菅政権が野党のたちあがれ日本に連立参加を非公式に打診していることが24日、明らかになった。
民主党の岡田克也幹事長が22日、たちあがれの平沼赳夫代表、与謝野馨共同代表と東京都内のホテルで会談し、菅直人首相の意向として伝えた。
たちあがれが受け入れれば、首相は年内にも内閣改造に踏み切る考えで、平沼氏が国家公安委員長兼拉致問題担当相として入閣する案などが検討されている。ただ、たちあがれ内に反対論もあり、両党間の調整が続いている。
首相は24日夜、内閣記者会のインタビューで「いろんな方といろんな形で意見交換しているが、現時点で、正式に何かを申し入れた形になっているとは承知していない」と述べ、非公式に連携を働きかけていることを示唆した。秋の臨時国会で野党が参院の多数を占める「ねじれ」に苦しんだのを受け、安定した政権運営に取り組める体制づくりについて「通常国会が始まる前にできればありがたい」とも述べた。
たちあがれは27日に両院議員総会を開いて対応を協議する予定。同党の藤井孝男参院代表は24日夜、毎日新聞の取材に「我が党は筋を通すと言ってきた政党だ。大義名分がないまま連立はあり得ない」と語った。
たちあがれ所属議員は衆院3人、参院3人で、連立に参加しても、野党が参院で過半数を占める「ねじれ」の解消にはつながらないが、与謝野氏は「大連立」論者として知られ、首相は自民党との連携へ向け橋渡し役を期待しているとみられる。
参院で否決された法案を衆院で再可決できる3分の2(欠員と議長を除くと319議席)に現在の与党は8議席足りないが、たちあがれが加わり、衆院で6議席の社民党が協力すれば再可決が可能となる。
首相は11月18日夜、首相公邸で与謝野氏と会談。与謝野氏は消費税引き上げによる財政再建を唱えており、首相は12月24日のインタビューで「主要な野党からもそういう議論をすべきだと(の主張がある)。年明けの段階で、未来に向かっての方向性を示していきたい」と与野党協議の実現に意欲を示した。