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ポンピドゥー・センター傑作展

2016-06-11 23:52:28 | 美術[は]
「ポンピドゥー・センター傑作展 ― ピカソ、マティス、デュシャンからクリストまで ― 」@東京都美術館

 ワイルドなかっこよさがある美術館ポンピドゥー・センター、以前パリに行ったときに入りそびれたままだったので、所蔵品だけでも見ておこうと思う。1977年開館、レンゾ・ピアノとリチャード・ロジャースという2人の建築家が手がけた建物は、外壁を取っ払っちゃって内臓丸見えタイプ。その外側をウネウネと上って行くエスカレーターが個性的。そんな風情だから当時は賛否両論あったらしいが、エッフェル塔と一緒で、今は街のシンボルになっちゃっている。

 今回は展示方法が面白い。1906年のラウル・デュフィから始まって1977年まで、1年ごとに1作品を選定して展示、西暦を辿りながらアートの変遷を感じられるという趣向。ダブっているアーティストはひとりもいない。ピカソ、マティス、シャガールなど、よく知っているアーティストから初耳アーティストまでいろいろ、絵画、彫刻、写真、映像その他カテゴリーもいろいろ。

 フルリ=ジョゼフ・クレパン : 緻密な描写をするアール・ブリュット作家。配管工だったが63歳の時に、なんと、手が勝手にデッサンを描きはじめ、戦争を終わらせるために300の絵を描けと「神」のお告げがあったというあやしげなことを言う人。でも1945年までに300作品を描き終えたらしい。戦争が終わったのはクレパン爺さんのおかげか?


 抽象画がもてはやされていた時代に具象にこだわり続けたベルナール・ビュフェ。影もなくのっぺりとした画面に、きっちり描かれた黒い線が特徴的な作品。温かみのある色合いとだるまストーブが居心地の良さを感じさせる。《誰が袖図》の洋版《誰が椅子図》と言いたくなるような、なんでもないのに何か意味ありげに見える室内。



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