オコジョ、チャート・レビュー

洋楽チャートの感想や予想を長々と述べます。速報性はありません。

チャート・レビュー UKチャート 2023年3月30日付

2023-03-26 | チャート・レビュー (UK)

 

・・・・・・。

UKチャート・レビュー、2月で終わりにするとしていたのですが、

ちょっときりが悪かったのと、

もう一回くらいやれそうだったので、勝手に適当にやることにしました。

今回で最後にします...。今度こそ。

 


 

(集計期間:2023年3月17日~3月23日)

  title artist  
1 Flowers Miley Cyrus Fe
2 Miracle Calvin Harris, Ellie Goulding Ma
3 Die For You The Weeknd Ma
4 Calm Down Rema, Selena Gomez Ma
5 People Libianca Fe
6 Ceilings Lizzy Mcalpine Fe
7 Boy's A Liar Pt. 2 Pinkpantheress, Ice Spice Fe
8 As It Was Harry Styles Ma
9 Us Against The World STRANDZ Ma
10 Creepin' Metro Boomin, The Weeknd, 21 Savage Ma

 

 右の欄はそれぞれの楽曲のメイン・アーティストの性別です。Fe = 女性、Ma = 男性で、今週はデュオやグループはいませんでした。Top20全体で見て、男女比は偏りがなくて良かったですね。🚻

 

(コメント)

#1> 全英1位はなんと10週目!!去年もハリー・スタイルズの "As It Was" が全英1位10週を記録したので久しぶりではありませんが、1年に1曲いくかどうかの大記録です。この "Flowers" を収録したマイリーさんの最新アルバム『エンドレス・サマー・バケーション』(2023) も、つい最近全英アルバム・チャート1位を獲得しました。まさに主人公ですね。大物アーティストの動きが静かな時期であることもあり、個人的にも好きな "Flowers" の独走に歯止めがかかりません。🌹

 

#2> カルヴィン・ハリス!定期的にUKチャート上位に表れる大人気DJ!ヒット曲の数は数えきれないレベルです。ちょっと意外だったのは、この人はまさに「旬」のアーティストをゲストに迎えて新曲を大ヒットさせる人なのですが、今回のコラボ相手、エリー・ゴールディングは10年以上前から売れてるアーティストで、最近特に大ヒットした人というわけでもないということで、今回の大ヒットはちょっと性質が違うかもしれません。よくわかりませんが。

 

#3> "Die For You"、アリアナ・グランデをリミックス・ゲストに迎えた新バージョンのリリースが功を奏して全英チャート3位まで上昇し、Top3に入りました。リミックスの発表前は同曲はTop20にすら入っていなくて、ここ数週間で急上昇した感じです。ウィークエンドは最近地元カナダの音楽賞「ジュノー賞」で、主要賞を総なめしていましたね。⭐

 

#4> ロング・ヒット中のレマ "Calm Down feat. セレーナ・ゴメス(リミックス)" が4位にまで!!去年はほどほどのヒットで終わりそうだな~と思っていましたが、年が明けてからチャートをどんどん上がってきて、もう4位です。全米チャートでもTop10入りしていて、アメリカではウィズキッドの "Essence feat. ジャスティン・ビーバー & テムズ(リミックス)"、イギリスではファイアボーイDMLの "Peru with エド・シーラン(リミックス)" 以来のアフロビート・ソングTop10入り。なお、今週5位のリビアンカ "People" もアフロビート・ソングなので、2つ上位に並びました。💺

 

#6> UKチャートを運営しているオフィシャル・チャート・カンパニーによると、読み方は分かりませんが今週6位の Lizzy Mcalpine さんはアメリカの女性シンガーで、この "Ceilings" でメジャー・デビューです。少し前に一聴しましたが、よくあるポップ・ソングには聴こえず、ちょっと特殊な音楽の印象。あと、アメリカ出身なのにイギリスでより早く大ヒットしているのも気になります。アメリカでもチャートを上昇してはいるのですが、なぜか他国でのヒットに引っ張られているような感覚で。

 

#7> 落ちたー...。先週まで2位をキープしていて、"Flowers" から首位を奪おうと奮闘していたのですが、今週ついにピーク・アウトして7位まで下落です。うーん...1位までいってほしかったけど...。Top10滞在週もまだ7週くらいなので、このままどんどん下落していってほしくないです。"Boy's A Liar" はちょっと力が抜けるような音楽が特徴的で良くて、アイス・スパイスのラップもなめらかで聴きやすくて素晴らしいのに。

 

#9> STRANDZ さんはラッパーでしょうか?この "Us Against The World" は全面ラップ・ソングでしたが、ビートが何より毒々しいものでした。最初にサンプリングっぽい歌唱の音声を流して、そこから本格的に中毒性あるビートでラップを始める構成は、THE名曲って感じ。なのに、尺は2分ちょっとしかない曲で、すぐに終わってしまうので、これがストリーミング時代か...と改めて感じた次第です。

 

#10> おそらくもうピークは過ぎましたが、"Creepin' feat. ザ・ウィークエンド & 21サヴェージ" はメトロ・ブーミン初のUKTop10ヒットで、全英7位を記録しています。個人的にはそんなにはまっていない曲なのですが、21サヴェージがためて満を持して出てくる感じが好きですね。あと、握手した相手が全身燃えるシングルのカバー・アートも面白いです。...いや、面白いはダメかな?怖い...って言うべき?でも、面白いし...。

 

  title artist  
11 All Of The Girls You Loved Before Taylor Swift Fe
12 Red Flags Mimi Webb Fe
13 Green Green Grass George Ezra Ma
14 Escapism Raye, 070 Shake Fe
15 Energy Digga D Ma
16 Kill Bill SZA Fe
17 If We Ever Break Up Mae Stephens Fe
18 Anti-Hero Taylor Swift Fe
19 Trustfall P!nk Fe
20 Heaven Niall Horan Ma

 

 知らない曲多いので、手軽に...。

 

(コメント)

#11> テイラー・スウィフトの曲が11位に初登場! "All Of The Girls You Loved Before" は7thアルバム『ラヴァ―』(2019) 制作の際に本編に入れられなかった当時の未発表曲で、テイラーさんはこの曲の他にも同時に何曲か未発表曲を出しています。たった4年前のはずなのに、4年間でたくさんの新作が出ているがゆえ『ラヴァ―』の時代を早くも懐かしく感じてしまいます。

 

#12> Top20をジャンルを意識して見てみると、ポップ・ミュージックがかなり強いです。ウィークエンドやレイなどR&Bアーティストも多い(先週までミゲルもいた)のですが、特に#11~#20はポップ・アーティストが多め。今週12位の Mimi Webb さんや17位のティーンエイジャー Mae Stephens さんは特に勢いのある若手です。前者は2021年にブレイクした方ですが、調べたらシングルは必ずチャートインするレベルの人気でした。

 

#13> 同曲は、今週8位のハリー・スタイルズ "As It Was" と同じように、去年の中盤に大ブレイクした曲がまだTop20に残っていて超ロング・ヒットしている例です。陽気な文脈で歌われる「俺が死んだ暁にはパーティーを開いてくれ」という歌詞もクレイジーで楽しいです(女性のセリフということになっていますが、歌っているのは低い声のジョージ・エズラなのでかっこよく聞こえる...)。どうにかして日本でも広まらないでしょうか...。

 

#16> 怖っ!!!甘い声でめっちゃ怖いこと言ってました...。"Kill Bill" は『キル・ビル』という有名映画のオマージュということで、「元カレを殺しちゃうかも、最善策ではないけど」「一人でいるより、刑務所にいた方がマシ」などと恐ろしく失恋に苦しむ女性が曲では描かれています。最終的には「元カレをたった今殺しちゃった」「一人でいるより、地獄にいた方がマシ」と、殺人を決行してしまっていて、えええ!?...って感じ...。映画を知っている人だったら、より楽しめる曲なのかもしれません。🚓

 

#18> "Anti-Hero" も結局はそんなにはまらなかったのですが、ドラえもんのタイムマシンの空間みたいな、時間という概念が歪んでいるようなちょっと不気味な雰囲気がいいですね。それこそ、テイラー・スウィフトがリリースに際して発言していた「真夜中は不安や恐怖の感情が露呈する」という夜の12時の不気味さを再現しているということなのかもしれません。🕛

 

#19> 永遠のポップ・スター、P!NK の新章!さすがにそろそろ...とは前も思ったのですが、まったく衰えませんね。思えば前作『ハーツ・トゥ・ビー・ヒューマン』(2019) からも "Walk Me Home" というシングルが全英Top10入りの大ヒットになっていて、出身はアメリカなのに人気の安定度がすごいです。アメリカ発のスターでイギリスで長期的に大成功しているアーティストといえばザ・キラーズがいますが、ソロ・アーティストではP!NKが確実にナンバーワンでしょう。🏡

 

#20> ナイル・ホーランがちょっと久しぶりに帰ってきた!前作『ハートブレイク・ウェザー』(2020) の "Nice To Meet Ya" らにみられたアコースティック・スタイルを継承した新曲です。1stアルバム『フリッカー』(2017) からも "Slow Hands" というアコースティック・ポップ・ソングが大ヒットしたので、かなり相性はいいと思われ、5月(確か)発売のニュー・アルバムリリース時のチャート・アクションにも注目です。🎸

 


 

シザの "Kill Bill" のところで書いたことに関連。

映画を元ネタにして書かれた曲がヒットしたとき、自分はその元ネタを知らない可能性がすごく高い。

2018年のリル・ディッキーの "Freaky Friday feat. クリス・ブラウン" の元ネタ映画『フリーキーフライデー』もまったく知らなかった。

改めて、自分はエンタメを知らないんだな、と...。

🐻 UKチャート・レビューは以上です!一行でも読んでくださった方、ありがとうございました! 🐻

 



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