理系母の療育と自閉症児の成長の記録

3歳で自閉症スペクトラムと診断された息子。約3年でDQ57→97。14歳で診断が外れ,高校受験を経て通常学級デビュー。

数をおぼえてから算数が得意になるまで

2021-04-26 14:30:24 | 発達障害

「数をおぼえる」までの続き

 

先の記事で述べましたが,10までの数はいろいろな知育アプリなどを使って4歳5〜6カ月で数えられるようになり,20までの数もそれから1カ月くらいで数えられるようになりました。

 

数量や数値の概念の獲得に知育アプリによるところが大きかったのはもちろんなのですが,同時期に入れた「Hey Day」という農園アプリも影響したと思います。

これは知育でもなんでもない,一般向けの娯楽アプリで,小麦を蒔いて収穫して増やす,といった単純なものですが,息子はものすごくはまっていました。このアプリでは自分の所有している農作物の量が数で表示されたり,作物の売買などでお金が増えたり減ったりして,数を意識することが多かったと思います。計算することはなかったかもしれませんが,どっちが多い少ないといった概念はここでしっかりしました。

 

こうして数の概念が定着したころに,初歩的な算数アプリをipadにいくつか入れてみました(4歳10カ月頃)。最初に入れたのは「りんごの足し算」(今はないようです)というアプリで,数字のボタンをおすと,その数だけりんごがゴロゴロと出てきて,さらに数字を押すと違う色のりんごが出てきて,さてりんごは全部でいくつ?というのを数えながら答えさせるというもの。1+2=のような数式は出ませんが,電卓のような数字ボタンと「+」と「=」のようなボタンがあったので,ここでなんとなく計算に必要な記号を認識したようです。

 

ただこれですぐに算数に目覚めたわけではありませんでした。転機が訪れたのはそれから1年近く経ってからのことです。年長の夏休み,1歳年上のお友達がうちに遊びに来ました。このころはタブレットやスマホが今ほど普及していなかったので,その子はうちのipadに興味津々。小学1年生ということもあって,すでに入れてあった算数アプリ「おサルさんの算数−空飛ぶアドベンチャー」をサクサク解いて披露してくれたのです。これに息子は釘付け。ゲーム性もあって,息子もどはまりしました。その後,このアプリにのめり込むほどに恐ろしい速さで計算能力を獲得し,就学前までには九九をほぼマスターするまでになっていました。

 

このアプリの優れていた点は,ゲーム性もさることながらステージの設定にあったと思います。例えば足し算から始まって,問題がランダムに出るのではなく,「+1」の問題をひたすら解いたあと,「+2」のステージに移行するといった具合です。いくら数の概念が定着していても,いきなり色々な数の足し算がランダムに出てくるようなアプリだったら,足し算のとっかかりとしてはハードと言えるでしょう。このアプリで1つ大きい数(+1),そして次に2つ大きい数(+2)がイメージできるようになって計算ができるようになったのだと思います。

 

その点をよくおさえたくもんの幼児ドリル「はじめてのたしざん」シリーズは優れもので,ものすごく簡単な問題から作られているので計算の概念が得やすいのと,簡単な構成だったので,息子に「オレ,できるぜ!」とその気にさせる効果もありました。これらのドリルは先のおサルさんアプリと並行して進め,小学校就学前に「たしざんのおけいこ2」まで終わらせました。

 

そういうわけで,小学校に入学したときには自分でも算数が得意という自信ができていたように思います。入学したのは支援級ですが,計算力があることを担任の先生も理解してくれたので,学校に慣れた2年生から普通級で算数の授業を受けるようになりました。

 

息子のように「得意」が突然目覚めたのはたまたまかもしれませんが,いろんなベースやきっかけが下地にあったことが重要だったと思っています。そのきっかけの1つを作ってくれたお友達には今でも感謝しています。


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