シューティングスポーツとして確立されたマッチという競技は、ラビフィーにとって実に興味深い
ものだった。
だだっ広い敷地を土山で区切りったステージには、障害物や机などが置かれ準備万端。
実弾での試合だけに、安全を確保するルールはキビシイよ。
最初に署名するのも、そのひとつなんだって。
試合に名を連ねたシューターたちは、ジャッジするレンジオフィサーが待機しているステージを
ジブンのペースで回っていく。
すべてのステージを確認して、カンタンと思われるステージからスタートしても良いし、ヒトが
少ないところから回って行ってもヨシ。
撃ち方の順番はないけど、それぞれにルールが決められていて説明を受けたら戦法を組み立てる。
それらの時間は、どれだけ掛けても構わないんだって。
参加者全員が、ほぼ同じ条件の下、、より速くステージクリアを目指す競技である。
どのステージを見ても、その難易度を理解するにはムズカシイ。。。
でもさ、シューターたちの緊張感がもれなく伝わってきて、ラビフィーを身震いさせるんだ。
ミミにはモチロン耳栓をしていたけど、空に響く銃声と空気や地面が伝える振動がカラダに
響く。
真っ青な空と向こうに見える山、未開の土に生えた雑草が風に揺れる景色が、やたらのどかに
思えてミスマッチに感じていた。
初めて見るステージと障害物の少なさに初心兎にはカンタンそうに見えるのだが、シューター
たちはみんな真剣そのものだ。
他者のマッチを見ながらもアタマの中で、こう撃って、ああやって・・・とシュミレーションしながら
自分の番を待っている。
撃ち終わったら、レンジオフィサーと共にそのステージにいるほとんどのヒトが的を確認しに集まって
いき、タイムが発表されていくよ。
手の空いてる順番待ちの競技者は、マスキングテープで的のアナを塞ぐ・・・のが暗黙の了解。
黙々と作業しては、マッチが行われて・・・張りつめた空気の中で流れる時間だけが静かに時を
刻んでゆく。