理系母の療育と自閉症児の成長の記録

3歳で自閉症スペクトラムと診断された息子。約3年でDQ57→97。14歳で診断が外れ,高校受験を経て通常学級デビュー。

発達検査結果ー療育手帳から外れるー

2017-08-24 14:03:29 | 発達障害

久しぶりのブログ更新です。

 

昨日,療育手帳の再申請のため,発達検査を受けてきました。

形式は田中ビネーⅤ。

 

前回(5歳10カ月)受けたときの結果はIQ75で,その前後に受けた新版K式発達検査のDQよりもだいぶ低く出ました療育と発達検査の略歴を参照)。

その差は,新版K式発達検査を担当してくださった先生の話によると,田中ビネーは言葉で説明する問題が多いので,言葉に苦手のある息子には難しかったせいでは,とのことでした。子どもによって発達検査にも相性があるようです。

 

それから3年,いろんな面で成長した息子ですが,日本語は今も拙く,聞いたり読んだり理解はできても表出が実年齢よりも遅れており,第三者に言葉だけで何かを上手く説明するのは難しい状態です。

そんなだったので,今回の田中ビネーでどう出るか気になっていたのですが,結果は

 

IQ92(8歳2カ月)

 

前回から17ポイントアップの大成長です。

実年齢(8歳10カ月)から8カ月の遅れですが,検査では,答えはわかっていても言葉で説明ができなかったり,うまく切り替えられなかったがために落としてしまった問題もあり,実年齢と比べて知的に大きく遅れているというわけではなさそうとのこと。

ちまたでは,IQは大きくは伸びないとか,小学校に入ってからは大きく変わらないとか,ひとたび特別支援級に入ったら健常児との差が大きくなってしまう,等々聞ききますが,必ずしもそうとは限らないようです。

 

再申請した療育手帳は非該当となりました(当県ではIQ70台くらいまで)が,息子が小学校に上がってからも着々と成長してくれたことが数字として表れたようで,嬉しかったです。

 

 

 

 

 

 

 

 


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パン生地こねて指先訓練 夜まるめて朝焼きたてパンを食べる

2017-08-09 12:05:08 | 発達障害

私は朝食パン派です。

朝,焼きたてのパンが食べられればこの上ないのですが,近所にパン屋はなく,自分でパンを作ろうにも仕事に家事に療育に,時間が足りません。

ですが,忙しい中でもちょっとした工夫で療育兼ねて子どもとパンを作り,朝,焼きたてのパンを食べられることに気づいたので,今回はその方法を紹介します。

うちでよく作るのは成形の簡単なバターロールやフォッカッチャです。

ただいい加減な方法なので,パンにこだわりのある方からすればダメダメなパンかもしれませんが,スーパーで袋売りされているものや,パン屋で前日に買ってしなびたパンよりははるかに美味しいものが食べられます。

 

パン作りの大まかな流れとしては

1. 夕食を終え,お風呂に入っているあいだなどに,ホームベーカリー*で生地をこね,発酵する。

2. 寝るまでの空いている時間にパン生地をまるめる(成形する)。

3. 成形したパン生地を冷蔵庫にしまう。

4. 朝,冷蔵庫からパン生地を出してオーブンで焼く。**

 

パン生地の配合と焼き時間は,ホームベーカリーやオーブンに付属のレシピや一般のパン作りの本に出ているものを参考にしていますが,上記のスケジュールで時間をかけずにパンを焼くための重要なポイントがあります。それは

 

A. イーストの量をレシピの半分にする(発酵しすぎてイースト臭くなるのを防ぐため)。

B. 冷蔵庫にパン生地をしまう際に,パン生地の上にクッキングシートをかぶせ,その上からラップをかける(膨らんだパン生地がラップにくっついてしまうのを防ぐため。うちではシリコン樹脂加工されたトップバリュのクッキングシートを愛用しています)。

 

 

この方法だと,発酵時間やベンチタイムなどをきっちりレシピ通り守らなくてもよく,ホームベーカリーでこねあがった生地をそのままホームベーカリーの中で1時間くらい放置していても,大きく味には影響しません。だから,あわてなくても寝るまでの空いた時間に成形ができます。

また,本来なら成形する前にベンチタイムを設けて生地を休ませたりしますが,このプロトコールでは,ホームベーカリーの生地をクッキングシートの上に取り出してすぐ軽く打ち粉をし,そのままクッキングシートの上で成形します(こうすると片付けが楽)。パン生地を一晩寝かせている間に表面がつるっときれいになるので,がんばってきれいに形作らなくてもそれっぽいものができるんです。

 

バターロールの成形方法はこんな感じ。

 

フォッカッチャの場合は生地を大きくまるめてめん棒でのして1〜2cmくらいの厚さにするだけです。

 

さて,ここまではパン作りの流れを書いてきましたが,ここからは療育のポイントについて書きます。

 

このパン作りの中で子どもがやりやすいステップは材料の計量とパンの成形です。

 

材料の計量から成形,焼き上げまで全部一緒に,いずれは一人でできればいいのですが,最初からすべては期待せず,どこかの過程で少しでも興味を持って参加してもらえればいいくらいの気持ちでやります。

息子が最初にやったのは,ホームベーカリーでできた生地を,粘土のようにただつまんでこねくり回す,というだけのものです。これだけでも十分指先の力を使います。

そのうちバターロールやフォッカッチャの成形もやってもらいました。

大人がやると簡単な作業ですが,めん棒で生地を伸ばしたり,バターロールをくるくるとまるめたりするのも力の加減がうまくできず,最初のうちは悲惨な形態になりました。でも一晩寝かしているうち適当に膨らみ,焼きあがるとわりと見れたものになるので,あまり口を挟まず,いびつなものでもそのままにしました。

 

こうして形作ったパンを,朝焼き上げ,朝食に出すと,息子も嬉しいのか寝起きがよく,朝ごはんもしっかり食べてくれます。

 

ホームベーカリーはうちではNational(現Panasonic)のイースト後入れ式のものを使っています。私は国産小麦が好きなのですが,ほかのメーカーのホームベーカリーは国産小麦を使ったパンがうまく膨らまないので,小麦粉にこだわる方はPanasonicのものをオススメします。

 

**

朝,パンを焼くときは,冷蔵庫から出してそのままオーブンで焼けますが,焼き上がりの膨らみが悪いと感じた場合は,冷蔵庫から生地を出して15〜30分おき,室温に戻してから焼いてみてください。


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字を書き始めるまで3 その他の工夫

2017-08-08 15:02:20 | 発達障害

息子がきちんと鉛筆を持って字を書き始めるまでの大まかな道のりについてはこれまでのブログに書いたとおりですが,息子がすべてのひらがなや数字を覚え,安定して席について字を書けるようにするために,直接的なもの,間接的なものも含め,様々なアプローチをとりました。

 

とはいってもそれほど大層なものはありません。私は仕事を続けていたため,息子につきっきりで何かを教えるための時間があまりとれません。平日ではせいぜい1日15〜30分程度です。その一方で,息子は暇を持て余している時間が保育園から帰った後でも存分にありました。私が夕食や朝食の準備や片付け,その他諸々の家事をこなしている間,息子は何もすることがないので,その時間を最大限有効利用できるよう,息子が自分一人でできるものが中心です。

 

また,私がする家事の中で,指先の訓練につながるようなものを手伝ってもらうことにしました(お手伝いをしてもらう方法については別記事「お手伝いは現金報酬で交渉」を参照)。

 

下図のモチベーション以外の3つの課題別に紹介します。

 

字の認識

・こどもチャレンジの「ひらがなのうた」

息子は言葉はあまり覚えないものの,歌のメロディーを覚えるのが得意だったので,歌で攻めてみました。YouTubeで見られるこどもチャレンジの「ひらがなのうた」は,「あいうえお」に始まり「わをん」で終わるまで余計な歌詞がない非常にシンプルな構成になっており,メロディーとともに各文字が強調されるので,文字と読み方(音)を対応させるのに非常に役立ちました。また,この歌を覚えてからは,お風呂のひらがなポスターを見ながら一緒に歌うなど,ひらがな表をよく注意して見てくれるようになりました。

 

微細運動

・ くもんの幼児ドリル

めいろ,ひらがな,きりえ,など。

本屋やネットショップで購入。これらのドリル課題は付き添って一緒にやりました。

 

・ シールブック

市販のもの。シールを貼るのも意外と手先を使います。

 

・ ぷりんときっずの無料学習プリント

ぷりんときっず」のめいろ,点つなぎ,ひらがな,かたかな,など。無料とは思えないほど充実したラインナップ。

 

 ・ サラダ野菜の栽培と収穫

ブログ「いつでもレタス」を参考に,100円ショップのトレイ&ザルを使ってベランダで水耕栽培。種をつまんだり,ハサミを使って葉の基部を切ったりするのが指先のトレーニングになったほか,苦手だった野菜が食べられるようになり,一石二鳥。

 

 ・洗濯物干し

うちでは洗濯を仕事から帰ってから回し,夜間に除湿機を使って室内干しをしていたので,洗濯物を干すのを手伝ってもらいました。室内用つっぱり洗濯物干しの高さを調節して洗濯ハンガーを子どもの目線くらいに吊るし,自分の洗濯物を自力で干せるように工夫。最初は片手で洗濯バサミを開閉するのがとても難しく,洗濯物をただはさむのがやっとでした。よれていたり重なっていたりするのを見るとつい直したくなりましたが,本人の努力を尊重し,しばらくはそのままにしました。そして握力がついて洗濯バサミを簡単に操作できるようになったころ,綺麗に広げる方法を教えました。

 

・パン作り 

ホームベーカリー+αの工夫で,時間がなくても夜,仕込んで朝,焼きたてバターロールが食べられます。「パン記事こねて指先訓練 夜まるめて朝焼きたてパンを食べる」をご参照ください。

 

姿勢制御

・室内ジャングルジム

これでずっと遊び続けることはあまりないのですが,ちょっとした空き時間にすぐよじ登るので,1日にすると最低でも10〜20分は登っています。こういった室内用のそれほど怖くない遊具に慣れると,公園の大型遊具やアスレチックなどにもチャレンジしやすくなります。

 

・ピーナツ型バランスボール

球形のバランスボールよりも安定性があり,真ん中のくぼみに馬乗りになって遊んでいます。これもちょっとした空き時間に1人でよく乗っています。

 

・Xbox 360 キネクト

過去記事「キネクトで全身運動 療育に使えるゲームあれこれ」をご参照ください。

 


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お手伝いは現金報酬で交渉

2017-08-08 15:00:41 | 発達障害

「これ手伝って」とお願いをしてほいほい手伝ってくれるような子なら,こんな苦労はありません。一般的な子どもがよく反応する「ごほうびシール」も反応なし。先の見通しの苦手な自閉症児,シールを貼って貯めたところで得られる報酬がわかりにくかったのでしょうね。

そこでうちでは現金報酬を導入しました。1回のお手伝いにつき内容に応じて30〜50円の報酬を即時現金払い。この金額だと2〜3回お手伝いをすると保育園の帰り道にある100円ショップで好きなおもちゃを自分で買えるので,それがモチベーションとなり,家事を手伝ってくれるようになりました。

ただ,これを成功させるにはいくつかポイントがあるので以下に記します。

 

・ 欲しいものは必ず自分のお金で買わせる

「あとでお手伝いするから買って〜」などの要求をしてくることがありますが,一度をそれ許可すると子どもは学習し,同じ戦法を何度も使ってきます。ここは毅然とした態度で臨み,ルールを絶対に曲げないようにします。お店で1時間以上大泣きされたこともありますが,「母は絶対にゆずらない」ことをひとたび学習すれば,大泣きされることは減ります。ある程度わかるようになってからは,出先で手持ちがないときの家での後払いを許可しました。クリスマスプレゼントや祖父母からのプレゼントは普通にあげていましたが,自分のお小遣いで自分の好きなものを買うのには十分有効でした。

 

・ 報酬を明示する

「この洗濯物を干したら50円あげる」と,口で説明してもよいのですが,報酬表を作って「せんたくものほし 50えん」などと書いた紙を壁に貼っておくのも手です。明文化すると,たとえ字が読めなかったとしても,そこに書かれた内容が自分だけでなく母も守るべき平等なルールとして認識されるのか,口約束以上の効果があるように感じました。本人にとってもその紙を指差せば報酬を請求しやすくなり,お手伝いに対するやる気がアップします。

 

・ イレギュラーで桁違いなお小遣いをあげないよう,家族に伝えておく

私としてはお手伝い1回50円の報酬は高すぎるかな?と悩む額なのに,夫や祖父母がちょっとしたことで数百円,数千円のお小遣いをあげてしまうとすべて台無しに。なので,家族にはあらかじめその旨を伝え,子どもに対するごほうびは別の形であげてもらうよう相談しておくことをお勧めします。

 

 

 

 

 


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