オコジョ、チャート・レビュー

洋楽チャートの感想や予想を長々と述べます。速報性はありません。

チャート・レビュー UKチャート 2024年1月11日付

2024-01-08 | チャート・レビュー (UK)

若さについて考えてみる。

最近デビューしている人たちは、みんな若いのか?遅咲きはいないのか?と。

ポップス系ミュージシャンやラッパーは10~20代で若くして売れる人が多いのに対して、

カントリー・シンガーは若手といっても20代半ば~後半あたりの人であることが多い。

まあ、必ずしもフレッシュさが強みになるジャンルではないからな...。😑 



...あけましておめでとうございます!🎍

新年1発目のUKチャート!

先週まで上位を独占していたホリデー・ソングが一掃されるので、毎年恒例ですが激変が起こります!どういった結果になるか、ですね...!

(集計期間:2023年12月29日~2024年1月4日)

(表貼り付け機能なくなった~っ...!)

(コメント)

#1> まず、ノア・カハンが "Stick Season" で自身初の1位獲得!おめでとうございます!ホリデー・ソングがTop10のほとんどを占めるなか、"Stick Season" だけは非ホリデー・ソングとしてTop10を守り続けられていたので、新年1発目の1位が同曲になるのは分かっていたことではあったのですが、他の曲に越されることなく無事に1位をとれて、よかったです。フォーク調の音楽で1年半ほど前にブレイクした彼ですが、彼はまだまだ絶頂が見えません。同曲はイギリスではそこまで大ヒットしなかった "Dial Drunk"(これを嘆くネットユーザーが意外と多い)に続くヒット曲ですが、現在 "Northern Attitude" という1年半前のシングルと、"You're Gonna Go Far" という曲も積極的にチャートを昇っていて、彼はここ半年で一気にヒット・メイカーに成り上っています。他にもたくさんの曲がこれまでにランクインしていて、もはや数えきれないですね。宣言しておくと、この "Stick Season" がピークになるとは限らない人です。恐るべし!🍺

#2> 続いてジャック・ハーロウの "Lovin On Me" が2位!ホリデー・ソングが上位を独占する(このブログでは「クリスマス・フィーバーが起こる」と表現しています)前に3週間1位を獲得した曲で、ノア・カハンには抜かされたものの勢いは維持しています。ジャック・ハーロウは去年サード・アルバム『ジャックマン。』をサプライズでリリースしていたのですが、プロモーションが一切なかったこともあってチャートの成績はこれまでと比べ全然でした。なので、最新アルバムがいまいちだった人、みたいな悪いレッテルを無意識に貼ってしまっていて、でもだからこそ "Lovin On Me" の1位はインパクトがあって、強いな~と思いましたね。今年に入ってからも2位で勢いが続いているので、2年前の "First Class"(全英最高2位)を上回るヒットになっているのは間違いありません。この人も、不確定要素が多くてピークが読めないです。🚁

#3> DJ、Casso の "Prada with レイ & Dブロック・ヨーロッパ" が3位!これは驚いた!確かにクリスマス・フィーバーが起こる直前のチャートでも3位だったのですが、12月は水面下でどんどん他の非ホリデー・ソングに抜かされていて、本当だったら今週はTop10にも入れていなかったと思います。いわゆる「年末効果」ですね...去年か一昨年も同じようなことを主張していた気がするのですが、視聴者は年末に2023年にイギリスで大ヒットした曲を思い出し、再聴することがあるようです。もちろん自分も分かります、テレビやラジオで音楽特番がやってたり、Spotify とかで「今年のヒット曲」みたいなプレイリストがありそうですからね。ちなみにこの "Prada" はDブロック・ヨーロッパとレイの2年前のコラボ曲 "Ferrari Horses" を Casso がEDM風にリミックスしたもので、何となく原曲も聴いてみたのですが、レイさんが "I want Prada~" と歌う "Prada" のサビは原曲ではサビじゃなかったですね。1度しか歌われていないところを Casso さんが「ここは使える」としてサビにしたセンスが、すごいということが分かりました。👛

#4> テイト・マクレーの "Greedy" も粘り強い!Top10入りから3か月、これまでの最高位は3位にしてまだ最高位更新を狙える位置にいます。セカンド・アルバム『シンク・レイター』が昨年12月にリリースされましたが、同アルバムは全英5位で自身初の全英Top5入りを達成。シングルも、"Greedy" に続き "Exes" が現在チャートを上昇中です。どうでもいい感想ですが、テイトさんはアルバムのタイトルについて「とりあえず行動してみて、考えるのは後。今はそういうふうに生きたい」から "Think Later" というタイトルにしたと語っていて、素敵だな~とか思っていました。自分はそういうの、無理そうだな、とも...。😓 

#5> 5位の "Cruel Summer" も年末効果かと思われます。昨年の下半期に世界中で大ヒットしたテイラー・スウィフトの曲で、社会現象にもなっている彼女の大規模ツアー【The Eras Tour】の大成功を象徴する曲でもありますね。今年2月には日本にも来るそうですが、日本でも何か「音楽好き」の枠を超えるような、(ニュースになる)大事になったら面白いな~と思います。会場周辺が歴史的な大混雑になる、みたいな。🕶

#6> デュア・リパの "Houdini"、ようやく聴いてみた!2020年の前作『フューチャー・ノスタルジア』のディスコ感を引き継いでいて、だけどちょっとセンス系の楽曲にもなってる感じ(語彙力!)。デュアさんは、私はデビュー時から "New Rules"、"IDGAF" といったヒット曲でその頃の音楽を知ってはいたものの、『フューチャー・ノスタルジア』からの先行シングル "Don't Start Now" で一気にEDM~ディスコ風の音楽になったときは、思えば全然驚いてませんでしたね。デビュー時は「ダーク・ポップ」とか言われるちょっと落ち着いた感じのポップ・ミュージックで、ディスコに移行してからもあくまで声はハイになりきらず、落ち着いていたからかもしれません。思い出して、確かに声は強く張ってないよな、と思いました。🌗

#8> 外国のメディアでちょっとしたニュースになっていたのが、今週8位の Sophie Ellis-Bextor(ソフィー・エリス・ベクスター)"Murder On The Dancefloor"。知らなかったので調べたところ、同曲は2001年に欧州を中心に大ヒットしたディスコ・ソングのようで、当時は全英2位まで上昇していたそう。今回8位にリエントリーしたのは、同曲が使用された映画『Saltburn』が12月下旬に Amazon Prime で解禁されたからで、映画の印象的なシーンで使われたことが話題になっているみたいです。さすがに2年前の『ストレンジャーシングス』パターンを思い出しますね...同様のケースで昔のヒット曲がいくつかバズりました。映画『Saltburn』では、英国で不動の人気を誇るザ・キラーズのヒット曲 "Mr. Brightside" も使われているらしく、映画公開の効果で同曲も今週UKチャートでTop40入りしています。この効果は一発で終わるのか、はたまた年中続くのか、動向が気になりますね。🎬

#10> 今週のTop10で一番好きなのがこれ!ドレイクの "Rich Baby Daddy feat. セクシー・レッド & シザ" で、振り返ってみたら同曲はまだTop10入りしてませんでした!意外!フィメール・ラッパーのセクシー・レッドは初めて聴きましたが、疾走感というか、圧があるサビがいいですね。何回も繰り返される。そんな中で挿入されるシザさんの落ち着きつつもどんどん感情が入っていくボーカルも良いです。最後、ドレイクさんがアウトロでエモーショナルに歌っている部分、"Dog days are over" というフレーズを繰り返していたのでどういう意味か調べてみたところ、「沈滞期は終わった」という意味っぽいです。フローレンス・アンド・ザ・マシーンにも同名の楽曲があるようですが、かっこいいフレーズですね。💰

11位以下
> 先述した年末効果らしきリエントリーがいくつかあったのと、ザック・ブライアンの "I Remember Everything feat. ケイシー・マスグレイヴス" が16位にまで来てるのが気になりました。ちょっと前まではイギリスのチャートでカントリー・ソングがヒットするなんてありえないことで、2021年にギャビー・バレットの "I Hope feat. チャーリー・プース( Remix )" が一瞬ランクインしたのが奇跡だったのに、去年は3曲もカントリー・ソングがヒットしていて、そのうちの1曲である同曲はTop20入りまでしています。思えばザックさんは2022年にもUKでデビュー曲 "Something In The Orange" をヒットさせていて、自分はそのときも驚いていました。イギリスにおいて、彼がカントリー・ブームの先駆者となっている可能性は高いです。

アルバム・チャート・レビュー(一瞬)
> ルイス・キャパルディのセカンド・アルバム『ブロークン・バイ・デザイア・トゥ・ビー・ヘヴンリー・セント』(2023) が、デラックス盤のリリース効果で1位に浮上しました。感情のこもった悲しいポップ・ソングのスタイルをしっかり維持していますね。また、ノア・カハンの1年半前のアルバム『スティック・シーズン』が同名曲のヒットを受けてチャートを上昇し、今週は5位へとその最高位を更新しました。これもまあ、いちいち言わなくても、というところはありますが異例です。UKアルバム・チャートは上がって最高位更新、というものではない(基本、1週目が最高位)ので、不思議さが少しありますね。以上、2024年第1週のUKチャート・レビューでした。



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