脚本・制作・監督:ウベルト・パゾリーニ
出演:エディ・マーサン、ジョアンヌ・フロガット、カレン・ドルーリー、アンドリュー・バカン
ストーリー:公務員のジョン・メイ(エディ・マーサン)は、ロンドン南部ケニントン地区で亡くなった身寄りのない人々の葬儀を執り行う仕事をしている。いくらでも事務的に処理できる仕事だが、律儀な彼は常に死者に敬意を持って接し、亡くなった人々の身内を捜すなど力を尽くしていた。糸口が全て途切れたときに初めて葬儀を手配し、礼を尽くして彼らを見送ってきたが……。
ひとりで亡くなった人の葬儀を行う仕事について書かれた新聞記事から着想
同じことを繰り返す単調な毎日を几帳面に過ごしていた。彼の顔に笑顔はなく、表情の変化もなく、淡々と仕事をすすめていた。しかしこの仕事に対して、ジョン・メイには彼なりの作法があった。その人にあった葬儀の曲を選び、部屋の様子から知りうる情報を集めて弔辞を書くということだった。
今まで言葉を交わすこともなく窓から見ていただけ
主人公のジョン・メイはロンドン市の民生係。ひとりきりで亡くなった方の元を訪れ、家族や親戚がいないかどうか探し、どうしても身寄りが誰もいない場合には、彼自身がひとりで弔うという仕事です。仕事の枠を超えてでも、死者に敬意を持って弔おうとする彼の姿
心を込めて送ろう
それぞれの最期にふさわしい葬儀を考え、きちんと弔う
地味な生活や性格を反映するように
普通の人の人生ってのも、地味なのだ
原題「Still Life」と思うと
生活や人生は静かなんだから「地味」でもあると思う
ジョン・メイは家族や親せきに渡すことができなかった、亡くなった本人の写真を捨てることができず
自らのアルバムに貼って残して
その方の若かりし頃の写真に
溢れんばかりの感情や時代の空気が映し出されてて
人は 生まれ、その人の人生を生き、喜び、怒り、哀しみ、楽しみ、そして死んでゆくのだなぁ・・・
と実感してしまった。
たくさんの仲間や家族に囲まれて生きていた時期
その人の人生に思いを馳せる
ジョン・メイは敬意を持って死者を弔いたいと・・・
実に地味で目立たない仕事の日常
ジョン・メイの静かな日常
死を描いているような、そういうアプローチも
逆に、リアルに生が浮き彫りになっている