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「六龍が飛ぶ」 ~無以異也(ムイイヤ)/青山別曲(チョンサンピョルゴク)~

2017-02-26 | 韓国史劇・ドラマ・映画

韓国史劇「六龍が飛ぶ」の中で、ピョン・ヨハンさんが歌う「無以異也/ムイイヤ
と「青山別曲/チョンサンピョルゴク」はとてももの悲しい感じがします。




■「無以異也」は 孟子と戦国諸侯たちとの対話などを編纂した『孟子』の
梁恵王章句・上の四にあり、これをドラマのモチーフとしているそうです。

この曲のことをもっと知りたくなってWebでいろいろ調べてみたら、
以下のような記述がありました。

******************************************************

弱肉強食の論理が優先される中国史上の戦国時代、武力や権謀による
覇道政治を戒め、「仁」と「義」にもとづき人民に徳をもって臨む王道
政治の理想を説いた孟子。

梁(魏)の王と対話する中で孟子は、君主の台所には豊かな食事が並び、
馬は肥え太っているのに反し、道端には飢え死にした民の遺体が転がり
獣類のえさとなっている状況を問うべく

「杖で人を殺すのと刀で人を殺すのとでは違いはありますか?」とまずは王に問いかけます。

「何も違いはない」と答える王に、

「では刀で殺すのと政治で人を殺すのとでは違いはありますか?」とさらに尋ねる孟子。

やはり「何も違いはない」と答えた王に、

「民の父母である王がわが子同然の民を飢え死にさせ、その遺体を
獣類に食われるままにしておくなら、どうして民の父母と言えるだろうか」と正し、

政治が人を殺している状況を分かりやすく突きつけた上で、
言い訳を言わずに民を救済するための政治を王が責任を持って行うよう教えます。

そこで語られた問答がこの『無以異也』に形を変えて使われているのです。
「刀で人を殺すのと、政治で人を殺すのと、なにが違うというのか」



■『青山別曲』は作者および年代は未詳ながら、歌詞や曲調の形式などが
朝鮮初期のものとは異なることから高麗時代の歌謡であると推定されています。
朝鮮初期の歌のドライさに対し、この歌は生活者の感情をよく表しているとのこと。


■日本語訳
生きたいものだ 生きたいものだ 青山で生きたいものだ
山葡萄や猿梨を食べながら 青山で生きたいものだ
ヤルリヤルリヤルラション ヤルラリヤルラ

鳴いているのだな 鳥よ 眠りから覚めて泣いているのだな
お前より悩みの多い私も 目が覚めてずっと泣いているよ
ヤルリヤルリヤルラション ヤルラリヤルラ

耕した畑を眺めている 平原の耕した畑を眺めている
苔の生えた鋤(すき)をもち 平原の耕した畑を眺めている
ヤルリヤルリヤルラション ヤルラリヤルラ

どうにかこうにか昼間はやり過ごしたものの
訪ねてくる人も会いにいく人もいない夜はどうやって過ごそうか
ヤルリヤルリヤルラション ヤルラリヤルラ

どこに投げた石だろう 誰に当てようとした石だろう
憎い人も愛しい人もいないのに 石を当てられ泣いている
ヤルリヤルリヤルラション ヤルラリヤルラ

生きたいものだ 生きたいものだ 海で生きたいものだ
松菜や牡蠣を食べながら 海で生きたいものだ
ヤルリヤルリヤルラション ヤルラリヤルラ

道すがらに聞いたのだ 打ち捨てられた台所のそばで聞いたのだ
鹿が舞台の上でヘグム(奚琴)を奏でるのを聞いたのだ
ヤルリヤルリヤルラション ヤルラリヤルラ

道を歩いていると 大きな瓶で酒を醸していた
ひょうたんの花模様をした麹の香りが強く引き止めるものを
私にどうしろというのか
ヤルリヤルリヤルラション ヤルラリヤルラ



内容としては、とある若者が俗世間を離れ、青山や海辺を彷徨い歩きながら
自らの悲哀について歌ったもの。
歌についての詳細な記録が残されていないことから、歌の「話者」について
様々な解釈が存在しています。

「青山で山葡萄などを食べながら暮らさなければならない、流浪の民の悲哀を歌ったもの」
「一揆に参加した農民、漁民、奴隷、大道芸人いずれかについての歌」
「悩みを解消しようと青山に行き、奇跡と安らぎを求めながら人生をあくまでも探求するインテリの酒の歌」

などの解釈があるそうですが、いずれの解釈も時代的に外乱内憂の状況が長らく続いたこととも符合しています。

「失恋して青山にこもった男の歌だ」
「苦しい時代を生きなければならなかった女性の閉塞感と孤独を歌った歌だ」との説もあるそうです。

つらい俗世で懸命に土地を開墾し続けるプニと、その俗世すら追われ、流浪するしかなかったタンセ。
歌詞を全編に渡ってみてみると、まさにタンセが最後、どこにもない青山を求めて彷徨っている様を歌った歌に思えてきます。



それぞれの歌の解説を読むととても面白く、興味深いものでした。


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