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歌麿 《深川の雪》

2014-05-05 18:06:10 | 美術[は]
「再発見 歌麿 《深川の雪》」@岡田美術館


 喜多川歌麿の巨大な肉筆浮世絵を展示。昭和23年に銀座松坂屋で展示されて以来、66年ぶりの展示となるという不思議な歴史を持った浮世絵だそうで、こんなにでかいものがどこにあるのかわからないというのも珍しい。岡本太郎の《明日の神話》も30年以上行方不明だったのだからしかたないか。地球は広いんだなぁ。

 きれいに修復された大きな画面(198.8cm×341.1cm)には27人が各々好き勝手に何かしている様子が描かれている。廊下や階層が入り組んでいて、構造が迷路みたいでなんだか判りづらいが、その分、ワンダーランドな雰囲気が漂っている。左上に深川独特の「通い夜具」という布団を背負った女性がいることで、これが深川を描いた絵であることがわかるのだそうだ。謎かけみたいだ。タイトルも無いし歌麿の署名も無い。

 これは「雪月花三部作」と呼ばれているもので、他の二部はアメリカの美術館にある。三部作なのにどれもサイズが違うし、描き方も違う。ホントに三部作なのか。《品川の月》は一点透視で帆掛け舟の浮かぶ見晴らしの良い海の向こうに、ほんのりと月が顔を出していて良い雰囲気。《吉原の花》は桜や提灯でにぎやかな遊郭に50人近い人物が描かれてまことににぎやか。《品川の月》と《吉原の花》は参考写真が展示されている。

 岡田美術館に来たのは2度目だが、今回は春画の小部屋までできていた。特別展示の期間だけなのかどうかは知らないが、北斎などのエロ春画が10枚ほど並んでいる。渓斎英泉の《十二ヶ月風俗画帳》がお気に入り、といってもページをめくることはできないぜ。

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