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没後50年 藤田嗣治展

2018-08-07 21:44:16 | 美術[は]
「没後50年 藤田嗣治展」@東京都美術館

 2008年フジタ展での3メートル四方の群像大作みたいな大きな作品はなかったが、結構な数の絵画が3階建ての展示室にたっぷり。乳白色の裸婦は言うまでもなく、猫付き自画像や、緻密な風景画・静物画、人生を変えた戦争画、改宗後の宗教画など、藤田の歴史を辿る様に見て回れる。生活費を稼ぐために売った自分の絵を、後になって余裕ができてから買い戻したりしていたという藤田。どんだけ自分好きだったんだ?ってあの風貌を見ればそれも納得鴨新米。

《カフェ》
居心地の良さそうなソファで誰かに手紙を書いていた女性、ヘタこいてインクこぼしちゃって自己嫌悪、頬杖をついて眼差しは虚空を彷徨う。その後ろ、山高帽のおじさんの右側、窓の外を片足の無い男が松葉杖をついて歩み去る。

《黙示録(天国と地獄)》
やたら平和そうに祈りを捧げる人々が描かれた天国と、地獄の窯で焼かれる人々、王冠を被った野獣の王みたいなヤツ、上の口からも下の口からも人を喰らう青鬼。細かすぎて伝わりづらいアポカリプスシリーズ。もうマンガみたい。


《礼拝》
73歳でキリスト教の洗礼を受け藤田嗣治からレオナール・フジタになった後に描いた宗教画。カラフルでメルヘンチックにも見える宗教画の中に、白髪でメガネをかけたそこだけやけに写実的なフジタ自身が描かれているのを見て、森村泰昌氏のセルフポートレートやらコスプレやらを思い浮かべてしまったわけで・・・


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