Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2012年12月号 編集者からの手紙

2013年04月28日 | 編集長からのメッセージ
ここカクマと海外の敬愛すべき読者の皆さんへ

2012年12月22日に、KANEREは創刊4年目の記念日を祝いました。 この節目に、この4年間を振り返ると、KANEREはキャンプ当局によって、スタッフの身の安全に関わるような様々な脅威を受けてきました。そして、その間、何ヶ月も出版が遅れる原因にもなっている様々な困難と運営資金の不足を訴えてきました。

一方、KANEREが出版されてから、キャンプの発展に寄与した面もいくつかあります。 キャンプ当局が情報の自由な流布を断固、望んでいない状況下で、新聞はキャンプ住民の目を社会に向けさせています。私たちは再度、難民保護当局に、独立した難民メディアの存在が難民キャンプはもちろんのこと、開放的で民主的なあらゆる社会に必要なのだと訴えます。 しかしながら、キャンプには忠実なる難民ジャーナリストの安全と保護を危うくするような政治的仕組みがあり、UNHCRをはじめとする人道支援組織は実力行使を暗示するだけで、記者を抑え込めるのが現状です。

地域のニュースとしては、ナイロビの文字通り「リトル・モガディシュ」と命名された地区で、いくつかの手榴弾が爆発し、12月だけで多くの命が失われました。その結果、ケニア政府はすべての難民に即刻キャンプへ移るよう求め、都市在住難民へのすべての援助を取りやめると脅迫しました。12月中旬まで、ナイロビのイーストレイ地域に住んでいる難民が恣意的逮捕されました。これが安全上の懸念への適切な対応なのでしょうか? KANERE は、このようなやり方に反対を表明します。差別的で、移動の自由の侵害ですから。

トゥルカナ地区では、トゥルカナ族の家畜所有者がポコツの侵略者に家畜を盗まれる事件がしばしば報告されました。こうした窃盗の脅威を阻止するため、政府は西ポコツなどの地区で武装解除の作戦を始めました。

10月24日の水曜日、カタールのシェイカ・モーザ・ビン・ナセル・アル・ミスナド妃とアントニオ・グテレス国連難民高等弁務官がカクマを訪問しました。訪問の目的はシェイカ妃 がUNHCRと協力して始めた「チャイルド・イニシャチブ教育」の関連で、首長妃自らがこのキャンプで難民教育に慣れるためでした。

10月26日に、米国の人口・難民・移民担当のアン・リチャード国務次官補がケニアでの任務の一環で、カクマを訪ねました。難民リーダー達は、滞在が長期化している大半のキャンプ居住者の問題を永続的に解決する方策として、海外再定住が必要だと主張することができました。

この号では、性的暴行の報告が多数、掲載されています。50歳のソマリアの女性はギャングによって強姦され、そして他の2人は銃で脅されて同様の暴行を受けました。学校に通う難民の子供の強姦記事は、警備員による性的搾取と暴行がたびたび起きていることの重大性を物語っています。一方、8月には難民が発砲によって殺されるという危機が続き、キャンプ居住者が抗議運動を起こしました。KANERE のジャーナリストは、この騒ぎの報道を阻止され、脅迫されました。

KANEREはアメリカのエール大学博士課程の学生アウェット アンデイミカエルを歓迎します。彼女は難民キャンプで芸術的なイベントがいかに重要かを難民に悟らせてくれます。これに関する彼女の記事は、難民が日々、恐れと不安、孤立と退屈に耐えて生活している人間倉庫状況では、芸術的なイベントの導入によっていかに難民の人生が変わるかを教えてくれます。

辛うじて生存しているルワンダの難民には、最悪の朝が待ち受けています、つまり2013年6月30日に停止条項が適用され、カクマの難民であることを証する彼らの『配給カード』が廃止されてしまいます。

KANEREにとってのさまざまな課題は解決されないままですが、できる限りの誠実さと正確さ、倫理行動を堅持し、勇敢で独立した報道による難民キャンプ内の人権状況改善を目指します。

最後に、読者・視聴者に、私たちのFacebookのサイト、『like』http://www.facebook.com/pages/Kanere-News/161557433968809を 読んで下さるようお願いします。問題として取り上げるべきことを共有し、活発な議論を続けてください。

みなさまにとって2013年が繁栄する年となることを祈ります。

カバタ・ボル
KANERE編集長


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