UKチャート・レビュー、復活させます!!
...規模を縮小して、復活させます!!
チャート・レビューをメインにやっていくつもりのブログだったのに、
月末に投稿しているUSチャート・レビュー以外、それをやっていないことに今さらながら気づきました。
毎月第一週か第二週の月曜日に、軽くあげていく予定です!
チャートの集計期間:2023年9月22日 ~ 2023年9月28日
ドージャ・キャットが新アルバム『スカーレット』をリリースした週ですね。どう影響したのか...。
title | artist | genre | |
1 | Paint The Town Red | Doja Cat | R&B |
2 | Strangers | Kenya Grace | Pop |
3 | PRADA | Casso, Raye, D-Block Europe | EDM |
4 | Vampire | Olivia Rodrigo | Pop |
5 | Greedy | Tate Mcrae | Pop |
6 | Adore U | Fred Again | EDM |
7 | Cruel Summer | Taylor Swift | Pop |
8 | Disconnect | Becky Hill, Chase & Status | Pop |
9 | Bad Idea Right ? | Olivia Rodrigo | Pop |
10 | BADDADAN | Chase & Status, Bou, IRAH, Flowdan, Trigga, Takura | EDM |
(コメント)
#1> まず、従前より3週連続で1位を記録していた、ドージャ・キャットの "Paint The Town Red" が首位をキープ。4週目に突入しました。これに関しては、同曲を収録したニュー・アルバム『スカーレット』のリリースが同曲のストリーミングをプッシュしたことによる持ちこたえの1位だと思っていて、というのも、今週2位の "Strangers" という曲は上昇の勢いがものすごいからです。チャート下位に初登場してからわずか4週目で、もう2位まで上がってきてますからね...、無名アーティストのシングルですが、同じ条件で見れば2019年の "Dance Monkey"(トーンズ・アンド・アイ)レベルです。つまり、アルバムのリリース効果がなければ "Paint The Town Red" の4週目はなかったと思われます。
(なぜアルバムがリリースされると収録曲のストリーミングが伸びるのかについては、この記事の第3項で長々と述べています。気になった方はどうぞ。)
#2> 読み方がまだよく分かりませんが...。Kenya Grace さん、1か月前にチャートに現れたばかりの無名アーティストで、女性ポップ・シンガーです。前述の通りものすごい勢いでUKチャートを上昇し、先週は(先々週の)12位から3位へと勢いよくTop10入りを果たしていました。無名アーティストが世界的にブレイクする場合、英語圏の主要国ではアメリカだけその波が来るのが遅いのが恒例ですが、今回は珍しくもう既に全米チャートにも登場しています。先週一聴した感じ、ちょっと脱力系?とか思ってしまいました。
#3> Casso さん。この人も読み方がまだ分からないくらいニュー・フェイスで、ネットで検索してもすぐには出てきません。新人DJなのにもかかわらず、いきなり既に有名人のレイさんやDブロック・ヨーロッパとコラボできているのも謎です。というか、ラップ・デュオであるDブロック・ヨーロッパがダンス・ミュージックに参加しているのは初めてみましたね...。意外な組み合わせでした。
#4> オリヴィア・ロドリゴの "Vampire" は、アルバムのリリース効果で先々週2位まで上昇し、先週も2位を維持していましたが、リリース効果が落ち着いて今週は4位にダウンしました。個人的に、最近よく頭の中でループしている曲です(特に朝)。"drivers license" もそうですが、オリヴィア・ロドリゴはバラードが比較的好きですね。🦇
#5> テイト・マクレー、3発目なるか...?今年はティエストとのコラボ "10 : 35" が全英8位の大ヒットになりましたが、自身のタイトル曲としては今年はまだヒットが出ていません。まだ聴いていませんが、この "Greedy" がヒットすれば、彼女は3年連続でシングルをヒットさせられていることになります。テイトさんは流行を作る大スターではないかもしれませんが、ビリー・アイリッシュやオリヴィア・ロドリゴが記録を樹立するレベルで大成功する中、最もちょうどいい具合に売れている人かもしれません。ポップ・シーンも二極化しつつある...というかもう既にそうなっている気がするので、中間にいる人の存在はとても重要です。
#6> 今週のTop10において個人的に一番気になっている曲です。フレッド・アゲインはイギリスのDJで、スクリレックスとコラボした等のニュースで少し前から名前は知っていたのですが、曲を聴いたのは初めてでしたね。直感的なことを言うと、名声あるDJやプロデューサーがゲストなしでヒットさせた曲はみんな一味違って面白い!"Adore U" も面白いです!どこの国だったかは忘れましたが、1位を獲得している国もありました。イギリスでもTop3はいってほしいですね。
#7> テイラー・スウィフトの、『ラヴァー』(2019) 収録最新シングル!先月は全英2位まで上昇していましたね。同曲は2020年の夏に同アルバムからシングル・カットされる予定の曲だったのですが、パンデミックの影響でそれはキャンセルされました。"Cruel Summer" は「残酷な夏」という意味で、曲は恋愛関連の内容ではありましたがご時世がご時世だっただけにそのタイトルをプロモーションするのはどうなのか、とレーベルが踏みとどまったみたいです。ただ、パンデミックが明けて数年経った今、テイラー・スウィフトが超久しぶりにツアーを開始し、『ラヴァー』収録曲をツアーで初披露し始めたことで、収録曲のストリーミングが再上昇しました。"Cruel Summer" はその中でも特にライブ受けが良く、ヒット・チャートにプロモーション無しで浮上するほどストリーミングが人気だったため、テイラー・スウィフトやレーベルは同曲を3年ぶりに最新シングルとして復活させるか協議したそうです。そしてその結果、シングル化が決定し、その瞬間からストリーミングはさらに急増。勢いのままに全英2位まで上がってきたかたちです。なかなか珍しい現象ですが、テイラー・スウィフトはツアー・新作関連の諸々が(特に北米で)もはや社会現象化しているので、この曲のヒットは数年後にその流行を思い出させてくれる印になるかもしれません。
#8> 今週10位にもランクインしていますが、ゲストの Chase & Status(チェイス & ステータス)は調べたらけっこうキャリアのあるDJデュオでした。ベッキー・ヒルさんのアルバム・デビューは2021年ですが、チェイス & ステータスはその10年以上前にデビューしています。疾走感のあるダンス・トラック "Disconnect"、これまでの最高位6位はもう超えないと思いますが、しっかり上位を維持できていますね。ちなみに私は "Disconnect" といえばファイブ・セカンズ・オブ・サマーの "Disconnected" という曲を思い出します。どちらも、パンデミック下ではとても推せなそうですけどね。🔌
> 最後に、アルバム・チャートを一瞬レビュー...。カイリー・ミノーグさんの『テンション』が初登場1位でした。てっきり首位はドージャ・キャットさんかと思っていましたが、まさかの5位でしたね。一昔前にディスコ・ブームを巻き起こしたというカイリーさんは確かにUKでは最強のイメージですし、今回は先行シングル("Padam Padam") も大ヒットしていました。また、一つ上の4位にはイギリスで人気上昇中のUKラッパー、ヒ―ディー・ワン氏の新作『Strength To Strength』が初登場しています。やはり地元、というのはチャートでは大きいんですね...。ただ、オリヴィア・ロドリゴは新作『ガッツ』で1位をとれていたので、ジャンルもあるかもしれません。ともかく、ちょっとびっくりでした。
今年も結局、下半期にドレイクとテイラー・スウィフト。
冷めた言い方してしまっていますが、チャートのファンとしてはマンネリ化は好きではありません。
単刀直入に言うと、両者に荒らされるチャートを見るのはもう飽きました...。
本当に、そろそろアメリカもスリー・ソングス・ルールを導入してくれないでしょうか。
🦆 最後、ちょっと苦情でしたが、以上です!読んでくださった方ありがとうございました! 🦆