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佐伯祐三 自画像としての風景

2023-02-24 19:09:04 | 美術[さ]
「佐伯祐三 自画像としての風景」@東京ステーションギャラリー

 東京で18年ぶりの回顧展、展示作品は143点と、けっこう多め。前期・後期で11点ずつ展示替えがある。多いだけにお馴染みの名品が勢ぞろいの安心感と、同じ場所を描いた作品を並べて展示する贅沢感が味わえる。

 東京ステーションギャラリーは、赤レンガのレトロな展示スペースが重厚な雰囲気を醸し出しているので、だだっ広いホワイトキューブとはまた違った作品巡りが楽しめる。チケットは入場時刻別のネット予約をしたが、祝日昼過ぎの現場には当日券の行列が少しできていた。東京では4月2日まで、その後、大阪で4/15~6/25に開催される。

 音声ガイドは自分のスマホやタブレットなどに公式アプリ『聴く美術』をインストールして利用する形式。コロナ禍では音声ガイドを借りるのもまた気を使うのでこの方がいいかもしれない。アプリは無料だが、音声ガイドは有料で650円。でもGoogle Playの割引クーポンが200円付いていたので450円だった。ナビゲーターは有働由美子さん。もちろんイヤホンも必要。私は昨年買った骨伝導ヘッドホンを持って行った。耳をふさがないので鬱陶しくなく、会場内は静かだから、蚊の鳴くようなボリュームでもちゃんと聞こえるので、音漏れなど気にならなかった。

《郵便配達夫(半身)》
 全身像とまたちょっと顔つきが違う。不安げな眼差しでこっちを見ている。もう1点グワッシュ作品があったらしいが戦火で焼けてしまったとか。




《ガス灯と広告》
 ものすごく好きな作品。何と書いてあるのかわからない、適当に書いたような文字が踊るカラフルな張り紙がズラリと並ぶと規則正しく見えてくる。幅が100cmある大きい作品なので、近くで見ると怪しげな迫力がある。




《レストラン(オテル・デュ・マルシェ)》
 ものすごく好きな作品。長テーブルの足がマンドレイクみたいになっているが、全体的にキチンとまとまっている。でも店内がホントにこの絵のままだったら落ち着けないだろうな。




《テラスの広告》
 オテル・デュ・マルシェの広告部分を強調して描いた作品。手前のテーブルは六角形のはずだがもう不揃いな円形になっちゃっているし、白い椅子はさらに殴り描きみたいになっていて、踊る骸骨オバケのように見えてくる。店内がホントにこの絵のままだったらもう人間は座れなそうもない。




《ガード風景》
 ガードを抜けた先の賑やかそうな雰囲気に誘われて用もないのについふらふらと行きたくなるねぇ。




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