のち
宮下英樹・作『センゴク天正記』3巻から5巻にかけては、長篠の合戦が描かれています。
この戦は日本史上初めて(もしかして世界史上でも初めて?)本格的な鉄砲殲滅戦が行われたものとして知られていますが、織田軍のいわゆる「鉄砲三段撃ち」については、現在では疑問視する声が多く、作者の宮下氏も実際に現地を取材検分した上で、それは無理だと判断したそうです。
その理由も本編及び『センゴク バトル歳時記』で説明されていますが、本陣の間さえ2kmしか離れておらず、前線に到っては最短250メートルで敵と対峙するような状況、なおかつ地形が入り組んでいるため、味方がどこにいるかさえも確認もできないとあっては、狙撃手がいちいち入れ替わる形での三段撃ちなどしている余裕はなかっただろう、という結論を出すに到ったようです。
では、この作品で殲滅戦はいかに描かれているのか?これは、実際に本編をお読み下さいとしか言えません。
なお、この作品は明智光秀長篠参戦説に立って描かれており(当時の情勢を考えたら、大殿の留守中しっかり都を守ることだって重要な任務だろうと思いますが)、彼と信長、秀吉の間で行われた密議、そして秀吉の陣の配置がカギ──と言っておきます。
そして、にも関わらず、この合戦は通常言われるような織田軍の一方的勝利だったわけではなく、紙一重の戦いであったことも判りました。
長男でも正室の子でもなかった諏訪四郎こと武田勝頼が、「お屋形」ではなく「陣代(暫定的代理当主)」と呼ばれる立場であったことこそが武田軍の作戦を成り立たせる要だったという展開に唸らされます。
風林火山の旗印を掲げることも許されなかった勝頼が、自らを滅してひたすら武田家のため戦う姿には胸打たれました。他の様々な小説やドラマと較べても、勝頼がこれほどカッコよく描かれたことはなかったのでは?
また武田軍の名だたる武将たち、特に4巻に於ける山県昌景の「格好つけ」、そして5巻で殿軍(しんがり)を務める老将、馬場美濃守信春の雄姿と、勝頼への想いに目頭が熱くなりました。
宮下英樹・作『センゴク天正記』3巻から5巻にかけては、長篠の合戦が描かれています。
この戦は日本史上初めて(もしかして世界史上でも初めて?)本格的な鉄砲殲滅戦が行われたものとして知られていますが、織田軍のいわゆる「鉄砲三段撃ち」については、現在では疑問視する声が多く、作者の宮下氏も実際に現地を取材検分した上で、それは無理だと判断したそうです。
その理由も本編及び『センゴク バトル歳時記』で説明されていますが、本陣の間さえ2kmしか離れておらず、前線に到っては最短250メートルで敵と対峙するような状況、なおかつ地形が入り組んでいるため、味方がどこにいるかさえも確認もできないとあっては、狙撃手がいちいち入れ替わる形での三段撃ちなどしている余裕はなかっただろう、という結論を出すに到ったようです。
では、この作品で殲滅戦はいかに描かれているのか?これは、実際に本編をお読み下さいとしか言えません。
なお、この作品は明智光秀長篠参戦説に立って描かれており(当時の情勢を考えたら、大殿の留守中しっかり都を守ることだって重要な任務だろうと思いますが)、彼と信長、秀吉の間で行われた密議、そして秀吉の陣の配置がカギ──と言っておきます。
そして、にも関わらず、この合戦は通常言われるような織田軍の一方的勝利だったわけではなく、紙一重の戦いであったことも判りました。
長男でも正室の子でもなかった諏訪四郎こと武田勝頼が、「お屋形」ではなく「陣代(暫定的代理当主)」と呼ばれる立場であったことこそが武田軍の作戦を成り立たせる要だったという展開に唸らされます。
風林火山の旗印を掲げることも許されなかった勝頼が、自らを滅してひたすら武田家のため戦う姿には胸打たれました。他の様々な小説やドラマと較べても、勝頼がこれほどカッコよく描かれたことはなかったのでは?
また武田軍の名だたる武将たち、特に4巻に於ける山県昌景の「格好つけ」、そして5巻で殿軍(しんがり)を務める老将、馬場美濃守信春の雄姿と、勝頼への想いに目頭が熱くなりました。
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