まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

児島醸造石蔵と二階堂家住宅

2020-03-11 23:53:49 | 建物・まちなみ
2月の鹿児島の続き。

轟の滝とあわせて児島醸造石蔵も見に行ってきた。
ほとんど全体が凝灰岩でできていると言えるような大隅半島。石蔵や塀はあちこちで目にするが、
この石蔵は観光スポットとして紹介されているだけにひときわ立派だった。


児島醸造有限会社の醤油などの製品を販売している「石蔵直売所」なのだが、時間が早かったからか、
定休日だったのか店は閉まっていた。


「東串良産業組合第四農業倉庫」と刻まれている。元は農業倉庫だったのか。




ふと見ると駐車場の横の広場にこの車輪が置かれていた。おや、もしかしてここは廃線跡か?
そう思って見るとやたら広々した空間がずっと続いているのは駅のヤードだったのではないか・・・きっとそうだ。
かつて農産物を鉄道で運ぶために駅前に農業倉庫が建てられたのだな。鉄道がなくなり、蔵がポツリと残った。。。


轟の滝から鹿屋港へ戻る途中に、肝付町の中心部から少し外れたところに建つ二階堂家住宅にも立ち寄る。


ふたつの小さな寄棟造をつなぎ合わせたような形をした美しい茅葺き民家。左側が「なかえ」、右側が「おもて」と呼ばれる。
「おもて」は1810(文化7)年ごろに建てられたものと言われており、重要文化財に指定されている。


二階堂家というのは藤原氏南家の流れの家系で、天正年間(16世紀)に島津義久公から拝領したこの地に
今も子孫の方が住まわれているとか。もっとも、現在の住居はこの茅葺きの家ではなく横に建っている住宅の方である。
茅葺き民家は1987(昭和62)年に敷地内で移転し向きを変える工事が行われ、現在は一般公開されている。

ちょんまげみたいな茅の束で頂部を押さえてあるのがこの地方の茅葺きの特徴かな。


雑然としていて少し前まで誰か住んでいたような気配さえ残る土間の台所。
こんな石の流し台があるのが南隅地方らしく感じる。


内部は意外と広い!外部との仕切りは障子一枚で開放的。南国鹿児島なら冬でもこれで過ごせたのだろうか。




昼寝に最適な縁側。座布団を持って来たくなる(笑)


周囲の山を見事に借景したお庭。


現役住宅の入口の門も茅葺きだった。棟の押さえも同じ。


道路から門を見る。立派な石組みの外構とともに風格を醸し出しているな!


ところでさっきの石蔵もここの外構もグレーの凝灰岩であるが、鹿屋港から海沿いに南へ下っていくと
きれいなピンク色の石が目につくようになる。車で走っていても立派なピンク色の蔵や塀が現れ目を奪われるのだが、
とっさのことで車を停める場所もなく写真を撮れていない。。。この写真は信号待ちのときに窓から撮った
土留め壁であんまり鮮やかな色でない(苦笑)
検索してみるとこれは阿多火砕流の溶結凝灰岩で、「荒平石」と呼ばれる石らしい。火山のある所では同じような
ピンク色の石をちょくちょく見かける。鹿児島県の市比野温泉でも見事なピンク色の石蔵を見たし、熊本の馬門石
溶結凝灰岩だ。函館でもピンクの凝灰岩を見たな。あぁ自然の神秘。


続く。

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