2012年12月号 ソマリア女性、拳銃で脅され強姦される

カクマの3の居住区で、50歳のソマリア人女性が強姦されたほか、36歳と37歳の女性も同じような被害に遭った。

ハッビ・モハさんは自宅の敷地内で強姦され、ワミさんとソパさん（いずれも仮名）は自宅から離れた区域で同じような被害に遭った。いずれもカクマ3，ゾーン1、ブロック14の区域内で起きたが、この区域は同様の事件が絶えない。犯人の身元は現在も不明だが、いずれの事件でも被害者は携帯電話を奪われ、叫べば銃を放つと脅されている。自らの命を守るため、女性たちは犯人に従った。

【写真】強姦等の事件が絶えない危険地帯

ことし7月19日、五児の母であるハッビ・モハさんは拳銃で脅迫の上、強姦された。犯人たちは午前2時に彼女の自宅を囲む柵を破壊し侵入した。犯人の3人組はいずれもAK47s型の拳銃を保有しており、ハッビさんに現金を請求した後、殴る蹴るなどの暴行を開始した。さらに彼女を自宅から外へ出し強姦した。ハッビさんによれば、一人が彼女の首をつかんでいる時にもう一人が彼女の服を脱がせたという。「懇願したのですが、だめでした。子どもたちは抵抗できませんでした」と彼女はKANEREに語っている。

ブロック・リーダーによると、被害者の自宅に近寄るなという脅迫の銃声が響いた時、近隣の住民たちは被害者を救おうとしたという。「私が駆けつけた時、ハッビさんが地面に横たわっていたので、びっくりしました。すぐに防衛団に連絡しました」とブロック14のリーダーは話す。

ハッビさんはカクマ難民病院に搬送され12日間も入院したが、これは恐怖心で帰宅できなかったためである。2012年7月19日に入院し、7月24日に退院許可が出た。KANEREに公開された医療報告によると、強姦と身体への傷害が認められている。KANEREによる取材時、ハッビさんには肋骨の骨折、顔の傷害も残っていた。「痛みは今もひどいです。自分の命、子どもの命を考えると、出歩けないし寝られません」と話している。

ハッビさんの夫はソマリアの内戦中に殺害された。5人の子どもを連れ、彼女は2008年にダダーブに向かった。2009年8月、ダダーブから移転した最初のソマリア人たちと共にカクマにやってきた。事件後、家族は恐怖と不安の日々を過ごしてきた。ハッビさんの子どものうち23歳の娘は、夜中にまた被害に遭うことを恐れ、家を出て、近所の家を転々としている。

〈強姦未遂とそのほかの被害〉

ことし7月23日、ワミ・アリさん（36）とソパ・ダウディさん（37）はそれぞれカクマ3、ゾーン1、ブロック14の区域内で、武装した男性に待ち伏せされたという。向かい側に住む住人のお産を手伝うため、彼女らは夜中の零時を回った頃に家を出た。

すると突然、3人の男性が暗闇から現れ、銃口を突きつけられ、騒ぎ立てないよう命じられた。2人の話によれば、男性らは携帯電話を出すよう非常に乱暴に要求してきたという。さらに、すぐに銃床部分で殴られた。

「1人の男が、私の背中と肋骨を銃の尖った部分で殴りました。大声で叫んだら、私の上に乗りかかってきました。周りで人々が叫ぶのが聞こえました…」とワミさんは取材に応じた。

「私は背中と腎臓のあたりを殴られて、倒れました。もう1人の男に、地面に横たわるよう言われました。服を脱げと言われました」とソパさん。KANEREの取材によると、犯人らは帽子、拳銃、イヤリング、ぴったりとしたショートパンツを身に付けており、ひどい異臭がしたそうだ。

真夜中に近隣の人々が大勢目覚め、威嚇のため大声で叫んだため、この事件は未遂に終わった。KANEREが見た医療報告によると、被害者には身体への傷害が認められている。

カクマ4の警察巡回報告によると、2人の女性はいずれも見知らぬ人から脅迫を受けたことが認められている。KANEREが事件記録を確認したところ、この事件は現在も調査中となっている。これら事件の被害者3人はいずれも安価の携帯電話を奪われた。苦悩とトラウマを抱え、恥辱から周囲の目を非常に恐れているという。

ソマリア人コミュニティーでは、強姦や性的暴行は恥ずかしいことで人に話すものではないとされている。そのため、強姦をはじめとする性的暴行を受けた女性や少女は、癒えぬ傷を抱え続けることとなる。一方でUNHCRはこうした問題の解決に、迅速な対応をしていない。