理系母の療育と自閉症児の成長の記録

3歳で自閉症スペクトラムと診断された息子。約3年でDQ57→97。14歳で診断が外れ,高校受験を経て通常学級デビュー。

格安会議室で就学に向けた自主勉強会2

2018-10-05 16:11:21 | 発達障害

格安会議室で就学に向けた自主勉強会の続き

 

さて,なんとか場所を確保できたので,保育園の終わる16時ごろから公民館の会議室を借りて,保育園のお友達と一緒に勉強会を始めました。

 

この勉強会の目的は,学力の向上ではなく,机に向かってみんなで勉強するといった,就学したら必須になってくる課題に慣れることです。

 

勉強会の内容は,鉛筆を使うものでは市販されている学研やくもんの簡単なドリルやネットの無料学習プリント,ハサミを使った切り絵や貼り絵,カルタや絵合わせカードなどの知育・療育ゲームなど,10〜20分で終わる課題を1~3個,全体で30分〜1時間くらいやりました。そして勉強会の最初には必ず今日やる課題を黒板に書いて説明し(事前に説明することで心の準備をさせる),会の終わりにはみんなで掃除をしました。

 

また,徳島県の「発達障害早期介入・支援ハンドブック 平成21年2月」に紹介されていてる鳴門教育大学の「就学前指導教室グループ学習指導案」(38ページ)と,このサイトを教えてくれた義母の助言を参考に,プリント配布などの当番を設けたり,勝ち負けに慣れるためゲームは個人戦ではなくチーム戦(親子グループなど)にする,机を二人で運ぶ(共同作業に慣れる),掃除の当番(ほうき,ちりとり,ぞうきん)の当番表を作り,自分がやった当番をシールにつけるなどして,こだわりで同じ当番を連続してやりたがった場合などにこの前もやったのがわかるようにする,などの工夫をしました。

 

で,息子はというと,課題によっては気が乗らなかったり,好き勝手なことをしようとしたりと,完璧にできたためしはありませんでしたが,この勉強会の目的である「少しずつ慣れる」,という点では目的を達成できたと思います。

 

また,仲がいいお友達同士の限られた人数での集まりで,勉強会後は近所の中華料理店で一緒にご飯を食べるというおいしい終わり方をしていたため,息子はこの勉強会を楽しみにしていたようです。

 

勉強会は,お友達と時間の都合のつく範囲で無理ない程度にやっていたため,毎週できるときもあれば,月1程度のときもありましたが,小学校に入るまで1年以上続けました。

 

最終的に息子は普通級でなく支援級を選択したのですが,小学校に通い始めてパニックになったり生活が荒れるようなことは特になく(非常によくあるそうです),就学への移行はスムーズだったと思います。

 

普通級でなく支援級を選択した理由については,次回,「支援級という選択」で述べたいと思います。


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格安会議室で就学に向けた自主勉強会

2018-10-05 15:10:44 | 発達障害

8カ月ぶりの更新です。

仕事に追われ,執筆時間が取れずすみません。

 

息子が保育園の年中クラスの終わりにさしかかったころのことです。

3歳半の発達検査でDQ57だった息子も,家庭での療育がきいたのか2年弱でDQ88にまではなっていたのですが,小学校入学という一大イベントがだんだんと迫ってきていることを意識して,不安が募るようになっていました。

 

小学校で普通級に入る目安として,とある発達相談で言われたのが「DQ75」。

実年齢が6歳で4歳相当,2年遅れだと授業は厳しいだろう,というお話でした。

(あくまで目安としてうかがいました。お子様の性格にもよりますし,専門家によっても意見は異なります)

 

DQだけみればその値はクリアしていたものの,とにかく自分勝手で自由気ままな息子のこと,保育園でさえたびたび集団行動からはずれ,加配の先生にサポートしてもらっている状態なのに,小学校に入って着席して45分間,じっと先生の話を聞いていられるものだろうか。

 

周りの軽度の発達障害のある子の中には,受給者証を使って塾のようなところに通い,就学に向けた療育・勉強をしている子もいましたが,そういうところに行くには,その1時間の授業のために仕事を半日休まなければならず,いろいろと効率が悪いと判断しました。

 

かといって,これまでの家庭の療育は,とことん息子に合わせたものだったので,集団の中で周りに合わせたり,やりたくない課題でも指示されたらやる,といった能力を伸ばすことが難しいように思えました。

 

ではどうやったらこの課題をクリアできるか。

 

幸いにも息子の保育園には,同じクラスにやはり同じような発達の問題を持つ仲のいいお友達がいたので,その子と一緒に保育園が終わってから,どこか家とは違った場所で勉強会をできないかと考えました。

塾より優れたことができないとしても,保育園帰りにちょこっと勉強できたら頻度で多くをカバーできます。

 

そこで私は家の近くに貸し会議室がないか調べました。

「貸し会議室」と自分の住んでいる市の名前をキーワードにネットで検索すると,あるにはあったのですが,家や保育園から距離が数kmあるうえに,料金も1時間数千円と,勉強会を連続して行うには現実的ではありませんでした。

 

そんな都合のいい場所はないか….とあきらめかけたとき,ふとひらめきました。

 

ある。それも近所に。値段も調べると2時間210円〜と破格の値段です。

 

そう,それは地元の公民館。

 

市の公民館は,息子の通う保育園の隣と,保育園から家までの帰り道に計2カ所あり,どちらにも会議室がありました。

 

私は次の日,帰り道にある公民館を訪れ,会議室を使ってみたいので,まずは部屋を見せて欲しいとお願いしました。

 

その公民館は会議室が3部屋あり,どの部屋も黒板,ホワイトボード,机,椅子といった学校のような設備がある上に,気を散らすような掲示物などが何もなく,子どもの勉強スペースとして理想的でした。

 

「今後,ときどきこの部屋を使いたいのですが,どのような手続きをすればよろしいでしょうか?」。私は案内をしてくれた館長さんにたずねました。

 

すると予想外の答えが。

 

「公民館の部屋は個人には貸せなくて,10人以上の団体でないといけないんです」。

 

10人……周りに3人だったら発達障害のお友達がいるけど,10人はちょっと,どうやっても……無理……

 

絶句していた私をみかねたのか,館長さんがしばらくしてからこんな助言をくれました。

 

「団体は,10人中9人が市内の人だったらよいので,ご自身とご主人,お友達のご夫婦,そしておじいさんおばあさんも入れてなんとか10人にして,団体の名前をつけてもらえば,(定期使用ではない)臨時使用として申し込めますよ。会議室を使うのはその全員でなくても使えます」。

 

そんな手があったとは! 友達夫婦,じじばば入れれば何とか10人はクリアできる!

 

公民館の臨時使用申込書は団体名とその構成員の人数,活動内容を書くだけだったので,私はすぐさま友達と自分の両親から了承をもらい,自分たちに適当な団体名をつけ,活動内容は子どもたちの学習支援ということにして,会議室を予約しました。

 

 

格安会議室で就学に向けた自主勉強会2に続く


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