前田氏はこの日、都内で映画の試写会に出席後、取材に応じた。「明日の会見で事実を包み隠さず話してやりますよ」。持ち前の渋い声でそう前置きした後、明日まで待てないと言わんばかりに、1時間以上にわたり民主党批判を展開した。
民主党は昨年12月末、今夏の参院選の候補内定者の1人として前田氏を発表。だが、今月3日の第1次公認発表では、内定者11人中1人だけ公認されなかった。前田氏は2月下旬、民主党の松木謙公衆院議員(51)を通じ、小沢幹事長に対して出馬辞退を申し出たという。
辞退の理由については、鳩山内閣が推進する永住外国人への地方参政権付与法案に反対の姿勢を示した前田氏と民主党の間で認識の違いがあったことを挙げた。同法案について、民主党内でも反対派は少なくないが「選挙の応援演説のときにガンガンしゃべったけど『選挙にさしさわるのでやめて』って怒られた。ありえない話」とまくしたてた。
また、内定当初に約束されていた、選挙活動時の党からの資金援助を取りやめられたことも挙げた。
「選挙で全国をまわるには2~3億円かかる。党から出してくれるって言われていたのに、最初の話と全く違うんだよ」と怒りをあらわにした。
小沢幹事長は、前田氏の公認見送りについて、今月3日の定例会見で「前田なにがしにつきましては、いろいろ本人の認識のことやら何やらありましたので、今回は見送り」と説明。その後も「選挙を進めるにあたって、お互いの認識が若干違っていた」とも語っていた。前田氏は「小沢さんと会ったのは2回。どちらもたった3分くらい。今後、もう民主党から政界に出ることはないと思う」と鋭い目で話した。
それでも、今夏の参院選への出馬断念は明言しなかった。他党からの出馬打診については「いまのところ、話はまだない」。親交が深い鈴木宗男代表(62)の新党大地との連携には「いいけど、民主党と手をつないでる人たちとはどうなのかな」と難色を示した。
24日に都内で会見を開き、同党との確執など出馬辞退に至った真相を語る。