銀河鉄道の夜PIASMこのアイテムの詳細を見る |
のち
本日、夫の四十九日法要を済ませました。実際には四十二日くらいになりますが、諸事情により、少し早く行なうことにしたのです。
夜になって雨が降り始めましたが、昼間は日差しもあり、桜がまさに満開の時に送ることができて良かったと思います。
もっとも、本人は桜があまり好きではありませんでした。その理由も、儚いから、というようなことではなく、毛虫がいるから、という甚だ非ロマンチックで情けないもので、毎年、近所の桜並木の下を歩いて花見をするたびにそんなことばかり言うのには、閉口したものです。
さて、本日紹介のDVDは、日本のアニメ映画の隠れた名作です。
LD初期のきわめて画質が悪いバージョンから、何度二人で観たか判りません。子供たちが或る程度大きくなってからは、彼らと共に鑑賞したこともあります。
そしてまた、原作『銀河鉄道の夜』や宮澤賢治についても、私たちは何度語り合ったことでしょう。しかし、もしかしてそれは、私が今この時を迎えるためだったのだろうか、などと思ったりもしてしまうのです。
夫はまた『ブレードランナー』も好きでした。それも、後にバージョン違いが何回も出ている「ディレクターズ・カット版」などでなく、オリジナル劇場公開版を好んでいました。そしてそれは、リドリー・スコット監督自身が「本意ではなかった」として全否定、全削除してしまった、エンディング近くのナレーションがあればこそだったのです。
観直している時間がないので確認していませんが、「いつまで生きられるかなどということは誰にも判らない」というような内容だったと思います。
そのこともまた、今この時、思い出さずにいられません。
願わくは、彼の乗る列車が、望んだ駅に到着していますように。