Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2008年12月号 家出少女!

2009年05月15日 | コミュニティーとカルチャー
あなたは、自分の身には決して起きないと思っていた出来事に遭遇したことはありますか。人ごと、と決め込んでいたような出来事に?

11月の水曜日の夜、長い一日の仕事を終えてルームメートのグレースと寝ているときでした。

ネリーというケニア人のティーンエージャーの女の子が、私たちのところに駆け込んできました。キャンプ内でボーイフレンドと3日間もいっしょに過ごしてしまったので、家に帰るわけにいかないかの、泊めて、とグレースに頼んできたのです。私たちのマットレスに三人一緒には眠れないので、ネリーには横に敷いた敷物の上に寝てもらうとにしました。ネリーのお父さんはネリーを探して私たちのコミュニティにまで来ていたので、ネリーと一緒にいるところを見つかったらまずいことになるのは分かっていました。グレースのお母さんも、ネリーが私たちのところで一晩過ごすことに反対でした。それでも私たちがネリーを泊めることにしたいきさつは聞かないでほしいのですが、とにかくネリーを私たちの部屋に忍び込ませることができました。
 
しばらくして私は大きな間違いをしでかしたことに気づきました。夜中の11時に扉をたたく音がしたのです。とうとう探し当てたらしいぞ、などと言っているのも聞こえました。扉をたたいていた人に名前を呼ばれたグレースが、ネリーがいるんじゃないか、と聞かれています。これまで警察といざこざを起こしたことがないグレースは、迷うことなく、ネリーはここにいますと言ってしまいました。命じられるままにグレースが扉を開けると、部屋がぱっと明るくなり、その外で警察とネリーのお父さんがグレースを質問攻めにし始めました。ネリーはひどく怯えて私の後ろに隠れようとしましたが、私に怒鳴られて飛び退きました。室内に戻ってきたグレースがネリーに、外で待っているお父さんのところに行くように諭し、ネリーは出ていきました。怯えきっているようでした。

ネリーがばかばかしい家出の理由を警察に説明しているのを聞いてから、私は再び眠りにつきました。何もなかったかのように穏やかに眠れました。私なら絶対にしないだろうと思うことはいくつかありますが、ズボンやミニスカートを履くのを両親に反対されて家出するというのもその一つです。

一方のグレースはかわいそうでした。朝になったらお母さんに言い訳しなければいけないことが山のようにあると覚悟しながら、眠る羽目になったのです。



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