どもの土産はそれを見越して奮発したのだ。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。