週刊『ヤングマガジン』で連載中の宮下英樹・作『センゴク天正記』、現在発売中の24号にて一旦休載。次号からは何と月刊の方で連載していた『桶狭間戦記』を週刊で連載するそうです。
播磨国上月城に尼子軍支援に赴いていた羽柴秀吉。しかし吉川元春率いる毛利軍を前に戦は膠着状態に陥り、苦渋の末、信長の指示を仰いで撤退することに。かくして尼子家は滅亡。一方ゴンベエこと仙石秀久には四千石の加増が──というところまで。
三木城攻めは連載再開後ということになります。その前には荒木村重謀叛あり(上月城攻めに於ける彼の異様な緊張の原因は何だったんでしょう?)、その際当然ながら小寺官兵衛=黒田孝高捕縛あり、そうこうしているうちに竹中半兵衛さんは亡くなるしで、秀吉も苦労の絶え間がありませんね。
このマンガの官兵衛さん、「通説」の腹黒キャラとはちょっと違って面白いです。ついでに触れておくと、山中鹿助の顔モデルって、スタローンですよね?出番あれだけとは、ちょっと勿体ない気もします。吉川元春はもしやハンニバル?と言われていましたが、仲代達矢さんにも見えるし……どうなんでしょう?
それはともかく、毛利軍との睨み合いを背景に、やがて道は本能寺へと通じて行くわけで、さすがに桶狭間と本能寺を並行して描くことは、作者としても大変だったんでしょう。最近どちらの展開もちょっと駆け足気味かな?と思っていたので、それぞれじっくり腰を据えて描いてくれるなら、その方が嬉しいです。
桶狭間の戦いでは、「英明なる大大名」「東海一の弓取り」としての今川義元の再評価にひと役買ったであろうこのマンガが、その最期をどう描いてくれるか楽しみ。
それにしても、近頃本誌で光秀さんのお顔を見ていないけれど、お元気でしょうか?この頃には丹波攻略の真っ最中でしたっけ?その間、それこそ荒木村重の有岡城攻めもあるなど、彼は彼で忙しかったけれど、その後は殆ど「近畿管領」と呼べるほど強大な権限を手にし、少し前からは実質織田家のナンバー2と言っていい地位にいたわけです。
となると、謀叛の理由も自ずと判ってくる気がしますが、これまたこのマンガでどう描かれるか、半ば胃が痛むような思いも抱えつつ、やはり楽しみでもあります。
本能寺の変の二日後に当たる(関係ない?)6月4日にはその『天正記』9巻と『桶狭間戦記』3巻と、コミックスが同時発売予定。
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