羊羹屋の思いこみ!

セッカチなこの私、座右の銘は電光石火にございます。笑ってやってくださいな。

小椋先生で

2006-07-05 | Weblog
先日和菓子の技能検定の話をしました。扇形羊羹のことです。ンでコメントもいくつか頂いてそれにお答えしててフッと思い出したことがあります。
大学卒業後、東京の製菓学校へ入学いたしました。高卒の方は多数いらっしゃるんですが大卒は少ない、言うなれば回りは子供ばっかし。ソンナ中で2年間それなりにやって来たつもりです。
ンデ先の扇形羊羹を始めとする飾り菓子、それらを教えてくれたのが小椋先生です。この小椋先生、いくつもの飾り菓子を教えてくれたのですが授業の終わりに必ず言うことがあります。「お前らにヨーク言っとく、和菓子職人になってコンナ飾り菓子で飯を食う人間にだけはなるなよ。これはハッキリ言って蛇足の部分、イうなりゃ職人の遊び心、饅頭や羊羹を作ってる職人がフッと息抜きをした結果の作業がコレ。ダからこれを本職とするのは本末転倒。ホントはコンナ飾り菓子を教えること自体がおかしい」ッテ何度も何度もお聞きしました。当時はまだ子供だったので「フ〜ん、この先生は飾り菓子がキライなんだ、偏見でも持ってるのかね」程度にしか思ってませんでした。
シタラその年の全菓博、その博覧会での飾り菓子の金賞に小椋先生作のオオワシをかたどった作品が選出されてるのを見てがく然。それもハンパじゃない出来!まさにオオワシが翼を広げ、今飛び立とうとする瞬間の躍動する作品。これだけのものを作れる人が言うんだもの、もう説得力のカタマリ。それ以来小椋先生を心の師として仰ぐようになりました。
聞くところによると未だ現役で教壇に立ってるとのこと、ウチの9代目にも御指導いただければ幸いです。いつまでもお元気で後輩の指導にあたって欲しいものです。
ちなみにウチの抹茶羊羹、イッチャン最初に基礎となる配合を教えていただいたのも小椋先生です。