理系母の療育と自閉症児の成長の記録

3歳で自閉症スペクトラムと診断された息子。約3年でDQ57→97。14歳で診断が外れ,高校受験を経て通常学級デビュー。

支援級という選択2

2019-04-12 23:33:59 | 発達障害

支援級という選択1の続き

 

その年の支援級の新1年生は1人という悲しい状況でしたが,やさしい上級生に囲まれ,息子は楽しく学校に通い始めました。

 

発達検査ではいろいろ伸びていたものの,人の話を聞くことがとにかく苦手だった息子ですが,そこは先生に逐一注意,指導され,授業態度も少しずつよくなっていきました。そしてちゃんと授業を受けられる姿勢が整ってきたところで,2年生から普通級で体育や算数などの得意科目を受けるようになりました。

 

支援級の担任の先生とよく相談しながら普通級での授業を少しずつ増やし,4年生では体育,算数,理科,社会,国語の5教科を普通級で受け,1日のほとんどを普通級で過ごすまでになりました。テストもほとんどは80点以上とれています(療育と発達検査の略歴参照)。

 

で,ここまで成長すると,じゃあ何でまだ支援級に在籍しているの? 普通級には行かないの? と思われる方もいるかもしれません。実際,あちこちでよく聞かれます。

 

でも私も息子も中学校まで支援級を希望しています。

理由は大きく2つあります。

 

まずは息子の居場所があるということ。

 

息子は入学してすぐ,学校併設の学童保育に入っていたのですが,1カ月もたたないうちに行きたくないと言って私に泣きついてきました。勉強やルールなどがあまりない学童保育であれば,自分勝手な息子でも健常児と一緒に遊べて交流できてよいかと思ったのですが,実はそうではなかったのです。

 

発達検査やテストの数字だけ見れば普通下位に位置する息子ですが,勉強よりも子ども同士の輪に入っていくことの方がはるかに苦手だったのです。トラブルはなかったと学童の先生からは説明されましたが,孤独を感じたのでしょう。すぐに学童をやめ,デイサービスに移りました。

 

で,支援級の話に戻りますが,学校は勉強の場ではありますが,休み時間や給食など,子ども同士で過ごす時間もかなりあります。息子が普通級に移ったら,子ども同士で楽しく時間を過ごせるのか,まだまだ不安があります。支援級であれば,トラブルがあっても,生徒の人数が少ない分,先生が小まめに間に入ってくれます。そのうえ,息子が空気を読まない身勝手な発言をしたときも,すぐに注意してくれます。普通級だったらそうはいかないでしょう。先生が間に入ることで,社会的な場での人との接し方,距離間を少しずつ学習していけるのが支援級のいいところです。

 

それに,支援級に通う子どもたちはみんなそれぞれ苦手があるので,お互い違うことを受け入れる心ができています。クラスメイトには息子のだめなところを受け入れてもらいつつ,息子自身も不得意のあるほかの友達を受け入れられる心が育っていっているように感じます。

 

そんなわけで,支援級はいろんな子どもがいるのに,みんな本当になかよしで,息子も居心地がいいようです。5年生に進級した今日まで,学校を嫌がったことはありません。

 

あるとき息子がこんなことを言っていました。「何で(普通級の)みんなはなかよし(支援級)に来ないんだろう?人気すぎて入れないのかな?」

それほどまでに支援級が楽しいようです。

 

 

 

支援級という選択3に続く

 

 


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