詩:「元妻」
その妻は
アルバイトで
ヤクルトの配達を
自転車で やっとこさと
小さな体で
生まれ来る子供のために
一生懸命 ひたむきな毎日
そんな ある日
夫が 車を走らせている仕事中に
妻が危なげに自転車を走らせている
ところに出くわした・・
夫は、学校時代 体育の成績が1だった
妻の危なげな自転車をこぐ姿を見て
目頭があつくなった
思わず抱きしめたくなった・・
その危なげな姿に
守ってあげたい と 強く心に刻んだ
無理してアルバイトをさせなくても
いいように してあげたかった
自身の力量の乏しさに 情けなく
ただ 情けなく 無念であった・・
ひたむきに懸命に 重い荷物を積んだ
自転車を危なげに漕ぐ姿が・・
今も脳裏に 強く 映って・・
時折 遠くの妻に 想い馳せるのです