まちかど逍遥

私ぷにょがまちなかで遭遇したモノや考えたコトなどを綴ります。

陶磁器試験所の講演会 今ごろ・・・

2018-11-22 22:20:10 | イベント
先月多治見と瀬戸へ行ったときのことを書こうと思ったら、7月に行ったときのことをまだ書いていなかった(汗)。
そしてそう言えば2月にも多治見へ行ったけどそれも書いていなかったなと。。。(爆)
もう忘れかけてしまっているが・・・この際、3つ連続で書いてしまおう。

なんでこうも多治見へ何度も行ってるのかというと、モザイクタイルミュージアムで魅力的な展示やイベントが
次々開催されるからである。あぁ困る(笑)
2月に行ったのは、12月に見に行った「陶磁器試験所と近代の建築装飾」展の関連企画の講演会に参加するため。
愛知県陶磁美術館の佐藤一信さんの講演はとても面白かった。
1896(明治29)年に創設された京都市立陶磁器試験所は、材料開発、技術改良、図案作成などを行ったほか、
京都以外のメーカーや海外からの依頼試験にも応じ、陶磁器研究に大きな成果を出していたため、1919(大正8)年に
国立となり京都から名古屋に移る。陶磁器試験所ではいち早くタイルやテラコッタなど建築装飾の陶磁器の試作を行い
製造に力を入れた。
小森忍、河井寛次郎、濱田庄司ら、ゴットフリート・ワグネルから近代窯業学を学んだ人々が技手となり、
伝習生として学んだ人がまたスタッフとなり、、、先生も生徒も入り混じって、日本らしい建築陶磁器を作り出そうという
意欲に満ち満ちていたようだ。そんな雰囲気の中で、後の美術タイル界に名を馳せるそうそうたる人材の
ネットワークが出来上がっていった。泰山タイルの池田泰山も泰平タイルの福田直一、菊池左馬太郎、杉崎竹次郎も、
笠原の山内逸三も、元をたどれば陶磁器試験所につながる。すごい!!
国立となった陶磁器試験所が役割を終え解散した後も、ネットワークは生き続けたらしい。あぁなんと素晴らしき時代!!
窯業の技術のピークは今ではない、100年前の方が技術力は高かった、との話に、目からうろこが落ちる思いだった。


私たちの身の回りを取り囲む陶磁器であるタイルについて、ノスタルジーでなく、その役割をもう一度見直したい、
焼き物としての美しさ、安らぎ、豊かさ、刺激、など、タイルの有用性に、今再び目を向けるべきである、との
佐藤さんのお話には、あぁもう、諸手を挙げて同意する!!
美術タイルは私の特に好きなジャンルの1つで、外国にはない日本が誇るべきタイルだと思っている。
土の質感や窯変による多様な表情は、日本人ならではの繊細な美意識によるものだろう。そしてそれが1点ものの
美術品でなく、建築部材であることが素晴らしい。なので私は「工芸タイル」という呼び名の方が合う気がするのだが。
焼き物らしい魅力を持つタイルがまたどんどん作られるようになればいいなぁ!

いや~~ほんとに面白かった!参加してよかった。
その講演会には知り合いが何人か来ていて、なんと毎月の建築講座でお世話になっている川島先生も来られていて驚いた(笑)

その後Tさんと合流して多治見のまちへ戻り、元多治見輸出陶磁器完成組合のフレンチレストラン、Reverieで
ディナーを。




多治見らしいタイルに囲まれた建物で頂いたコース料理はとてもおいしくボリュームもあって、満足満足!


続く

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