二つの東海道五拾三次
保永堂版と丸清版

これは、是非とも観たかった展覧会です。
他にも会期終了が迫った美術展が色々あったし、
吉和は遠いので後回しにしていたのですが、
雪が降る前に、何とか来ることができました。
(遠いと思っていましたが、実際は家から48km、
よく行く、深入山辺りまでの距離でした。)
美しい吉和の里です。

遅めの出発だったので、先に食事にします。
ウッドワン美術館に隣接したクヴェーレ吉和。
そこの「レストラン・めがひら」で、
入場券とセットになった、展覧会コラボランチセットを頂きます。
「江戸前御膳」

御膳の敷き紙は広重の絵。器を除けてみました。

この後で行った美術館の説明文にあったのですが、
これは、東海道五拾三次の35番目の御油宿(ごゆしゅく)。
現在の愛知県豊川市御油町。
「留め女」と呼ばれる、旅籠の女中が、
旅人らを無理矢理引きずり込もうとしているさまが、
ユーモラスに描かれています。

* * *
さて、目的の「歌川広重」展。
モネやゴッホにも影響を与えた浮世絵師・歌川広重(1797-1858)。
数ある東海道シリーズの中から、
最もポピュラーで最初の作品とされる、「保永堂版」55点と、
16年後に制作した、現存数が少なく幻といわれる「丸清版」55点が一堂に展示され、
二つの《東海道五拾三次》を比べて観賞できる、
贅沢な内容となっています。
日本橋
上が保永堂版、下が丸清版。
お江戸の活気が伝わってきます。

三条大橋
上が保永堂版、下が丸清版。
京都の女性はお洒落ですね。
被衣(かずき)と呼ばれる衣装で顔を隠して歩く、
貴族らしき女性の姿も見えます。

人々の暮らしぶりや表情など、細かいところまで見られ、
浮世絵のすばらしさに魅了されました。
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