Kakuma News Reflector 日本語版

カクマ難民キャンプの難民によるフリープレス
翻訳:難民自立支援ネットワークREN
著作権:REN(無断引用転載禁)

2013年11月号 エマニュエル・ジャルがカクマを訪問

2014年05月27日 | 最新ニュース
スーダンの元少年兵エマニュエル・ジャルが、ケニア北西部の外れ、南スーダンとの国境近くにあるカクマ難民キャンプを訪れた。

エマニュエル・ジャルは2013年9月27日金曜日にカクマに到着し、カクマ・フイルムエイド・インターナショナルから歓迎を受けた。キャンプ内でコンサートを行うためにカクマ・フィルムエイドに招かれていたのだ。

訪問中は多忙なスケジュールをこなし、難民たちと会って交流したり、地元の音楽業界で活動するミュージシャンたちと楽曲を披露し合ったりした。「彼が訪問してくれてとても良かったのは、彼がスーダン人だからではなく、彼がカクマの難民たちに惜しみない貢献をしてくれたからです」と、地元で意欲的に活動するミュージシャンのデング・アジャクは言う。


【写真】エマニュエルの左側に座っているのはニャルワルと妹のニャルワク、右側に座っているのはマネージャーのタニア・キャンベル

ジャルの訪問には、マネージャーのタニア・キャンベル、DJ・シルバーストーン、妹のニャルワクとニャルワル、そしてパフオーマーらが同行した。

エマニュエルは、今ではラッパーであり活動家として国際的に知られるようになっている。彼は「ウィー・ウォント・ピース」と銘打ったアフリカ・ツアーを行っていて、カクマにもやってきた。ジャルはKANEREにツアーの日程について話してくれた。「先週末にナイロビからツアーを始めて、これから南アフリカのヨハネスブルクへ行く。10月2日から5日まで滞在して、7日から9日はザンビアに行くことになってるんだ。」

日曜日に行われたコンサートはとても素晴らしいものだった。その感動的なパフォーマンスは参加したたくさんの難民たちの心を揺さぶった。会場となったカクマ1地区にあるバスケットボール競技場は人でごった返し、担当者らは規制に大変苦労していた。

いくつかのアルバムから、ジャルは「ウィー・ウォント・ピース」と「クッシュ」という曲を披露した。



〈ウォーチャイルド〉
エマニュエル・ジャルは、「ウォーチャイルド」(戦争の子)だった。彼は、わずか9歳で銃を持たざるを得ない境遇になってしまった。ジャルによれば、教わったのは銃を撃つことと敵を殺すことだけ。「残虐行為や厳しくて過酷なできごとが続く戦争の最中に、同じ人間である仲間を殺すのは本当に心が傷む」とジャルは語った。

彼はまた、兄弟が殺されたこと、おばが敵兵にレイプされたこと、父親がスーダン人民解放軍(SPLA)に所属していたこと、そして幼いころに母親を殺されたことなどを話してくれた。

イギリス人の人道活動家エマ・マキューンがジャルの人生を救ったのは、彼がSPLAの戦士だったときだ。そのとき彼は、少なくとも17人の「ロスト・ボーイ」たちと交戦地帯で生活していた。彼は過去に『For the love of Emma McCune』というアルバムを制作している。

最近になってジャルは、アートや音楽における自分の才能を社会変革活動に利用できることに気がつき、世界中に平和を広めるための独自のコネクションを作っている。


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