12月3日、愛する年間チャートが発表されました!
分析っぽいことはまたいつかやるとして、感想を簡単に述べるつもりです。簡単に…。
ちなみに、チャート分析の3台柱は「国」、「形態」、「ジャンル」だと思ってるのですが、
自分がチャートを見てまず直感的に意識するのは「ジャンル」です。
古い考え方ですが、ジャンル分けして考えると分かりやすいかな~、って思ってしまうわけですね。
~自分なりの説明~
年間チャートは文字通りその年の週間チャートを総括するチャートで、どれがその年一番ヒットしたか、などを順位付けるものです。
詳しくは調べていませんが、各週間チャートの順位がポイントとなり、そのポイントの積み重ねで年間チャートの順位が決まります。
イメージとしては、1位=100ポイント、100位=1ポイント、みたいな感じですね。
つまり、より長く上位をキープした曲が年間チャートの上位を狙えます。
ただし、集計期間という制約があり、昨年の11月から今年の10月末までが今回の集計対象となります。(追記:集計期間を訂正しました)
~レビュー~
率直に言うと、曲のヒット性を評価する指標の中で自分が最も重視する(してしまう)のが年間チャート。そして、その年の流行や傾向を理解する上で一番参考にするのも年間チャート。つまり、私は年間チャートが大好きです。真面目に。
(#1~#10)
…まあそれはいいとして、そんな年間チャートのTop10!自分からすれば「選ばれた10曲」という感じです。今年は全体的にちょっと不満がありましたねー…。先述したように自分はジャンルを意識する人なので、まずTop10のいろどりを考えるのですが、今年は3色!!…4色はほしかったです。直感的に3色と4色では全然違くて、3色だとつまらないというか、もっと多様性がほしいな~…と欲求不満になってしまうわけです。具体的にはポップ、R&B、ラップで、ここ数年はこれら3つ+他ジャンル1つの4色だったので余計気がかりです。
Top10 ジャンルの数
2016 | Pop | Rock | R&B | Rap | EDM | 5 | ||
2017 | Pop | Rock | Country | R&B | Rap | EDM | Latin | 7 |
2018 | Pop | Rap | EDM | 3 | ||||
2019 | Pop | R&B | Rap | EDM | 4 | |||
2020 | Pop | Country | R&B | Rap | 4 | |||
2021 | Pop | R&B | Rap | 3 |
(作ってみて気づいた…R&BとEDM意外と強い。こういう分析もいいかも。)
これに関してさらに残念!と思ったのが今年の年間チャート11位。あのBTSです!今年 Butter が大ヒットしたBTSがTop10入りするのは妥当ですし、だからこそ惜しくもTop10圏外!…ってなっちゃったわけです。うーん、あと少しだったのに…。Top10のジャンルを上のように時系列で見る際、例えば唯一「ラテン」がランクインしている2017年はラテン・ミュージックが世界的に流行りだした年であり、その意味でこの指標は時代の流れを表しているといえます。ゆえに去年から今年にかけて世界的に人気を広めたK-PopがTop10に(ギリギリ)ランクインできなかったことは、指標の価値を低くしてしまっているようで残念でした。あとは単純に「韓国人アーティスト初のTop10入り!」という明るい記事を見たかったです。
と、最初からネガティブなことを言ってしまいましたが、別に強く失望したわけではなく、「おお~」と思ったこともたくさんありました。
まず、デュア・リパの1位! 予想はしてましたが、まさか本当に週間チャートで1位をとっていない曲が年間で1位をとることになるとは!歴代初ではなかったようですが、珍しいことに違いはないようです。珍しいものを見れて、まずここで早くも満足してしまいました。去年の年間1位、ザ・ウィークエンドの Blinding Lights は今年に入ってからも長く上位をキープしていたので、去年に続いて今年も1位をとってしまうのではないかと懸念(※主観)していたのですが、そうならなくてよかったです。2年連続同じ曲が1位って、個人的に興ざめしちゃうんですよ…。その Blinding Lights は結局今年3位にとどまったわけですが、それでも恐ろしくすごいことですよね。しかもザ・ウィークエンドは Save Your Tears で2位もとっているという。ちなみに、Levitating の方はダベイビーのクレジットが外れていて、Save Your Tears の方はアリアナ・グランデのクレジットが追加されてますね(詳細略)。ピーク時の状態を反映するのだとしたらダベイビーは付くはずなので、Levitating は例外なのかもしれません。
次に4位の24K Goldn(24K・ゴールデン)。計8週も週間チャートで1位をとった大ヒット曲で、噓偽りなしに大好きな曲です! 去年がピークで、今年は去年の余波といった感じのチャート・アクションだったので、Top10には入ると思っていましたがギリギリのラインかな~と予想してました。それがふたを開けてみたら思ったより全然ランクが高く、文字通りおお~ってなりましたね。
オリヴィア・ロドリゴの good 4 u が5位だったのもちょっと意外でした。ずっと上位をキープしていたとはいえ初登場が5月頃だったので、それより前からヒットしていた曲に比べチャートイン週数で不利なはずです。オリヴィア・ロドリゴが来るとしたら先に drivers license だと思っていましたが、思いの外 good 4 u が他との競い合いに強かったということですね。
最後に、シルク・ソニックがランクインしたことで今年もソロ・シンガーのTop10独占をギリで阻止成功!「形態」についても多様性を欲してしまう自分ですが、とりわけデュオ/グループの枠があるかどうかが気になってしまいます。これまで同様今年も何とか枠を守れたので、「形態」に関しては今年は文句なしです。
Top10のデュオ/グループ枠
2016 | 3 |
2017 | 4 |
2018 | 1 |
2019 | 1 |
2020 | 1 |
2021 | 1 |
(#11~20)
ここまで来るとジャンルの多様化も見られて、いい気分になれます。まず先述のBTS。自分はARMY(BTSファンの総称)ではありませんが、BTS関連の快挙ニュースを見聞きするとよく嬉しい気持ちになります。Top10に入れなかったのはチャートに多様性を求める立場からも残念ですが、11位でも大健闘!
そして英ロック・バンド、グラス・アニマルズ!!今更ですが今年の年間チャートで一番うれしかったことはロックが復活したことです(去年は全体でゼロ!)。Top10入りが遅かったので順位は微妙だろうな~と思ってましたが、意外にもTop20入りできました!意外意外うるさいですが、意外!という感覚が興奮を呼んで印象を深めるので、いちいち感想に書いてしまうのです。…まあとにかく、ロックの復活に乾杯!!!
カントリー界からは18位にルーク・コムズがランクイン。Forever After All はロングランでしたね~。去年の11月頃、週間チャート2位に初登場したのち急下降してずっと下位にいた曲でしたが、今年に入ってからだんだん力をつけてきて、最終的に12位まで再浮上しました。それだけでも十分ロングヒット性は伝わるでしょうが、12位からピークアウトした後もけっこう長く上位をキープできていたので、年間チャートTop20入りは妥当中の妥当です。Forever After All は感動の名曲で大好きなので、これまた良かったことの一つになりました。
…ここまで書いてきて気づいた。全部レビューしてたら流石に言葉が尽きる!
同じような言葉をひたすら繰り返すことになりそうです。
結局自分が最も興味を持っているのは「ジャンル」とか「形態」の分析かもしれない…と思ってしまったので、レビューはほどほどに切り上げて、以前からやっていたそういうことを今度記事にしたいと思います。
2021 年間チャート(US)ジャンルの傾向分析、みたいな感じで。タイトル、硬いからプレッシャーかな?
…以下、今度こそ「簡単に」レビュー。
(#21~#50)
> ドレイクが3曲もランクイン!波乱を巻き起こしたニュー・アルバム『サーティファイド・ラヴァ―・ボーイ』のリリースはかなり最近の方ですし、それより前に単発でリリースした3曲もすぐにチャート上位から消えていたので、違和感があります。今年はドレイクの年ではない!とは決して言えませんが、他のヒット曲にこんなにも勝つか…?と思いました。言い換えると、ドレイクより上はもっとあったのでは?ということです。
> 週間チャートでTop20入りはしたものの、すぐに圏外に出てしまった曲が年間チャートでは上位のケースが目立ちます。マシン・ガン・ケリー × ブラックベアー my ex's best friend (Top20滞在週:1週)、リル・ベイビー On Me (2週)、テイト・マクレー You Broke Me First (3週)、マネーバッグ・ヨー Wockesha (1週)。これらは週間チャートの最高位こそ低めですが、Top20圏外で粘り強くランクインし続けた結果ここでいい成績が出た曲ですね。
> 上に関連して、今年も週間チャートTop20入りを果たさずにここでTop50入りした曲がありました!カリ・ウチスの Telepatia です(最高25位)。このトピックでは2018年と2019年に連続でこれを達成したダン+シェイが有名ですが、たぶんこの「有名」は自分の中だけでです。
(#51~#100)
> 米ロック・トリオ、AJRの Bang! がTop50落ち!!!集計期間割れがあったとはいえ週間チャートでTop10入りしましたし、ピークは今年です。上から順にまだかまだかとこの曲を探していましたが、Top50にも入れないんですね…。細かいことだけど、AJRが好きなのでこれは不満!
> 去年は見逃しましたが、地味にクリスマス・ソング入ってますよね…。その年に売れた曲をランク付けするという年間チャートの定義の下では、クリスマス・ソングはあまりにもテンポラリーなヒットなので、ランクインは不適切と言わざるを得ません。一年を通して大ヒットした曲の中に交ざるのは違和感があります。チャート・マニアとして特に年間チャートは100位までじっくり見るので、こういうものは集計から除外してほしいと本気で思っています。
> キース・アーバンの One Too Many with P!NK、週間チャート最高位52位にして年間チャートにランクイン!!最高位51位以下の曲がランクインするのは初めて見ました。年間チャートにランクインした曲の中では、少なくとも今年は最低の最高位ですし、ここ数年でも最低なんじゃないでしょうか。もちろん知っている曲で、いろいろあって例外的に下位で超ロング・ヒットしていました。聴くたびに気持ちよくなるこの曲、年間チャートで伝説を作ったかもしれないと思うと嬉しいし、かっこいいです。 …キースさん、清々しい曲のスタイル、本当に変わりませんよね。